睡眠を改善すれば、認知症を防げるかもしれない
睡眠は、糖尿病を始め様々な疾患に影響を持っています。
アルツハイマー病や、その他の認知症患者の多くが、不眠症、夜間徘徊、日中の傾眠などの睡眠障害を持っていることもわかっています。
ところで、早いうちから睡眠障害を持つと、認知症になりやすくなるのでしょうか?
アメリカの神経学会(the journal for the American Academy of Neurology)で、百一名の認知症でない成人を対象に、研究が行われたそうです。
対象者は、平均年齢63歳。
認知症ではないものの、家族歴やアルツハイマーに関連する遺伝子を持つなど、リスクの高い人たちでした。
参加者達に、睡眠の質についての質問に答えてもらい、彼らの脳脊髄液を調べて、その内容を比較検討しました。
すると、睡眠障害を持っている人の方が、脳細胞が破壊されているという証拠を、多く示したのです。
ただし、睡眠時無呼吸症の人では、明らかな関連は見られず、全ての睡眠障害が影響するわけではないようです。
睡眠の質については、寝つくまでの時間、寝ている間の安静度、中途覚醒後の再入眠、などなど細かく聞かれます。
特に、日中にずっと眠いかどうか、は夜間の覚醒よりも影響があるようです。
少なくとも7〜8時間の睡眠は、脳の健康や機能に不可欠だそうです。
それは、睡眠のもっとも深い段階にいるときに、脳は神経細胞を破壊する様々な因子を、排泄しているから。
今回の研究では、睡眠の質についての評価が自己申告に頼っているため、今後、研究者達は参加者を募って、さらに詳しい研究を重ねる予定だそうです。
睡眠に問題があるからと言って、将来は認知症になってしまう、とは限らない、と研究者は言います。
むしろ、睡眠に問題がある人を、中年期の終わり頃のような早い段階で治療することで、認知症の発症を遅らせることができるのではないか、と期待しています。
単に、長い時間眠るだけではなく、質の良い睡眠をすることが大切みたいです。
認知症予防にもなる睡眠の取り方が、いずれ明らかにされるのかもしれません。
是非とも、私がボケる前に解明してください、と心から思ったのでした。
最後に、睡眠の質についての質問票が面白かったので、訳してみました。
https://www.rand.org/content/dam/rand/www/external/health/surveys_tools/mos/mos_sleep_survey.pdf
ただ、評価の仕方はわかりませんでした。
多分、全ての質問で問題なし、と答えた人が良質な睡眠をしている人、なのかな。
以下が、その質問です。
[最近4週間の睡眠について答えてください。]
1.寝つくまでの時間はどのくらいですか?
0−15分
16−30分
31−45分
46−60分
60分以上
2.毎晩の平均睡眠時間を記入してください。
〇〇時間
以下の質問には、いつもそうである、概ねそうである、だいたいそうである、時々そうである、あまりそうでない、ないの5段階で答えます。
3.寝ている間に、落ち着かない、緊張する、寝言を言う、などがありますか?
4.翌朝目覚めた時、十分に眠った気がしますか?
5.息苦しさや、頭痛で目覚めることがありますか?
6.日中だるかったり、眠かったりしますか?
7.寝つく時に問題がありますか?
8.中途覚醒して、すぐに寝付けないですか?
9.日中起きているのが辛いですか?
10.寝ている間、いびきをかきますか?
11.5分、あるいはそれ以上の昼寝をしますか?
12.必要な時間、眠れていますか?
私は寝つきはいいし、睡眠に問題はない、と思っていたのですが、やっぱり歳をとってきて、最近は、中途覚醒の後は、ちょっと寝つきが悪いかな。
それに割と毎晩、眠っている途中で目が覚めてる。
(主に、相方のおじさんが、夜遅くお風呂に入ったりするので、目が覚めてしまうのです)
昼寝は、もともと大好き。
と言うより、老後は好きなだけ昼寝して暮らしたい。
でも、それでは良くない、のかな?
良い睡眠をとって、なるべくボケないように、心がけていこうと思いました。
出典:
edition.cnn.com