とりあえず始めてみます老いじたく

ねんきん定期便をきっかけに老活してみることに

運と幸せがどんどん集まる『願いごと手帖』のつくり方〜を読んで

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Amazonが最近始めたPrime Reading。
前からやっているのは月刊セールだったけど、今度のはタダで読み放題、らしい。
と言っても、きっとそのうちサービスがなくなったり、Prime会員をやめたら、サクッと削除されちゃうのだろうし、と思うと、あとで何度も読み返したいような作品には手が出しにくい。

書評で見かけて、ちょっと興味は持ったけど買ってまでは読まないな、と思うものが対象になりそうです。

ということで、今月はこれ。

書くだけで願いが、叶うそうです。

その言わんとしているところは、多分、
#1)紙に書き出す=言語化することで、自分の願望を明確にして、方向性をはっきりすることができる。
#2)書いておけば、もし願いが叶った時に何に対して喜べがいいかがはっきりするので、幸せ感が実感できる。
書かないと、漠然とした願いになってしまうので、叶っても幸せ感が強くない。
#3)そうして、叶った喜びを記録することで、自分の生活や人生に対して肯定的になれ、幸せになる。

ということ、みたいです。
つまり、与えられたものへの感謝と幸せを実感できるようになりましょう、ということですね。

今日の自分のくらいにある幸せのタネに気づいて書き留める。そして、その願いがかなったら、充実感を小さく蓄える。そんな風にいい頃合いに満ち足りていく繰り返して、いつかもっと素敵に輝くための大きな力になる。


ま、書くだけだから、取り掛かりやすそうですし、やって見てもいいかもしれません。

願い事を書く時のコツとして、6項目あげられています。
①気がついたらそうなっていた、という棚ぼた式の願い事にすること。
これは、ついToDoリストにしてしまいがちな人への注意も兼ねているようです。
あくまでも、自分の努力で叶うのではなく、環境の変化で叶うように願うこと。

②障害や限界を考えずに書く。
あくまでも棚ぼた式なので、現実的にならずに素直になりましょう。

③わかりやすく具体的に書く。

願いは漠然と書くよりも、具体的にわかりやすく書くほうがかないやすく、かなった時の幸福感も大きい


④自分が持っているものを有効利用する。

自分の持っている資源(得意なこと、積み重ねてきたこと、大好きだと思っていること)をしっかり把握して認めてあげよう。


⑤努力を必要とする願いは、楽しいこととセットで。
努力の大変さにフォーカスするよりは、達成した時の喜びにフォーカスしましょう、そのほうが、達成した時は喜びが大きくなり、逆にうまくいかなかった時の挫折感も軽くて済むから。

⑥まわりの人のこともいっぱい書いてみる。
自分に関わる人で変わってほしい、と思うことがあったら、書いてもいいそうです。
その際、その人に対する不満が噴出することがありますが、それはそれで、書いていくこと。
そうすることで、自分が持っている相手への気持ちが整理されて、お互いの関係について冷静に考えることができるそうです。
なので、くれぐれも、その人の不幸を願うようなことは書かない。

まわりの人のことを書いて自分とその人たちとの関係を見つめ、誰かの幸せを願うまなざしを持つことは、とても意味のあることだと思う。


あとは、どんな手帖を選べが良いか(基本自分の好きな手帖)とか、実際に書いてみてかなった人の体験談とか、ついでに、著者のスケジュール管理についてのライフハックとか。

私は、iphoneのリストに項目を作ってみました。
とりあえず、”近所に生鮮食品が充実したスーパーマーケットが出来てほしい”と書きました。
他にも、いっぱい、欲張りなのであっという間に最初の目標願い事30個はクリア。
日々、書いていけばおそらく100個もすぐに出てくることでしょう。

ユービック〜を読んで

”バーナード嬢曰く”で言及されていた、ハヤカワ文庫版ユービック。
そういえば、昔、読んだな〜。
でも、全然覚えてないわ。
どこかになかったけ?と探したら、ありました。
それも、ハヤカワ文庫版。
確かに裏表紙に、思い切りネタバレが。
しかしながら、これだけネタバレされてても、なおかつ、どういう話だか、皆目見当がつかないのは、さすがは(?)ディック。

ディックの世界って、なんか登場人物がみんなくたびれたサラリーマンみたいで、読むとこっちもなんだかくたびれてくるんだけど、そこが癖になってしまって、つい読んでしまう。

