都会に住むと美味しいこと 続き
翌日は、上野の東京美術館にバベルの塔を見に行きました。
平日の午前中でしたけど、結構人が多くて、全部ゆっくり見てたらエネルギーが枯渇しそうだったので、途中はスキップしてメインのブリューゲルの絵(思ったより小さい)だけ観て、それで良し、としました。
若冲の時は平日の午前中で、入館までに3時間待ちだったそうですから、並ばずに入れただけでも、ラッキーだったのでしょう。
でも、一番観たかったバベルの塔の模型は、展示されてなくて、なーんだ。と言う感じ。
疲れたので一階のカフェで、またもや、お値段以上に美味しいコーヒーをすすりながら、買ってきた画集やムックを眺めていたら、模型の方は、隣の芸術大学に展示されていることが判明。
スマホのナビを案内に、根性で観に行きました。
こちらは、見物客もほとんどいなくて、写真も撮りまくり。
その上無料です。←ここ大事
細かいところまで作り込まれていて、とても見所がありました。
おすねかじり虫は、学生たちの
「ああ〜、もう終われな〜い(泣)」
と言う怨嗟の声が詰まっていそうな作品だ、と申しておりました。
私の中でも、一番見応えのある作品だったと、思います。
ところで展示会で一時、家族とはぐれてしまい、一人でぼんやりと出口に降りるエスカレータに乗っていた時のこと。
後ろに並んだ、上品な感じの二人連れの老婦人が、おしゃべりしているのが、聞こえてきました。
どちらもご高齢で耳が少々悪いらしく、声が大きい。
「年金生活の暇つぶしに来る人たちのせいで、混雑するのは困ったものね」
とぼやいておられる。
「もちろん、私たちは暇つぶしじゃないもの」
と優越感丸出しのお二人。
わぁ、こう言う人いるんだ〜、と思って聞いていると、
やがて、共通の知人である誰かが、振り込め詐欺にあった話が。
その〇〇さんとやらは、メイドさんが「お孫さんからです」と取り次いだせいで、引っかかったのだそうです。
「(メイドさんが、)『お孫さんからの電話です』なんていうものだから、もう最初から孫だ、と思い込でて騙されちゃったんだって。困るわよね〜、そう言うの」
「ほんとね~、(メイドさんの)教育も大切よね~」
だって。
へぇ、そうなんですかぁ。
そういう、セレブ(?)の立ち話も聞けちゃうのが、東京、なのでした。