発達障害子育ての悩み
NHKのあさイチで、発達障害の子育ての悩みについてやっていました。
今だから言えるけど、うちのおすねかじり虫も同じ傾向あり。
本当に大変だった。
切り替えが苦手で、ぐずりだすとどうしようもない。
番組に出てきた女の子に、昔の子虫の姿が重なりました。
番組のお母さんは専業主婦なのかな、ちゃんと、子供さんの気持ちを言葉にして、寄り添ってらっしゃいました。
本人の気持ちがこじれて、会話も成り立たなくなったら、筆談でコミュニケーション、というのは私もよくやったな。
でも当時は、そういう子への知識もなかったし、仕事もしていたから、番組のお母さんみたいに余裕がなくて、だんだん追い詰められていって、いつか切れて虐待になってしまうのではないか、と怖くなった時期もあった。
この子は最初の反抗期から、ずぅーっと反抗期なのよね。
いつになったら落ち着くのかねぇ、早く落ち着いてくれよ(泣)
というのが、子育て中での感想です。
番組中のお母さん同士の会話に出てくる、発達障害の子供達の行動、全部うちの子供達にも当てはまります。
でも、子育てなんて初めてだし、子供ってそういうものなのだろう、と思っていたし。
仕事してるから、私の目が配れなくて、そういう行動になってしまうのかな、でも仕事はやめられないしな、などと思いながら過ごしてました。
救いだったのは、赤ちゃんの頃から保育園に預けていたので、熟練の保母さん達が、根気強く付き合ってくれたこと。
小学校もそれほど規模が大きくなくて、穏やかな校風の学校でした。
そして先生達が、いつもいいところを見出してくれたこと。
集中力がありますね。
発想が面白いですね。
あとは、私自身も実はそうなので、子虫達がぐずぐずになっているときは、その気持ちが割とわかったこと。
実際、大人のADHDについての本を読んだら、あまりにも自分に当てはまるので、びっくりしたくらい。
今まで散々失敗して、痛い目にあって、苦労してきた経験から、ぐずぐずになってしまう状況に、気づきやすかったこと。
くらいかな。
例えば、私は子供連れでおもちゃ屋さんに行く時に、まず一人では連れて行かなかった。
スーパーマーケットの買い物も、ある程度大きくなるまでは、連れて行かなかった。
絶対、どこかでごねて、最悪の事態になるのがわかっていたので。
身体が大きくて力のある相方のおじさんと一緒に行って、いざとなったら強制退去できるようにしてました。
テレビやゲームは、主電源から切る、または買わない&持たない。
思えば、末の妹がよく癇癪を起こしては、床でも道路でもあたり構わず転がって泣き叫ぶ子だったので(今だったら、ADDと診断されていたかもしれない)、身近にそういう子がいたことで、子供には色々いるんだ、と実感できていたのもよかったのかもしれません。
自分自身もそういう子だったし。
子虫は思春期になって、不登校とか学校中退とか、色々ありまして。
その辺りからもしかして、と遅ればせながらADDについての本を読んだら、当てはまることだらけ。
その頃、相談に通っていた精神科の先生から「可能性がありますね」と言われて、逆にほっとしたのを覚えています。
育て方が悪いとか、親の関わり方が悪いとか、そういうことではなかったんだ。
と思った。
でも、発達障害を理解していたら、逆にもっといい関わりが出来たのかも、と思って、子虫に申し訳ない気がしました。
そもそも考えてみたら、私も、私の母も、家が片付けられないとか、忘れ物が多いとか、授業中も他の事に気を取られて聞いてないとか、今だったらADDと言われそうな人間でした。
でも母は努力して、当時の女性としては珍しく大学院まで出て、公務員としてずっと働き続けてました。
発達障害=知的障害ではないのです。
祖父母の育て方が良かったから、母は立派な社会人になりました。
その祖父母に関わってもらって、私もここまでこられました。
ご先祖の話を聞くと、結構、武勇伝がたくさんある。
だから発達障害、って実はそんなに珍しくないのかもしれません。
でも、周りの理解が足りなくて、ダメ出しされてばかりいたせいで、本来なら伸ばせた能力が、潰されてしまうことは、あるかもしれない。
私は失敗しちゃったかな。
子虫は学歴街道をドロップアウトしたあと、しばらく、私と一緒にカウンセリングに通ってました。
本人もさすがにまずいと思ったのか、割と真面目に通っていたのですが、一度、寝過ごして行きそびれたら、「もう行かない、私におかしいところはない」と言い張って、それきりになってしまいました。
言い出したら自分でも引っ込みがつかない感じで、あの頃が一番、大変だった。
それで最後のカウンセリングには、私が一人で行ったのですが、その時に、
「発達障害だからって、治るとか治せるとか、そういう考え方は、私は好きではないんですよね。病気じゃないんだし、本人は一生変わらないんだから」
とカウンセラーが、ぽろっとおっしゃった。
その時に、覚悟がついた気がしました。
今までの私の子育ての経過の中でのあれこれを、今更なかったことには出来ない。
これがこの子の個性。
行動は矯正するのではなくて、出来ないと色々不便だから、不便を感じないで済むように対策を立てるんだ、と、そう考えよう。
なんだかんだ言って、うちの子虫たちは、程度はそれほど重くはなかったのでしょうね、今はどちらも落ち着いています。
とりあえず、一人の独立した社会人として、ちゃんと仕事をして、税金や年金を払って、食べて行かれるようになってくれたら良い、願うのはそれだけです。