とりあえず始めてみます老いじたく

ねんきん定期便をきっかけに老活してみることに

ル・コルビュジエの家

ヤフーの無料配信映画でやっていたので、観てしまいました。
写真の椅子は、昔、すごく欲しくて、レプリカが出た時に絶対に買おう、と思って貯金してたけど、結局、買わなかったな。

gyao.yahoo.co.jp


一応、ブラック・コメディーらしいのだけれど、ラテン文化のせいか、笑いのツボがいまいちわからない。
ただ、主人公とその妻がすごくスノッブで、格好ばかりの人物だってことはなんとなくわかる。

そして、最初は変な人に見えてた隣のおじさんが、実は素朴でいいやつだった、ってことも。

主人公はハンサムで、成功していてお金持ちで、友達もたくさんいて、センスも良くて有名なデザイナーです。
話が進むにつれて、ちょっと、どうなのよ、と言いたくなるような、ヤな奴でもあるのだけれど、まあ、この程度の人はいるよね、というくらいのヤな奴ぶり。

話は、そんな主人公が住む家の隣のおじさんが、自分の家の壁に主人公の家に向かって窓を作るところから始まります。

主人公の住む家はかのル・コルビュジエの建てた南アメリカ唯一の建物。
モダンで、おしゃれでアートです。
おしゃれだけど窓がいっぱいで、どこもかしこもすぐ見えてしまう。
特に隣のおじさんが開けた窓からは、一家の浴室が見えてしまうので、主人公たちは抵抗します。
さっさと、法律に訴えて解決すれば良いのに、なぜか煮え切らない主人公。
下手に穏便に済ませよう、そのくせ、家族には格好つけよう、としてかえって隣のおじさんに、交渉の余地あり、と思われてしまう主人公。
この辺が笑いのツボ、なのかな?

それでも、あれこれあって、隣のおじさんは窓を小さくすることに。
このおじさん、肝心な場面で表情があまり変わらないから、何考えてるかわからない。
けっこういい奴なのか?それとも、どんでん返しがあるのか?と思わせます。

自家製のイノシシの漬物(あっちじゃどのくらいの珍味なんだろう?)をくれたり、自作のオブジェをプレゼントしてくれたり、親とうまく行ってなさそうなその家の娘といつのまにか、窓越しに仲良くなっていたり。
ちょっと、空気読まないけど、やっぱりいい人?

とかなんとか言っているうちに、主人公の家が不良少年に侵入されてしまいます。
コロンビアって物騒ですものね。
しかも、この建築物、窓が多いだけじゃなくてめちゃくちゃオープンで誰でも簡単に入れちゃう。
見た目はおしゃれだけど、ものすごく無防備です。
多分、日本にあっても、空き巣くらい簡単に入られてしまいそうです。

それに気がついたおじさんが、助けに来てくれ、少年たちに返り討ちにあってしまい、結局、このいい人だったのね、とわかるまで、いい人?それともサイコパス?と引っ張るのは俳優さんの演技力のおかげでしょう。

最後に主人公のとった行動の下衆っぷりは最低で、本当に嫌な奴なのはこっちだったのね、とわかるけど、後味はあまり良くありません。

とはいえ、子虫の言っていた通り、優れた建築家の作品はどの角度から写しても絵になる、のは確かだなぁと思った作品でした。
おしゃれなインテリアや建物が好きなら、楽しめると思う。
オープニングとエンディングの対比もおしゃれ。

でも、おしゃれであることと、安全で住み心地が良いこととは、なかなか一致しない、ということもわかりました。
ありきたりなお家が一番住みやすい、ってことかな。