舞台は、死者が半生状態という、身体は死んでるけど、脳の活動は生きていて、然るべき施設で然るべき装置を使えば、生きている人とコンタクトが取れる、という世界。
そして、超能力者が普通にいる世界でもある。
その超能力を中和する能力(これも一種の超能力ですかね)を持つ人々を雇って、超能力者に対抗する活動をしている企業の社長とその部下たちが出てきます。
社長と、次期社長とされている主人公だけが、普通の人で、他のメンバーは皆、超能力の中和能力をもたった超能力者たち。
主人公は、超能力者がどんな能力を持っているかを測定する技師で、その技術力は右に出る者がいない、という設定。

本作でも主人公含め、みんな疲れてます。
世界的に有名で、ものすごく儲かっている企業のはずなのに、その社長は妙に悲観的で、行きづまり感半端ない。
冒頭で、共同経営者である奥さんのところに相談に行くのだけれど、彼女はすでに身体は死んでいて、半生状態でスイスの死体安置所にいる。
いろいろ相談したいのに、ジェリーと言う名の10代で早世した少年が、割って入ってきて訳がわかんなくなる。
ジェリーは、死者の精神を食らって自分だけ強くなってるのでした。
このジェリーが、ラスボスなんだけど、流石にハヤカワ文庫さんでもそこまでのネタバレはしてない。

さて、次期社長とされている主人公は、いつも金欠で社会生活不適応者みたい。
他の特殊能力者たちも、普通じゃない感じ。

ある日、すごい儲け話がやってきます。
ついつい乗ってしまう社長。
ミッション遂行のために集められた最高の能力を持つメンバーが月に行きます。
普通に自家用ジェットみたいな感じで、社用車で月に行けるみたい。
その割にはエレベータがボタン式だったり、情報がプリントアウトされてきたり、ちょっとレトロでサイバーパンクっぽい。

さて、月についてどんなミッションか、という話になったところで、実はそれは罠だとわかり、まんまと罠にはめられた主人公たちは、暗殺されてしまう。

最初、死んだのは社長の方で、生き残った部下たちが必死に、社長を地球に連れて帰って、社長の共同経営者である社長の奥さんのところに相談に行こうとするんだけど、その道中にどんどん、周りの物が古くなっていって、1939年代になってしまう。
時々、死んだはずの社長がメッセージを送ってよこしたりするので、なんかおかしいよね、と言っているうちに仲間が一人、また一人と死んで行く。

と思わせて、実は死んだのは部下たちの方で、生き残った社長が、部下たちをまとめて半生状態にして、なんとかコンタクトを取ろうとしていたのでした。

と、これが最終的なオチじゃないところが、ディックの悪夢的なところで、最後は社長も主人公たちと同じ悪夢に取り込まれて行くところで、終わって、何がなんだからさっぱり、という読後感。
そういえば昔読んだ時も、なんじゃこれ?と思ったような、それであんまり記憶に残ってなかった気がする。

なぜ時代が1939年まで逆行して止まるの?とか、結局ユービックってなに?とか、何一つ説明されないまま話が終わります。
なんか書いてたら、規定ページまで来たんで、終わります、的な。

でも、色々解釈されているみたいですね。
一応、代表作の一つになっているらしい。
ディックの作品って、ヴァリスとかみたいに、もっと、よくわかんないのもあるから、これはまだ読みやすい方かも。

時間を持て余してて、でも何か積極的に活動するには意欲がわかなくてね、みたいな時には、おすすめです。

バリー・シール〜観て来ました

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別にトム・クルーズのファンというわけではないのです。
『ザ・マミー』では、妙に若作りで痛々しい気がしたくらい。
相方のおじさんとの会話では、整形疑惑まで持ち上がってましたっけ。

今回のバリー・シールでは、ちょっとくたびれたやさぐれ感が、いい感じでした。
もともと、演技力もある俳優さんなんだから、無理に肉体美にこだわらずに、演技力で勝負すればいいのに。

