読書感想〜老後は一人暮らしが幸せ
大阪で開業しているお医者さんが、診療所に訪れる患者さんを対象にアンケート調査を行い、出した結論を本にされたそうです。
高齢者の満足度が高いのは同居者ではなくて、独居者である。というのが結論だそうです。
その理由として、一人だと、自分のことは自分で全てしないといけない反面、マイペースで、自分のやり方を通すことができるため、周りに気を使わないで済む分、ストレスがたまらない。
一方で、家族がいれば、いなくなった時や、意思疎通がうまくいかない時には逆に孤独感が募ってしまうが、一人暮らしではそもそもが、一人なので、寂しさへの対処もできている。
誰かの援助を期待しない分、期待が外れた時の失望もない。
と言ったことが挙げられていました。
そして、同居人がいると、安心感はある反面、相手に気兼ねしたり、話がかみ合わないなど、人間関係の悩みも多くなるので、逆に満足度は下がるそうです。
家族が多ければ、構成員それぞれが緩衝材となるので、お互いの軋轢は減るけれど、最近の動向として大家族で暮らすことは難しくなっている。
だから、いっそ、一人暮らしの方がいい。ふーん、なるほど。
特に夫婦二人同居が、一番、満足と不満足の振れ幅が大きいと。
これなんか、すごくよくわかります。特に、身近な例として義理の両親を見ていると。
そうかぁ、老後は一人の方がいいのかぁ。
とはいえ、この本に挙げられた一人暮らしのお年寄りは、全て、独居だけど、自分のことは自分で出来る方ばかりです。それが、前提条件の上での独り暮らし。
同居しているお年寄りの満足度が低いのは、自分のことが自分でできない、介護度の高いお年寄りが入るからかもしれない。
実際、ホームでの暮らしにも否定的な答えが多いようです。
身体の自由が効かなくなっても、マイペースで動けば良いのだし、出来ないことがあっても、自分なりに工夫してやればいいのだから、独り暮らしが良いのだ、と著者はおっしゃいます。
でもね、どれだけ工夫しても努力しても、トイレも一人で行けないくらいに不自由な身体になったら、やっぱり無理じゃないの?
それに、さしあたって我が家は、相方のおじさんも一緒に老後を過ごす、という設定なので、この結論はちょっと。
続編の「ふたり老後もこれで幸せ」「続 老後は一人暮らしが幸せ」も読んでみました。