とりあえず始めてみます老いじたく

ねんきん定期便をきっかけに老活してみることに

無い物ねだりの


小さい頃から癖っ毛で、細い上に髪の量が少なく、アジアンビューティーの代表名詞的な「緑の黒髪」とは縁遠い髪質。

若い頃は大枚をはたいて、癖毛を矯正するためのアイロン工程に4時間くらいかかるストレートパーマを、定期的にかけに行ったりもしていましたが、最近はもう己を受け入れて、ショートカット一筋です。

そしてアラフィフとなった今、欲しいのは白髪。
ちらほら混じるのはあるのですが、もう少ししっかり欲しいのです。
出来たら半分くらいは白髪で、白いところがメッシュになるくらいが良いな。
本当は全部真っ白が理想なのです。
そしたら、西洋人が着るような鮮やかな色合いも映えそうじゃないですか。
パステルカラーも楽しめそう。

と言うような事を、飲み仲間のAちゃんに言ったら、
「あんた、そのうち暗闇で刺されるよ」
と言われてしまいました。

Aちゃんは若い頃、色白でさらさらロングの黒髪の持ち主で、森見登美彦の小説に出てくるような美人でした。
その後もその美貌は劣化することなく、立派な美魔女となっております。

今は栗色から茶色系の髪を、相変わらず肩より下に伸ばしています。

そういえば、最近知ったのですが、白髪染めって時間が経つと、色が褪せて茶色くなるのだそうですね。
時々、街で見かける黒から茶色そして付け根が白のグラデーションになっている人、あれはどういうおしゃれ染めなのだろうと不思議に思っていのですが、実は白髪染めが褪せてきた状態だったとのこと。
なんてことを、Aちゃんに話したら、本気で殴られそうだったので、黙ってました。

でもね、中にはグラデーションにならない人もいるじゃないですか。
例えば、いつも通勤途中ですれ違うおばさん。
真っ黒な髪なのですが、頂点の分け目の生え際だけ真っ白で、スカンクの背中みたいになっている。
ときどき、全部黒くなるから、
「ああ、染めているのだなぁ」
とわかるのですが、そのおばさんはグラデーションにはなってません。何か、染め剤の違いとかあるのでしょうか?
などということをAちゃんに尋ねたら、蹴りを入れられそうだったので、黙ってました。

それにしても、知らなかったのですが、Aちゃんはずいぶん前から白髪染めを続けているそう。
でも、他人の髪の生え際なんてじっくり見たりしないから、ちっとも気がつきませんでしたよ。
染めないとどのくらいの割合が白いのか、聞いたら絶交されそうだったので、黙ってました。

でもな、良いな羨ましいな。
たっぷり白い髪あるんやな。
染めちゃうなんてもったいないな。

もし私がAちゃんみたいにさらさら髪で、白髪たっぷりだったら、ボブカットにして白を強調するのに。
ふわふわウェーブも可愛いかもしれません。
マダム風にシニョンも良いかも。
そして、ラズベリーピンクのルージュをキリッと塗って、明るい色合いの服を楽しむのに。

まあ美人には、やっぱり美人なりの考えがあるのでしょうね。

まったくもって、無い物ねだりのなんとやら、なのでした。