とりあえず始めてみます老いじたく

ねんきん定期便をきっかけに老活してみることに

切れるお年寄りと承認欲求

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ずいぶん前から、高齢者が怒って暴力を振るったり、暴言を吐く事件が、増えているそうです。

お年寄りがキレやすいのは、老化により脳の抑制が効かなくなっているからだそう。

まだ幼い子供が癇癪を起こすのは、脳が発達していないから、なので、抑制できないという現象としては、同じことなんだそう。

 

じゃあ、キレやすいお年寄りと、そうでも無いお年寄りの違いは、というと、本人の脳の抑制能力も大事ですが、

それだけではなくて、周りに理解されている、尊重されている、と本人が感じているか、感じていないかだそうです。

 

ちゃんと周りの人に尊重されている、行動を理解してもらっている、と感じているお年寄りはキレない。

 

理解されたい、尊重されたい、他人から認められたい、という欲求を承認欲求、というのだそうです。

これが満たされないと、怒りが生じ、脳の老化のためにその怒りをコントロールできずに、暴発してしまうのですね。

 

昔は、高齢者を敬う社会だったので、とりあえず、お年を召した人は誰であれ、周囲もひとまず丁寧に扱っていました。

社会風習としてお年寄りがキレないように、自然とサポートできていたのかもしれません。

 

しかし、100歳越えのお年寄りが珍しくも無い昨今。

高齢者も元気なんだから働きなさいよ、とか、生涯現役で、とか言われて、歳をとったくらいでは、ちやほやなんかしてもらえません。

 

承認欲求がことに強いのが、かつて社会的地位が高かった男性だそうです。

仕事を辞めて、ただのおじいさんになってしまうことを受容できないのでしょうね。 

ある意味、仕事人間であることを誇りすぎて、そこに安住してしまい、客観的自己評価を怠った報いとも言えるかもしれません。

 

いわば、初孫として生まれて、今までさんざん甘やかされていたのに、下の子が生まれた途端、大人たちの興味の先が下の子に移ってしまい、赤ちゃん返りしている子供のようなもの、とも言えそうです。

 

でも、子供の赤ちゃん返りは、まあ、成長の過程として許せても、老醜を晒すだけで、可愛さのかけらもない年寄りの赤ちゃん返りは、大目になんか、見てもらえるわけがありません。

 

承認欲求自体は、社会を形成して生きる人間に備わった基本的欲求なので、誰にでもあります。

女性だからって、若いからって、無い、訳は無いです。

今は、穏やかにしているお年寄りだって、扱われ方によっては切れすかもしれない。

つい先だっても、職場でスタッフを手こずらせていた認知症のおばあちゃま、元は女学校の校長先生だったそうです。

おばあちゃん扱いが、気に入らなかった模様。

 

私だって、職場が変わったばかりの時など、まだ慣れずにいる頃に、出来ない子扱いされると、「それはまだ、ここのやり方を知らないから出来ないだけで、本当はこんなこともあんなことも出来るのよっ」って気持ちになりましたもの。

そんな時に、よく頑張ってますね、とか、ここは虫子さんの方が詳しいでしょうから教えてください、なんて言われると、気分が良くなるものです。

 

歳をとって出来ないことが増えるのは、仕方ないこと。

今まで、自分が当然だと思って受けてきた扱いを、受けられなくなるのも仕方ないこと。

それどころか、馬鹿にされたり、お荷物扱いされたりするかもしれないこと。そしてそれに耐えなければならなくなること。

 

いつかは、自分もそうなるのだと、このことを肝に命じて、

承認欲求が強すぎる=満たされない承認欲求のせいでキレる年寄り、にはならないよう、日頃から、自分の価値について内省しておこう、と思います。