とりあえず始めてみます老いじたく

ねんきん定期便をきっかけに老活してみることに

18時に帰る〜を読んで

白河桃子氏の『御社の働き方改革、ここが間違ってます』や、常見陽平氏の『なぜ、残業はなくならないのか』を読んで、日本人の働き方について考えてみようと、いまさらですが、借りてきました。

著者は一般財団法人1 more baby 応援団。
この著者名がある意味、日本の問題点を物語っている気がする。
実際、この本を執筆するにあたって、オランダの制度を調査しに行く目的が、日本で問題になっている”二人目の壁”問題を解決するヒントを得るため、だそうです。

かと言って、『オランダはすごいね、進んでいるね、それにひきかえ日本はダメだね』的な単純な外国賛美ものの内容ではなくて、割と客観的。
オランダだって、実はヨーロッパの国の中では女性の進出が遅れいたこと、20年くらいかけて制度を整えたり、法律を整備したりと努力をして徐々に、残業をなくす、長時間労働ではなくて生産性を上げる働き方をする、という意識を培ってきたのだそうです。

国民性とか、社会、文化のせいにしてしまうと、結局、よその国ではうまく行くけど、うちの国じゃ無理だよねーという議論になってしまいます。
そうではない、ということを実際のインタビューなどを含めて報告しています。

オランダでも、女性は結婚したら家庭に入り、男性が養うもの、という風潮は根強かったそう。
だから、女性が社会進出をし出した頃は、やっぱりパートタイマーとしての働き方が主だったそう。
ただ、オランダでは正規雇用非正規雇用という働き方自体がないらしい。だから、シンプルにワークシェアリングという流れにできた。

同じ時給なので、当然、たくさん働く人がたくさんお金が手に入る。
でも、シングルインカムよりはダブルインカムの方が、それでも収入が多いので、長時間働くよりパートタイム勤務で、収入を合算して、家庭で過ごす時間を増やす暮らし方を選ぶ人が多い。
結果、子供が育てられる、ということらしい。

0.75+0.75=1.5

というふうに考えるのだそうです。
確かに、それでも1よりは多いですから、余裕のある生活はできるし、万が一、片方が何かの事情で仕事ができなくなってもすぐに共倒れにならずにすみます。

実際、オランダでは産休育休合わせて16週間だそうです。
それでも、日本の12週間よりは多いけど、他の北欧の国々と比べたら、意外なほど少ない。
日本だって、公務員は1年育休取れますし。

それでも、週に36時間から40時間の勤務だったり、有給がしっかり取れたりできるので、仕事をしながらでも子育てができる。

もちろん、みんなが18時で帰る社会は、お店だって早く閉まる。
24時間のコンビニは無いし、スーパーだってレストランだって早仕舞い。
でも、早く帰ってゆっくり家でご飯作ったり、寛いだり出来るなら、ちゃんと休みの日があって買い物に行けるなら、コンビニって必要?
レストランだって、そんな毎日は行かないし。
みんなが家でゆっくり出来る社会の方が、安心して暮らせそうです。

オランダでは定年が67歳だそうです。
年金支給もそのくらい?

でも、考えてみれば週に三日休めて、長期休暇も二週間とかしっかり取れて、生活が充実していたら、早く仕事を辞めてリタイアしたい、という気持ちもなくなりそうです。
もう仕事したくない、と思うのってやっぱり休めないから、だと思うから。
むしろ、働くのが辛くなければ、少しでも安定した収入がある方が嬉しいので、働き続けることに否やはない、と思います。

オランダ式がすぐに日本の社会で実践できるかというと、そりゃ難しいでしょうけど、白河氏の著書にも『日本人は実現度が高まるとオセロのようにそちらになびく』とありました。
そっちがいいよね、とみんなが思ってて、そういうものでしょ、となったら、同調圧力の強いという国民性がいい方に動くことだってあると思う。

過労死間際の長時間労働じゃなくて、辛くないから歳を取っても子供がいても働ける、と思える社会になってほしいな、そのためには、そういう働き方って夢物語じゃないんだ、って知ることも大切だな、と思いました。