とりあえず始めてみます老いじたく

ねんきん定期便をきっかけに老活してみることに

ウクレレ教室初日

行って参りました、ウクレレ教室。

思っていたのとずいぶん違いました。
かと言って、何を期待していたか、と問われれば、それもまたはっきりしてないのですが。
だいたい、音楽教室というものに通うのは初めてなので、比べようもないし。

ともあれ、ウクレレ教室に行くにあたり、しみじみ思ったこと。

ウクレレにしておいて良かった。
この小さくて持ち運びしやすい楽器を、良くぞ選んだぞ、私。

ウクレレ教室は、火曜日の夜。
あいにく、私はこの日バイトがある。
仕事が終わってから一旦家に戻り、それからまた出てくるには時間がちと足りません。

教室の場所は、バイト先からそう遠くないので、楽器を持って出勤し、仕事帰りに教室に行けば、空いている時間に、ちょっと腹ごしらえもできてちょうど良い。

朝、いつものように丘を越えて職場に行くまでの道中も、職場のロッカーにしまう時も、仕事の後、食べ物を求めて、街をふらふらさまよっている時も、小さくて軽いウクレレは、ほとんど邪魔になりません。

よかった、うっかりチェロとか選んでなくて。

さて肝心の教室は、というと。

事前に、グループレッスンになるけど、現時点で、その時間帯の生徒は二人だけ、というのは聞かされていました。
しかも、その生徒さんは長年の経験者で、実は、私が申し込むまでは、その時間枠で個人レッスンを受けていた人、とのこと。

つまり、教室運営側の意向で、生徒を増やすためにグループレッスンに、無理矢理変えられちゃったらしい。

予定の時間より十分ほど前に到着すると、すでにその人は待合室で楽器のチューニング中でした。
どうみたって、持っているものがウクレレですから、お互い一目で同じクラスの人、と分かったと思うのですが、こちらに目を合わせようともせず、じっと黙ったまま。

受付のお姉さんが、間に入って紹介してくれて、初めてちょっとだけ椅子から立ち上がって、挨拶をする。
でもそのあとは、黙ってじっと前の壁を見て座っている。
人見知りする人なのかな。

私も、最初からいろいろ話しかけて、うるさくするのもどうか、と思ったので、黙って座っておくことに。
座った位置関係から、どうしても、目の前にその人がいるので、見るとはなしに眺めてしまう。

というか、狭い待合室なので、そっちを見ないとなると不自然なくらいに身体をよじらないといけないし、見るものが他にないのです。

白髪の割合は、私よりはるかに多い、明らかに初老と言って良さそうなおじさまです。
年も私より、幾分か上らしい。
着ているのは、割と明るめの柄物の開襟のシャツ。
でもハワイ風の派手な花柄などではなく、上品な絵柄。

待てよ、あの柄、山形屋デパート(鹿児島の伊勢丹みたいなとこです)のラルフローレンコーナーで見たような気がする。
そういえば、持っている黒の革製鞄も、ちょっとくたっとして使い込んだ感じだけど、柔らかい革素材が、いかにも良いもの感、を漂わせています。
これ見よがしではないけれど、お金には余裕のある感じ。
押しの強さが全然感じられないし、どちらかと言うとインテリっぽい感じがするから、社長さんと言うよりは、大学教授とか、老舗の二代目?
ひょっとしてお医者さん?
などと、ホームズには足元にも及ばなくても、ジョン・ワトソン程度には、いろいろ観察している私。
何しろ他にすることなくて。

やがて、時間になったのか、受付のお姉さんが奥の防音室の扉をノックして、中の講師らしい男性に声をかけました。
もともと、ガラス扉だから、この人もちらちら見えてはいたのです。
でも、目があっても目礼するでもなく、ずっとそっぽをむている。

音楽をする人って、あまり人付き合いよくないのかしらん。
受付のお姉さんが、まるで社長さんとか病院の院長に声をかけるみたいに恐る恐る、講師の人に声をかけてる。

いよいよ、初の音楽教室始まりです。

まずは、先輩の方から。
前回からのおさらいのようです。
講師の先生と、一緒にウクレレを演奏。
その間、私はぼんやりと聞いているのみ。
なにぶんにも初心者ゆえ、聞いているだけでも、面白かったのですけど。

さて、おじさまのレッスンは、どうやらストロークの練習らしい。
いくつかのリズムのバリエーションを講師の先生と一緒にやっていきます。
が、そのリズム取りが難しいらしく、おじさま、やたらと駄目出しを食らう。
リズムの取り方に細かい違いがあって、そこを間違えるらしいのだけど、そもそも私には違いがよくわからない。
おじさまにも難しいのか、駄目出しされても、また間違える。
わかる人にはわかる、訛りとか発音の違い、みたいな感じがしました。
おそるべし、ウクレレ

しばらくすると「じゃ、そこをしっかり練習してください」となって、今度は私の番。
そして、私の講義の間は、おじさまはひたすら小さな音で練習。
地味に静かな教室でした。

さて、その肝心のレッスン内容でしたが、初日は単に楽器の説明。
ウクレレの構造と、素材、メーカーを確認します。
って、それ全部ウクレレ見たら、わかるようになっているの。

いちいち言わんでも良いのでない?
と思わなくもないのですが、それができないとウクレレ道には、入れないらしい。

私は”アジア人女性で、髪の毛は黒。鹿児島に住んでいる日本人”です。
みたいなことを、自分の持っているウクレレについて、言えないといけないらしい。

結局、弾き方もチューニング方法も教わることなく、それでレッスン終了。
私のウクレレはケースから出してはもらったものの、首のところとかお腹のところを覗かれて終わり。
一音も音を出すこともなく、またしまわれたのでした。

渡された時間割を見ても、初日のレッスン内容はそこまで。
チューニングは次回に教えてもらえるらしい。
次回までに、渡された教材を読み込んで、宿題をしておくように言われました。


ウクレレ道は、果てしなく深く、遠いのでした。