映画は実在の人物を元にしています。
アメリカの外交政策がいかに悪辣か、ということをある意味さらけ出すストーリーなので、その筋に気を使ってか、最初の方でバリーがこずかい稼ぎに、こっそり密輸をしているシーンを出したりして、もともと、倫理観に問題のある人物であることをさりげなく強調している。
CIAの依頼で反政府軍の基地の写真を撮ってくるのが、最初の頃の仕事ですが、そこで接触して来た麻薬カルテルの幹部に誘われ、麻薬の密輸に手を染めます。
その時の、あっけらかんさ。
なに、運んで欲しいの?
お金もくれるの?
いいよー。
って感じ。
良心が咎めるとか、心の葛藤を感じるとか一切ない主人公を、トム君が実に清々しく演じています。

それはそれは楽しそうにやっているから、かえってこういう人だったんだろうな、と現実味がある。
義理の弟が暗殺された後も、全然、嫌になっている風もなく、楽しく仕事をしている。
最後に追い詰められて、今までの犯罪を(多分、司法取引に使うため?)自撮りするシーンがあるけど、葛藤を抱えていた感じはない。

何度か密輸もバレて、立場が危なくなるけど、結局、また他の仕事を与えられて、なんとかなるあたり、腕がすごく良かったのでしょう。
でも、その度に接触してくる麻薬カルテルの幹部とまたよりが戻っちゃって、なんか性懲りもないというか、学習しないというか。
危険なことをやってうまく逃げ延びるってことに、スリルとやりがいを感じるタイプの人だったのかな。
お金にもそれほど執着してた感じはない。
奥さんに家族を養ってよねっ、と迫られるので、ちょっと多めにもらいたかっただけ、という印象です。
トム・クルーズが演じると、どうもマーベリック大尉の成れの果て、という感じがしてしまうけど、それはそれで楽しい。

告白シーンでも、
ちょうど、いい話が来たから乗ってみただけ。
そしたらめっちゃ金が入っちゃってさー。
いやぁ、参ったよ。
現金ってほんと、場所取るんだよねー。
隠し場所がなくなっちゃってさー。
という感じで反省の色が全く、無い。

そういえば最近の犯罪ものだと、お金は全部銀行送金だもんね、現金をそのままスポーツバッグだったり旅行鞄だったりに入れて、「ほい、お疲れっ」みたいな感じで渡したりってしない。
その辺の細かいことが時代を感じさせます。
それにインテリア。
当時のアメリカのホームドラマを思い出して、懐かしい。
ほら、フルハウスとか、チャーリーズ・エンジェルズとかあったじゃないですか。
義理の弟とか、奥さんの髪型もなんか懐かしい。

あんまり、のほほんと話が進んでいくから、サブタイトルも『アメリカをはめた男』ってあったし、うまいことFBIかなんかの証人保護プログラムでも受けて、逃げ延びちゃうのかな、と思ったら、最後はダメでした。
そこが実話らしい。

観ていてなぜか、三国志曹操の逸話を思い出しました。
曹操の宮殿に、才能はあるけど人格に問題のある歌手がいて、ある時犯罪を犯すのだけれど、曹操がその才能を惜しんで、罰することはせず、その歌手に匹敵する才能のある後輩が育つのを待って、それから殺した。という話。

バリー・シールでも、最後に、彼が麻薬カルテルの幹部と写っている写真が流出して、それで裏切りがバレて『始末』されちゃうわけですが、CIAとしても、この辺が手を切る潮時、って思ったのかもな。
だってバリー君たら、何度大目に見てもらっても、すぐまた横流しとか密輸とかしだしちゃうんだもの。
そういう意味では、アメリカもはめられていたわけですね。
確かに、愛国心のかけらもないお人柄でした。

わたし的には、グリーのシュースター先生の奥さんのエマ役で出ていた女優さんが、相変わらずのギョロ目で検事役を好演していたのが、嬉しかったです。

18時に帰る〜を読んで

白河桃子氏の『御社の働き方改革、ここが間違ってます』や、常見陽平氏の『なぜ、残業はなくならないのか』を読んで、日本人の働き方について考えてみようと、いまさらですが、借りてきました。

著者は一般財団法人1 more baby 応援団。
この著者名がある意味、日本の問題点を物語っている気がする。
実際、この本を執筆するにあたって、オランダの制度を調査しに行く目的が、日本で問題になっている”二人目の壁”問題を解決するヒントを得るため、だそうです。

