とりあえず始めてみます老いじたく

ねんきん定期便をきっかけに老活してみることに

そろそろ雨が降ってほしい

十月に入りましたが、日中は三十度越えで未だに夏真っ盛りの鹿児島です。
全国ニュースでは、新燃岳の噴火が話題になっていますが、鹿児島市でも桜島が、元気に噴火を続けております。
ここ数日は、大小様々な灰が舞っていて街中がなんとなく埃っぽい。
せっかくお天気が良くても、なんとなく出かける気になれず引きこもってます。
出かけないからお金は使わないか、と言うと、全然そんなことはなく、逆にアマゾンのセールとか楽天のポイントキャンペーンにつられて、ネットでのお買い物スイッチが入ってしまいそうで、危ない危ない。

さて火山の降灰ですが、普通のご家庭ではまず経験することはない、と思います。
私も、鹿児島に来たばかりの頃はわかってませんでした。
ある日、「なんでこんなにテーブルの上とか砂が落ちているんだろう?ちゃんと拭き取ってるのに」
とぼやいていたら、そばにいた人に「だって、灰降ってるし」と当たり前のように言われて、ええっ、これが灰?!と思ったくらいですし。

ちなみにWikiってみると、2mm以下のものを火山灰と言うそうです。
おなじ火山灰でも色々と個性があるように思うの。

白っぽくて細かく、ふわふわしている灰。
蚊取り線香を燃やした後の灰にそっくりです。
道の片隅とかに、いつまでもいつまでも、積もっていて、掃いても掃いても舞い上がっては、また戻ってくる。
家の中でも、隅っこ好き。
綺麗好きさんには天敵みたいな存在。
鹿児島の主婦には、この細かい灰が嫌で嫌で、と言う人多いです。
ある主婦の方は、毎日、畳の目に沿って掃除機をかけるそうです。
それを聞いて、姑がそう言う人じゃなくてよかった、としみじみ思った事があります。
私は諦めの早い人間なので、さっさと諦めて共存してます。
ちょっとくらいなら、死なないし、と言うスタンツです。
喘息の原因になると、心配されますが、原因になることはないそうです。
でも、呼吸器の病気がある人は悪くなる事があるので、気を付けましょう、とニュースで言われます。

もう少し粒が大きくてザラザラしている灰。
これは黒っぽくて、重たい。
目に入ると痛いどころか、顔にあたっても痛い。
重くてトゲトゲしています。
大量に降ってくると、土砂降りみたいにザアザア音がします。
細かい方の灰は、うっかりすると気づかずに、スルーできることもあるのですが、こちらはもうはっきり「降ってまっせ〜♪」言わんばかりなので、憂鬱度が高い。
硫黄臭もこちらの方が強い気がします。
これらの灰が、大小取り混ぜて降って来ます。
条件によって、どの大きさの灰がメインかは違うみたいですけど、迷惑なのに変わりはなく、小さいゴキブリと大きいゴキブリみたいなもので、どっちも嫌。

ある晴れた日に、どぉん、と車のバックファイヤーみたいな音がして、海の方を見ると、なんだか黒い煙がもくもく、見る見るうちに、空が薄曇り。。。
こんな日は火山灰感がひとしおです。
うっかり、洗濯物を干して来てしまったり、布団を干して出て来てしまった主婦の悲鳴が、あちこちで上がります。

鹿児島は南国ゆえ日差しが強く、冬でも日傘を持つ人が結構いますが、こうした突発的な降灰にも使えるので、外出時には忘れないようにしましょう。
帽子は無いよりはまし、ですね。

そのまま豪快に灰まみれになるのは、一回くらいなら良い体験談にはなりますが、お肌は荒れるし髪の毛は痛むし、服も汚くなるので、避けた方が良いでしょう。
鹿児島市内は、以前は風向きの関係で、冬場は灰は降らない(反対側の大隅半島に流れる)と言われていたのですが、最近は冬でもしっかり降って来ます。
しろくまさんは灰色熊さんに、白い服は黒い服に、黒い服は灰色の服になります。
街も灰色一色になります。
オシャレには向かない街ですね。
お高いコートを着るのは避けましょう。
毛皮のコートなんか着ていると、毛の中に灰が入り込んで悲惨なことになります。
同様にペットも灰まみれになりますので、散歩から帰ったら、振るっておきましょう。家の中でぷるぷるされると、家のなかも灰だらけになります。

そよ風が爽やかな季節ですが、窓を開けて自然の風を楽しむのは諦めましょう。
多少のザラザラは、いっそ開き直って、ハムナプトラごっことか、砂漠の調査隊気分を味わっても良いかもしれません。
ただ、砂漠の場合は硫黄臭くはないので、そこに気づくと台無しですけどね。

火山灰はときに踏切の遮断機を故障させたり、信号機を作動させなくしたりするので、運転には気を付けましょう。
灰が溜まった交差点では、白バイ警官でさえ転けます。
バイクに乗る人は、生命保険補償額を増額しましょう。

火山灰は、硬くて自動車のガラス窓を傷つけるので、ドライバー達から嫌われています。
灰が降っているからといって、不用意にワイパーを作動させると、滅茶苦茶怒られます。
雨に混じると一体どうして良いかわからず、困ります。
ちなみに、雨に灰が混じっているのを鹿児島では「灰雨」と呼びます。
灰が混じろうがなんだろうが、がっつり土砂降りが降ってくれると、街に積もった灰も洗い流されて、雨上がりのスッキリ感は半端ない。

早く、雨が降らないかなぁ。
天気予報では、週末は雨が降ると言っていたのに、まだ曇りの状態です。

ついでに鹿児島弁ネイティブが言うと「灰」ではなくて「へ」。
「へが降っで」っと言われて、「???」と思わなくなって長くなりました。

余談ですが、「貝」「買う」「来る」「小さい」を「け」と言います。
微妙なアクセントで使い分けるそうです。
中国語みたいですね。
年寄りから「けけけけ」と言われたら、「小さい貝を買って来てね」と言う意味だと解釈するように、県外から来た人間は教えられますが、30有余年住んでいて、まだ言われたことはありません。