とりあえず始めてみます老いじたく

ねんきん定期便をきっかけに老活してみることに

高い城の男〜Amazon prime

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シリーズものに手を出してはいけない、それは重々分かっていたのです。
そんなことをした暁には、長時間の画面の見過ぎで目は充血、脳内はすっかり異世界にはまって、現実世界に戻ってくるのが一苦労。
そういうことは、よ〜くわかっていたのです。

でもねブレードランナー観ちゃったしな。
それも、前作はディレクターズカット版とファイナルカット版と観ちゃったし。
なんかもうリドリー・スコットとP.K.ディックのコラボ物づいちゃったしな。
となれば、やっぱり観ちゃおうかな。

折しも、ドナルド・トランプ大統領が来日して横田基地で、
「かつて不幸にも戦った国同士が、今は素晴らしい同盟を結び、、、」
とかなんとか演説してましたしね。
って、これは関係ないか。

ということで、Amazon primeで検索。

続けて観てしまうと、ドツボにハマるのは目に見えてるので、毎日コツコツ一編づつ見ていこうかとと思います。

というわけで、第一話。

当然のことながら、原作とは大きく変わっております。
まずロバート・チンダルさんは出てきません。
梶浦夫妻も。
ひょっとして後から出てくるのかな?
フランクとジュリアナは離婚どころか、まだ結婚もしていない恋人同士で熱々。
フランクと新しい事業を立ち上げる気鋭の工場長エドマッカーシーは、やけに耳のでかい気の弱そうなお兄ちゃんで、ただの工員だし。

でも、話が始まって早々に、ジュリアナに出て行かれてましたね。
ジュリアナの妹トルゥーディーが、日本の憲兵隊に銃殺される直前、偶然であったジュリアナは、妹から謎のフィルムを渡されます。
そのフィルムはなんと、アメリカが戦争に勝った世界のニュース映画でした。
感動して、涙ぐむジュリアナ。
憲兵隊に睨まれたくないフランクは、フィルムを憲兵隊に提出するよう進めますが、ジュリアナは妹の代わりに、フィルムを中西部にいるレジスタンスに渡すことにします。
ここでバスに乗り合わせた女性に荷物を盗まれてしまいます。
これが、第二話の伏線になってます。

無一文になったジュリアナ、いわくありげな若い男ジョーに食事を奢ってもらい助けてもらいます。
このジョー君は、ニューヨークでレジスタンスの仲間に入って、やっぱり荷物を中西部に届けるためやってきたのでした。

でも待って、ジュリアナに妹っていたっけ?

やっぱりもう一度、原作読み直さなくては。

P.K.ディックの作品は、中間管理職の悲哀とかしんどさみたいのが、しみじみ湧いてくるような読後感なのだけど、テレビシリーズの方は、拷問シーンがあったり、やたら冷酷な捜査官がいたりと、ちょっと雰囲気が違う。
もう少し殺伐としている。
どことなく湾岸戦争時の米軍の行状を、批判しているような気がしたりして。

その辺が、今の世情なのかもしれません。

ところで『高い城の男』という題名、”バーナード嬢曰く”でも言ってましたけど、『高い塔の男』って間違えちゃうんですよね。
だいたい、原作では高い城になんか住んでないし。
どこか、アメリカ中西部の郊外にある中流層向けの住宅に住んでたと思う。
なんとなく、そこんとこカーヴァーの世界っぽくて覚えがあります。
だから間違えちゃうんだよね。

テレビシリーズでも、ブレードランナーぽい徹底した荒廃さはないけど、街はやっぱりなんか廃れた感があります。
大日本帝国とか、日本語の看板がちゃんと正しく書いてあって現実っぽいのが、よくお勉強しましたね、という感じ。
最初のブレードランナーで、看板の”ゴルフ用品”の”用”の字が”月”みたくなっていた頃とは格段の差です。
時々、セリフに混じる日本語もちゃんとあってるしな。

なかなか楽しめそうなシリーズです。