かと言って、『オランダはすごいね、進んでいるね、それにひきかえ日本はダメだね』的な単純な外国賛美ものの内容ではなくて、割と客観的。
オランダだって、実はヨーロッパの国の中では女性の進出が遅れいたこと、20年くらいかけて制度を整えたり、法律を整備したりと努力をして徐々に、残業をなくす、長時間労働ではなくて生産性を上げる働き方をする、という意識を培ってきたのだそうです。

国民性とか、社会、文化のせいにしてしまうと、結局、よその国ではうまく行くけど、うちの国じゃ無理だよねーという議論になってしまいます。
そうではない、ということを実際のインタビューなどを含めて報告しています。

オランダでも、女性は結婚したら家庭に入り、男性が養うもの、という風潮は根強かったそう。
だから、女性が社会進出をし出した頃は、やっぱりパートタイマーとしての働き方が主だったそう。
ただ、オランダでは正規雇用非正規雇用という働き方自体がないらしい。だから、シンプルにワークシェアリングという流れにできた。

同じ時給なので、当然、たくさん働く人がたくさんお金が手に入る。
でも、シングルインカムよりはダブルインカムの方が、それでも収入が多いので、長時間働くよりパートタイム勤務で、収入を合算して、家庭で過ごす時間を増やす暮らし方を選ぶ人が多い。
結果、子供が育てられる、ということらしい。

0.75+0.75=1.5

というふうに考えるのだそうです。
確かに、それでも1よりは多いですから、余裕のある生活はできるし、万が一、片方が何かの事情で仕事ができなくなってもすぐに共倒れにならずにすみます。

実際、オランダでは産休育休合わせて16週間だそうです。
それでも、日本の12週間よりは多いけど、他の北欧の国々と比べたら、意外なほど少ない。
日本だって、公務員は1年育休取れますし。

それでも、週に36時間から40時間の勤務だったり、有給がしっかり取れたりできるので、仕事をしながらでも子育てができる。

もちろん、みんなが18時で帰る社会は、お店だって早く閉まる。
24時間のコンビニは無いし、スーパーだってレストランだって早仕舞い。
でも、早く帰ってゆっくり家でご飯作ったり、寛いだり出来るなら、ちゃんと休みの日があって買い物に行けるなら、コンビニって必要?
レストランだって、そんな毎日は行かないし。
みんなが家でゆっくり出来る社会の方が、安心して暮らせそうです。

オランダでは定年が67歳だそうです。
年金支給もそのくらい?

でも、考えてみれば週に三日休めて、長期休暇も二週間とかしっかり取れて、生活が充実していたら、早く仕事を辞めてリタイアしたい、という気持ちもなくなりそうです。
もう仕事したくない、と思うのってやっぱり休めないから、だと思うから。
むしろ、働くのが辛くなければ、少しでも安定した収入がある方が嬉しいので、働き続けることに否やはない、と思います。

オランダ式がすぐに日本の社会で実践できるかというと、そりゃ難しいでしょうけど、白河氏の著書にも『日本人は実現度が高まるとオセロのようにそちらになびく』とありました。
そっちがいいよね、とみんなが思ってて、そういうものでしょ、となったら、同調圧力の強いという国民性がいい方に動くことだってあると思う。

過労死間際の長時間労働じゃなくて、辛くないから歳を取っても子供がいても働ける、と思える社会になってほしいな、そのためには、そういう働き方って夢物語じゃないんだ、って知ることも大切だな、と思いました。

御社の働き方改革、ここが間違ってます!〜を読んで

経営者向けの本、みたいなタイトルですが、中身は違います。(多少はそういう面もあるけど)
働き方改革についての変遷や、現実に対処している会社への取材、今後への提言が述べられています。
彼女の著書『専業主婦になりたい?』を読んで、その鋭いツッコミが面白かったので興味を持ちました。

図書館の在庫になかったので、kindleで購入してみました。
結論、kindleは「これってどの辺に書いてあったっけ?」というような読み返しをしたり、ぱらぱらとつまみ食い的に読んだり、という読み方には向かない、ということ。
それに、ちょっとページをそのままにして、他のことをしていると、勝手に暗くなってる(バッテリーを保存するためには仕方ないのでしょうけど)。
なので、感想文を書こうと思うと、すごく書きにくい。

250円の差額をどう考えるか、なんだけれども、安くで手に入れたいなら、古書を狙うというてもある訳で、kindleはやっぱり漫画を読む時くらいかなぁ。
場所を取らない、ということと、「こんなもん読んでるんや〜」と思われて恥ずかしい、ということがない、その辺が利点ですね。

