とりあえず始めてみます老いじたく

ねんきん定期便をきっかけに老活してみることに

ガールオンザトレイン

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原題は”ザ ガール オン ザ トレイン”で、ガールにもザがつきます。
邦題の方は、ザが二つもつくとしつこいと思ったのかな。
と言うか、その前にもう少し工夫した邦題がつけられなかったのでしょうか?
手抜きもいいとこ、まんまやん。

原作の翻訳本も題はそのままカタカナで”ガール オン ザ トレイン”
内容は悪くなかっただけに、もう少し日本語の情感を生かした邦題が欲しかったな。

映画は、内容が内容だけに、相方のおじさんと観に行くのもなぁ、と迷っているうちに観そびれたのでしたが、Amazon primeで無料になっていたので、早速、観てしまいました。

『嘘をついているのは誰?』と言うのがテーマのミステリー。

アルコール依存症の主人公が毎朝通勤のために乗る電車から離婚した夫と新しい妻とその家庭を、未練がましく見ているところから始まります。
通勤に電車を使っていると言う設定が、なんかアメリカっぽくない。
原作では舞台はロンドンでしたっけ。
そのままロンドンでもいいのに。

主人公はいつも朝っぱらから飲んでいて、酒が抜けずに、いつも酔っているので、記憶が曖昧。
考えていることもフラフラと一定せず、自分で自分が信用できない。

映画ではエミリー・ブラントが迫真の演技を見せています。
アップのシーンだけで、何か、すごく怖いことが起きそうな感じがする。
「この人ちょっと危ないんじゃないかしら?」と観ている者に思わせる、神経が過敏で今にもぷっつり切れそうな女性、と言う演技をさせると、エミリー・ブラントは天下一品だと思う。
あとは、強いて言うなら、ミラ・クニス
彼女の異様にでかいお目目で、直視されるとなんか怖い。
でもエミリー・ブランドは、そんな昆虫的なでか目でもなくて、ごく普通の上品そうなお姉さんなのに、表情の動きだけで、危なそうに見えるからすごい。

トム・クルーズや、マット・デイモンとアクションもののSFでは、鍛えたボディで(実はボディビルとかが、趣味なのかしら?)気の強いヒロインや、情熱的なヒロイン役で出てますけど、もっと繊細さを表に出した役柄の方が向いている気がする。
私が言うことじゃないですけどね。

映画では、酔っ払った演技とか、新しい妻にストーカーしちゃうメンヘラ女の追い詰められ感とか、本当に迫真に迫るものがあります。
ある事件が起きて、その犯人が自分じゃないか、と思い始めてから、酒を断ち、妙にしっかりしてきて、色々調査し始めるのだけど、それも彼女がやると危うい感じで、本当にお酒やめてる?と言いたくなって、それがまた緊張感を高めます。

一方で、真犯人がわかって行く過程とか、話の進み具合は割とあっさり。
最後も、え、そんな終わり方でいいの?
とちょっと言いたくなるけど、登場人物の気持ちの移り変わりとか、ちゃんと理解できて、細かいところまでよくできているシナリオだと思う。
女癖悪い男に引っかかるとろくなことはない、と言う話ですね。舞台とキャストを変えたら、日本でもありそう。

あとは、お酒には気をつけよう。
お酒は飲んでも飲まれるな。
記憶を無くすまで、飲まないようにしましょう。
と言う教訓が身に沁みる映画でした。