週に三日しか開けないカフェ
週一で行く方のバイト先の近くに、住宅の一部を改装したようなカフェがあります。
イギリス風庭園が、塀の向こうに垣間見えていたりして、なかなかにおしゃれな雰囲気のお店です。
が、何時通っても閉まっている。
玄関の前に置かれた黒板には、金曜日から日曜日の営業とある。
土曜日と日曜日はモーニングサービスもあるそうです。
って、週に三日しか営業しないの???
何かいわくがあるのでしょうか?
普段は別のところにお勤めしていて、趣味で週末に開けるのかな?
何か、怪しい活動をしている???
見た目は穏やかな雰囲気なんですけど。
なんとなく気になっておりました。
今日は、たまたま仕事が早めに終わり、なのに義理がらみで、夜から勉強会という名の集まりに、出ないといけない。
毎月、月末の金曜日は、当分そう言うことになりそう。
月末の金曜日は、巷ではプレミアム・フライデーと呼ばれているそうですね。
ご多分に洩れず、うちの職場でも、「なにそれ、美味しいの?食べれるの?」的認識でございます。
勉強会が始まるまでの間、家に帰って出なおすほどの時間もなく、ついでに腹も満たしておきたかったので、物は試しと、そのカフェに行ってみることにしました。
店の前にはメニューを書いた黒板が。
今日はちゃんと営業しているみたいです。
木製の重々しい玄関ドアのノブをそっと回してみる。動きました。
ドアを引いて開けてみる。
静かな感じのクラシック音楽が流れています。
変な人がいたり、怪しい勧誘とかされたら一気に逃げよう、などと思いつつ、恐る恐る、中に入ってみる。
若くてごく普通に感じの良い女の人が、エプロンをして木製のカウンターの向こうから「いらっしゃいませ〜」。
お店の中は、全く普通のカフェ。
白い壁に濃い色の木製家具が、ヨーロッパテイストです。
テーブル席とカウンター席。
カウンター席には、お洒落な感じの同年輩と思しきおばさま三名が、並んで座って、おしゃべりしている。
レジの横に、パンやケーキを並べたガラスのショーケースがあって、好きなものを選んでも良いらしい。
隅っこのテーブルに座りました。
窓からは、何時も外から覗き見ていたイングリッシュガーデンが見えます。それほど広くはなく、こじんまりとしていますが、手入れが行き届いてておしゃれ。
夕方だったのでランチはもう終わっていて、ティータイムメニューだけでした。
ティータイムセットというのにしてみました。
写真にあげてあるのがそれです。
紅茶はアフタヌーン・ティーにしました。
ミルクティーが好きなのですが、クリームの油臭さが苦手なので、一応、牛乳にしてもらえるか確認。
このお店では、牛乳で出してもらえるみたいです。よかった。
さて、やってきたセット。
下の段はきゅうりのサンドイッチ。
アガサ・クリスティの小説によく出てきますね。
ひとつずつマヨネーズ味とチーズスプレッド味と、変えてあって芸がこまかい。
スコーンはサクサク&しっとりで、バターの香りがふわっとしてて、いかにもカロリー高そうで、それはそれは罪深き美味しさでした。
チョコレートケーキまで付いていて、かなりお腹がいっぱい。
口直しと休憩に、果物を。
最後に、ラズベリーソースをかけたアイスクリームが、小鉢に出てきました。いや、もうはいりません。。。。
たっぷりの香りの良い紅茶も満喫して、満足満腹して、全部で1,200円でした。
帰りがけに、あまりに美味しかったので、相方のおじさんのお土産にパンとスコーンを二個ずつ購入。
一個80円とか、学校の購買部並みのお値段じゃないですか。
。(゜o゜)!!
レジに、オーナーと思しき女性がいたので、ふと思いついて聞いてみました。
なんで、週に3日しか開けてないんですか?
彼女が、言うには、去年までは普通に週6日の営業だったそうです。
ところが、最近になって腰を痛めてしまい、しばらく入院が必要になり、店も一旦閉めたのだそう。
その後、お客さんの要望に応えて再開したものの、以前のように週6日の営業は、とても身体が無理。
それで、週3日だけ開けているのだそう。
いずれ、体調が戻ったら、週に6日になるのですか?と、期待も込めて聞いてみました。
金曜日は別の職場でバイトなので、なかなかこちらまで来ないのです。できれば、近くの職場に来る日にも開けてほしい。
するとオーナー曰く、もう身体もきついから、今のままで行こうと思ってます、とのこと。
週に3日くらいが、ちょうどいいみたいなんで。
他の日は、のんびり庭の手入れをしたり、料理の仕込みをしたりして過ごしてます。
仕事はしたいけど、身体に無理はしたくないので。
このくらいのペースなら、楽しみながらやっていけます。
と笑いながらおっしゃってました。
客としての私は、確かにがっかりしたのです。
でも、同じ働く人間としての私は、そう言う働き方も良いな、と思ったのでした。