さて、本の内容について。
『働き方改革』という言葉が、一人歩きして空虚化していないか?ということをテーマにしていますが、単なるダメ出し目線ではないところが、前に読んだ、常見陽平氏の『なぜ残業は無くならないのか』より、前向きで好感が持てました。

強い者が生き残るのではなく、変化に対応するものだけが生き残る時代なのだ。
「ただの時短だと思うからいけないんです。会社全体が、業界全体が、この会社で良かったと、プライドを持って仕事ができるようになる改革、それが働き改革なんです」〜中略〜
「時短ではなく、会社の魅力化プロジェクトと捉えなくてはいけない」

と、述べられています。

『残業上限規制』についても、「どうせ抜け道が増えて逆に働きすぎに拍車がかかるだけだよ」的な後ろ向き意見ではなく、体育会系のマッチョな職場はもう終わろう、心理的に安心したお互いに優しくできる職場に変わろう、と社会全体が考えるきっかけというか、潮目になるだろうといっています。

ちゃんと企業を取材して、うまくいっている事例も、ただ持ち上げるだけじゃなくて、やっぱり上が覚悟を決めてやらないとうまくいかないよね、などと批判も入れながら報告しています。

常見氏が、前に働いていたリクルート社も取材されていました。
トヨタが入っていなかったので、彼女が取材したらどうなっていたのかな?と興味深いところです。

著者自身が働きながら、子育てもしているキャリアウーマンなので、やっぱり女性の働き方、を見る視点には鋭いものがあります。
でも、考えてみれば『女性』というのは、男性しかいない会社には異分子なので、その異分子の処遇を見ることで、その会社の『従業員』に対する考えがよくわかる。ということも言えるのではないか、と思いました。
どの人も皆、個人的事情と背景を持っていて、働いていない時間に何をするかは、それぞれの事情によって違う。
その一番違いがわかりやすいのが、『女性」な訳で。

『女性』の扱い、ということでは座談会も載せられています。相変わらずのジェンダー差別ネタがいっぱい。
もう、その未だに変わらないおじさんたちをあげつらうのはやめようよ、と思うけど、ここは一応、触れておかないといけないんだろうな。

面白かったのは、第5章の”『女性に優しい働き方』は失敗する運命にある”で、取り上げられた資生堂ショックの話。
結局、出産して働き続ける女性が少数派だった頃には、なんとか周りがサポートしてやりくりできていたようなシステムでは、ワーママが多数派になったら破綻するよね、という話。

女性たちが「会社に留まることができる」ようにはなったが、その結果として「女性に優しすぎる制度」がつくられてしまった。言い換えるなら「子育てをする女性には優しすぎて、子育てをしない女性には厳しすぎる」制度だ。
女性比率の高い会社では、制度を利用する人が大量に出てきて、一部の人に負荷がかかりすぎるという問題が出てきてしまう。その職場の「ギスギス感」が無視できない生産性の低下にもつながってくる。

そりゃそうだよね。
周りの負担をあてにしたシステムじゃ、遅かれ少なかれ限界がきます。

妻がワンオペ育児の世界は、夫が二十四時間戦うビジネスマンの世界でもある。

それじゃあ、子供はどんどん減っていくだろうし、さらに年取っても、長時間働くしか生きる道のない社会は、疲弊してくしかないよね。
そういうことに、そろそろみんな気がつこうよ。
と、著者は言いたいのだと思います。


『女性に働いてもらわないと、国としては税収は減るし、介護や生活保護だなんだで、支出は増えるしで困るから、働いてもらいたいんですよ』
という身も蓋もない現実的な理由で十分だと思うのです。

現にフランスでは、女性が働かないと労働力が減って困るから、という理由で育児支援を行なったところ、それが結果として少子化対策になったそうです。
”二人目の壁”という言葉があるそうですね。
子供が欲しいと思っても、様々な制約があって二人目を持てない家庭が日本では増えているらしい。
うちも、相方のおじさんは子供は三人くらい欲しかったみたいだけど、私がこれ以上のワンオペ育児(当時、そういう言葉はなかったけど)は御免蒙る、と言って諦めてもらった経緯がある。

