とりあえず始めてみます老いじたく

ねんきん定期便をきっかけに老活してみることに

学校の怪談

先日、小学校での思い出を書いたら、旅芸人さんからコメントをいただき、それがきっかけで昔聞いた学校の怪談話を思い出しました。

旅芸人さんありがとうございます。
おかげさまで良いお題をいただきました。

私の通った学校にも、登りと下りとで段数の違う階段とか、ずっと視線がついてくる歴代校長の写真とか言った、定番のお話しもありましたが、特に怖かった話二つ。

以下、私の小学校時代に聞いた怪談話です。

学校の怪談その1〜踊り場の鏡
学校の階段の踊り場には、大きな鏡がありましたよね。
私が通っていた小学校にもありました。
特に北側の薄暗い階段の踊り場にあった鏡は、すごく大きくて壁をほとんど覆うくらいでした。
そこは四時半すぎて通ってはいけない、と言われていました。
もし、どうしても通らなくてはいけない時には、絶対に鏡を見てはいけない、とも。

昔、一人の子供が帰りが遅くなり、鏡の前を通りがかったそうです。
見てはいけない、と言われるとつい見てしまう。
その子供も、見てはいけないと思いつつ視線が鏡の方へ。
すると、そこには自分ともう一人子供が映っていたのだそうです。
あれっ?
と思って、隣を見ても誰もいない。
おかしいな、と思っていると、鏡に映った子供が鏡に映った自分の腕を握り、引っ張って鏡の奥へ連れていってしまったのだそう。

その夜、子供が帰ってこないので大人たちが探しに来ると、ぼんやりと空を見つめて立っている子供の姿が。
呼びかけても返事もせず、視線も合わず。
鏡に魂を連れて行かれてしまったのでした。
その子は、結局、精神病院に連れて行かれ、今でも、時々自分の魂を探して鏡の中を覗き込みながら、ふらふらとさまよい歩いているそうです。

学校の怪談その2〜地下の防空壕
その小学校には、地下に防空壕がありました。
うっかり人が入ってしまわないように、重い金属の扉で締め切られていました。
ある年の入学式の日、一人の子供が式の後で教室に戻るとき、ちゃんと先生の後について行かなくてはいけないのに、勝手に列から抜け出してしまいました。
そして地下の防空壕を見つけ、入り込んでしまったのでした。その子が入った後、扉が自然と閉まってしまい、一旦閉まると、重い扉は子供の力では開けることができません。
間の悪いことにその子は新入生で、先生も同級生も誰もその子がいなくなったことに気が付きませんでした。
そして何ヶ月か立った頃、防空壕から鼠が何匹も出て来るのを不思議に思ったある先生が、扉を開けて中を見ると、そこには、鼠にかじられて骨ばかりになった子供の骸があったのでした。

終わり。

今思うと、突っ込みどころが結構ある話ではありますが、当時は、それはそれは怖かった。

でも、長ずるに及んで純真さを喪った大人の目から見直すと、この怪談話、なんとなく教育的指導が入っていたような気もする。

例えばその1。
当時、近所の空き地が少なくなって遊び場が減ってきたために、学校の校庭は放課後、四時半までは子供たちに解放されていました。
四時半には、下校を促す放送がかかったものです。
でも当時だって「帰れ」と言われて、すぐに遊びをやめて帰るほど、子供の聞き分けがよかったわけがありません。
四時半を過ぎても、ぐずぐずと残っている子供がいないように、という配慮があったのかなぁ、と思ったりして。

そして、その2。
この話は、隣の校区の小学校に語り継がれる怪談話でした。
それも毎年入学式が近づくと、新しく入学する予定の子供が、兄姉や、近所の年かさの子供から聞かされる話でした。
私は、同じアパートの隣の部屋に住んでいたフミオ君から教えてもらいました。
だから母の仕事の関係で、そこの学校に通うことはなくなってホッとした覚えがある。
今になってみれば、小学校に行くようになったら先生の指導をちゃんと守り、勝手な行動をしないように、という戒めだったのかなぁと、思ったりするのです。
だってね、いくら入学式の日だって、子供が一人いなくなれば誰だってすぐ気が付きますよね。
親だっているんだし。

なんてことを、思いつくわけもなく、当時は素直に震え上がっていたのでした。


ちなみに、相方のおじさんの通った小学校は、本当に元墓地だったところだそうです。そして、昔はトイレが屋外に設けられていたそうなのですが、そのトイレの踏み石にはなんと、古い墓石がそのまま再利用されていたとか。
でも、それにまつわる怪談話は「無かったなぁ」とのこと。
あまりにも生々し過ぎて、怪談話にできなかったのかもしれません。