そういえばフランスやドイツでは、強制的に父親に育休を取らせる制度があるそうです。国が制度を作ってでもやらないと、動かないことってあるのです。

”やりがい”とか、”生き生き”とか”キラキラ”とか、そういう言葉はいらないの。かえって、胡散臭いです。

働いてもらいたいの、税金払って欲しいの。
だから、働きやすい社会にしてあげるから働いてね、とはっきり言っちゃえばいいのです。
その代わり働きやすさについて、ちゃんと考えてね。

だから、第5章の『最後の働き方改革の時代に求められる能力とは』の項は、おじさんたちにじっくり読んで欲しいな。

霞ヶ関も官僚たちも、女性が増えて、働き方を考えよう、という方向になってきているそうですね。

だいたい、子供が欲しくないって思う人は、社会のごく一部だと思うのです。
だって、生き物なんですがから。
種の保全、”産めよ増やせよ地に満てよ”は、DNAに組み込まれていると思うのです。
でも、それができないのが今の日本の働き方。
やっぱり、変えていかなくちゃ。

2016年初めには「実現なんて予測できなかった」働く時間の上限が今は実現しようとしている。飲酒運転や禁煙を考えてみて欲しい。私が会社に入った頃は、オフィスで隣の人がタバコを吸っているのは当たり前だった。条例や法律ができて、今やそんな状況は考えられなくなった。みんなが良い人だったからではない。「当たり前は変わる」のだ。
「日本人は実現度が高まるとオセロのようにそちらになびく」とある人に言われた。
世の中はノロノロとでも確実に動いているし、働きかたの問題が動いたのは、この問題に興味を持ってくれた皆さんのおかげに他ならない。署名してくれた人、ネットで賛同、発信してくれた人、アンケートに答えてくれた人、多くの人の力が社会を動かすのだ。
そして、「何かを変えたい」と思う人は、ぜひ「一歩でも現実を進めよう」という思いを持つ仲間と、ちょっとの違いを乗り越えて協働して欲しい。実現度が確実に高まる。

こんな風に、言われたら、協力しないわけにはいかないと思いました。
ただの田舎のしがないバイトのおばさんだけど、出来ることがあるかもしれない。
考えてみようと思いました。

バーナード嬢曰く〜を買ってしまった

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やられました、Kindle Prime Reading。
もうはっきりわかっていたのです。
1巻目だけ無料にして、残りを買わせようという魂胆。
見え見えだったのに、こんなのに引っかかるなんて。
ちょっと、前にレビューで見かけて、「面白そうだけど買ってまではちょっとね」と思ってスルーしていた漫画。
ま、無料だからお試しに、暇だし、とクリックしてしまったのが運の尽き。
やっぱり買っちゃった。
3巻までだったのが幸いでした。
いくらPrimeでタダでも、シリーズものには手を出さないようにしよう。

シンプルな絵柄で、シュールなギャグが展開されます。
こういうの好きなんですよね。
ぼのぼのとか、勝手にシロクマとか。

舞台は学校の図書館。
町田さわ子というかなり不思議ちゃんな女の子と、彼女を観察する遠藤くんの会話で話が始まります。
なぜか、バーナード嬢と呼べ、と強要する町田さわ子。
遠藤くんは”ド嬢”と略している。
なんとなく”O嬢”を連想させて、イケナイ雰囲気。
いえいえ、そういう方向性の漫画では決してありません。

彼女は、本を読むのが遅くて苦手、なくせに読書家と思われたくて、いかに本を読まずに読んだふりをするか、そして、他人から尊敬を受けるか、というよくわからないことを目的にして図書館に入り浸っている。

読まずに内容を知るために、遠藤くんに話しかけたり、真性読書家の神林さんから、概説を受けたり、本を借りたり(で、意外にもちゃんと読んでいたり)する。
同じく読書家の図書館員の長谷川さんは、隠れシャーロキアンで、遠藤くんに片思いしている。
遠藤くんは、登場人物中たった一人の男子なのですが、恋愛オーラの全くない草食系男子。
流行りの本を、話題になっている時には読まず、周りが忘れた頃に読む、という変な趣味の持ち主。
とりあえず、この四人が登場人物です。

古今東西の名作が、挙げられていますが、主人公がいかに読まずに内容を把握するかに力点を置いているため、文学的な解説は皆無です。
でも、ロシア文学を読むと登場人物の名前の多さに翻弄されるとか、宮沢賢治は音読するとよく入る、みたいなあるあるには不覚にも頷いてしまう。

作者はSFに造詣が深いらしく、懐かしい作品がよく会話に出てきます。
子供の頃、親の本棚にあったSF文庫本、暇にあかせてよく読んだものです。ほとんど内容を忘れているので、また読んでみようかな、などと思ったりして。
私は1000冊も読んでないから、SFファンを名乗っちゃいけないのだな、と思うので、ちゃんと1000冊クリアして(るに違いない)、SFについて熱く語る神林さんが一番好き。

町田さわ子の言う、

「ちゃんとは読んでいない」
あらすじを読んで興味を持ち、話の展開が気になったので、
ネットで調べてそのまま結末まで把握したのち、感想も色々と探して読み漁りより理解を深め、十分な読了感を得る。
そういう読み方!

ここに激しく共感。
最近は、こういう読み方(?)多いな。

4巻が出たら、買ってしまうかも。

ガールオンザトレイン

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原題は”ザ ガール オン ザ トレイン”で、ガールにもザがつきます。
邦題の方は、ザが二つもつくとしつこいと思ったのかな。
と言うか、その前にもう少し工夫した邦題がつけられなかったのでしょうか?
手抜きもいいとこ、まんまやん。

原作の翻訳本も題はそのままカタカナで”ガール オン ザ トレイン”
内容は悪くなかっただけに、もう少し日本語の情感を生かした邦題が欲しかったな。

映画は、内容が内容だけに、相方のおじさんと観に行くのもなぁ、と迷っているうちに観そびれたのでしたが、Amazon primeで無料になっていたので、早速、観てしまいました。

『嘘をついているのは誰?』と言うのがテーマのミステリー。

アルコール依存症の主人公が毎朝通勤のために乗る電車から離婚した夫と新しい妻とその家庭を、未練がましく見ているところから始まります。
通勤に電車を使っていると言う設定が、なんかアメリカっぽくない。
原作では舞台はロンドンでしたっけ。
そのままロンドンでもいいのに。

主人公はいつも朝っぱらから飲んでいて、酒が抜けずに、いつも酔っているので、記憶が曖昧。
考えていることもフラフラと一定せず、自分で自分が信用できない。

映画ではエミリー・ブラントが迫真の演技を見せています。
アップのシーンだけで、何か、すごく怖いことが起きそうな感じがする。
「この人ちょっと危ないんじゃないかしら?」と観ている者に思わせる、神経が過敏で今にもぷっつり切れそうな女性、と言う演技をさせると、エミリー・ブラントは天下一品だと思う。
あとは、強いて言うなら、ミラ・クニス
彼女の異様にでかいお目目で、直視されるとなんか怖い。
でもエミリー・ブランドは、そんな昆虫的なでか目でもなくて、ごく普通の上品そうなお姉さんなのに、表情の動きだけで、危なそうに見えるからすごい。

トム・クルーズや、マット・デイモンとアクションもののSFでは、鍛えたボディで(実はボディビルとかが、趣味なのかしら?)気の強いヒロインや、情熱的なヒロイン役で出てますけど、もっと繊細さを表に出した役柄の方が向いている気がする。
私が言うことじゃないですけどね。

映画では、酔っ払った演技とか、新しい妻にストーカーしちゃうメンヘラ女の追い詰められ感とか、本当に迫真に迫るものがあります。
ある事件が起きて、その犯人が自分じゃないか、と思い始めてから、酒を断ち、妙にしっかりしてきて、色々調査し始めるのだけど、それも彼女がやると危うい感じで、本当にお酒やめてる?と言いたくなって、それがまた緊張感を高めます。

一方で、真犯人がわかって行く過程とか、話の進み具合は割とあっさり。
最後も、え、そんな終わり方でいいの?
とちょっと言いたくなるけど、登場人物の気持ちの移り変わりとか、ちゃんと理解できて、細かいところまでよくできているシナリオだと思う。
女癖悪い男に引っかかるとろくなことはない、と言う話ですね。舞台とキャストを変えたら、日本でもありそう。

あとは、お酒には気をつけよう。
お酒は飲んでも飲まれるな。
記憶を無くすまで、飲まないようにしましょう。
と言う教訓が身に沁みる映画でした。