とりあえず始めてみます老いじたく

ねんきん定期便をきっかけに老活してみることに

キングスマン ゴールデンサークル〜を観てきました

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相方のおじさんが「今年は007やんなかったねぇ」と言う。
言われてみれば、確かに、毎年お正月のこの時期はダニエル・クレイブの悪党面の映画CMが流れていて、「やっぱ、ダニエル・クレイブは悪党向きの俳優さんだよね〜」などと勝手なことを言っていたのが、今年は、無い。

なんだかんだ言って、おじさんはこの手の映画大好き。
派手に車をぶつけまくり、ヘリコプターも落ちまくり、建物爆破しまくり、なのに主人公はほとんど無傷、がお約束のこのアクション映画は、清々しいまでに何でもかんでも、派手に壊してくれます。
ゴージャスな女優さんたちも、演技力なんか全然いらなくて、綺麗なお顔とセクシーな身体だけで選んでますけど何か?と言わんばかりの割り切り配役。
セリフもほとんどないから、字幕を読むのも話を追うのも楽チン。

そんな娯楽映画が無いなんて。。。
寂しげなおじさんに付き合って、キングスマン、観てきました。

ここからはしっかりネタバレしてます。
今から見に行こうと言う方は、ご注意を。

と言いつつ、私もキングスマンは割と好きだったりする。
コリン・ファレルも好きだし。
マーリン役の俳優さんも大好き。
プラダを着た悪魔でゲイの編集者薬をやってましたけど、スキンヘッドでスタイリッシュなファッションが決まってましたっけ。

格好つけてるシーンなのに、ちょっとクスッとしてしまうのは、主役のタロン・エガートンくんがチビだから。
いい感じに外してくれているような気がします。

イギリス人のユーモア、なんでしょうかね、ちょっとハリウッド映画にはない悪趣味さもね。

さて今回のキングスマン、エグジーくんてば、なんと前回の最後のほうでいい感じになってたスウェーデン王国の王女様と付き合ってます。
スウェーデン王室は庶民的で開かれた王室として有名だそうですが、こんな風にいじっちゃっていいの?
日本だったら、佳子さまあたりと付き合ってるって話ですよね?

そして、仕事帰りのある夕方、職場であるキングスマン服店を出たところで、かつてのライバル・チャーリーに襲われるエグジー。
チャーリーは前回を生き延びてサイボーグ化しておりました。
しょっぱなから派手にやってます。
どうでもいいけど、ちっちゃな軽自動車サイズのタクシーキャブの内部がどうしてこんなに、ゴージャス??
コンピューター制御のあれこれはいいとして、なんでバーまでついてるのさ。

そういえば、この映画、とにかくほとんどの登場人物が飲んだくれている。
二人以上の人間が集まるシーンは常に、酒が注がれているような気がする。
特に今回は、舞台の一部がアメリカはケンタッキーのバーボン工場。
酒造業に携わるアメリカ版キングスマンの本拠地です。
ここのボスはほぼほぼ、呑んでたな。

今回の悪役は、あのジュリアン・ムーア
前回のサミュエル・ジャクソンといい、オスカー俳優が、それはそれは楽しそうに悪い役を演ってます。
ジュリアンは妙な可愛い系の悪い人。
可愛い満載だけど、妙に男性に媚び媚びな可愛さでないところがいいね。
最後は、ヘラヘラ笑いながら死んじゃってあっけなかったけど。

ジュリアン扮する麻薬王ポピーと組んだチャーリーに、アジトを破壊され仲間を殺されたエグジー。
一人生き残ったマーリンとともに、キングスマン創立の謎と縁をたどってアメリカへ向かいます。
そこには、キングスマンと同じような組織ステイツマンがありました。

なんかね、もう世界観が小学校の男の子。

そして、なんとステイツマンの地下基地に前回、サミュエル・ジャクソンに撃たれて亡くなったはずのハリーが。
平和維持のため、モニタリングを欠かさないステイツマンのエージェントがハリーが撃たれた直後にハリーを回収し、治療をしていたのでした。

って、死体がなければおかしいって、普通気づくやん。

治療の副作用で記憶喪失になっていたハリー。
自分は、蝶々の研究者だと思い込んでいます。

仕方なく、ステイツマンのエージェント、テキーラと組むことにするエグジー。
しかし、テキーラは麻薬使用者で、ポピーが供給した麻薬を使用していたため、ポピーが仕掛けたドラッグウイルスに感染していました。
使い物にならず、治療法が見つかるまで冬眠させられるテキーラ
代わりに組んだのがウイスキー
名前だけで、酔っ払ってきそう。

さて、麻薬王にして天才ポピーは、麻薬によって莫大な利益を得ていましたが、麻薬取引が違法であるため、カンボジアの僻地に隠れ住んでいなくてはならず、そのことに飽き飽きしていました。
それで、麻薬取引が違法でなくなれば、自分も隠れなくて済むじゃない、と思いつく。
だって、麻薬以上に依存性があって精神変調作用のあるアルコールや砂糖の会社は、合法なんだもの。

そしてアメリカの大統領に掛け合って大統領令を出してもらえばいいじゃない、と思いつく。

そう言うものなんだろうか?
アメリカファーストのトランプさんが喜びそう。
これもイギリス流のユーモア?

取引の材料として、世界中の麻薬使用者へ提供する麻薬にウイルスを仕込んだのでした。
感染者は、まず青いシミが全身に浮き出てきて、次に躁状態となり、踊り出します。
それから、全身硬直となり、最後は呼吸筋が麻痺し窒息して死ぬ。
窒息して死ぬ、と言ってるけど、感染者は最後は鼻血が出て、目からも血が出てる。
なんか違くない?
英語が聞き取れてなかったかしらん。
なかなかに激烈な感染症ですが、もちろん、ポピーは即効性のある治療薬を用意してました。

ま、とにかくそうやって、世界中の麻薬使用者数億人を人質にして、大統領に交渉してきたわけです。

世界中大パニック。

合衆国は、いち早くスタジアムを病院に改装して感染者たちを受け入れます。
と言うのは見せかけで、実は檻に収容してたのでした。
大統領は「麻薬使用者が一斉に死んでくれたら、麻薬関係の犯罪も無くなって一挙両得やん、交渉に乗ったふりだけしとこう」と言う方針だったのです。

ステイツマンは人々を助けるために、治療薬を盗み出し、自分たちで増産することにします。
協力するエグジーたち。
その過程で、ハリーの記憶が戻ったり、エグジーの恋人がエグジーと喧嘩してた時に吸ってた大麻のせいでポピーのドラッグウイルスに感染してしまったことがわかったり、、、
って、スウェーデン王国の王女様ですよ、大麻とか吸わせちゃっていいのか?

ハリーの記憶は戻ったものの、不安定で、以前のようなキレッキレのアクションはできない状態で、しかも時々、蝶々の幻覚も見えるし、と言うものでした。

ハリーのいつものアクションが、決まらずに間抜けな空気になってしまうとこが面白い。
確かにね、スパイものとか見てるとよく、腕時計あたりからちっちゃな針がピュンって飛んで、それで、警備の人がバタって倒れてるけど、あんなにちっちゃいのに、なんであんなにちゃんと当たるんだ?って誰もが思ってたよね。

おまけにステイツマン側のエージェント・ウイスキーを裏切り者だと、撃ってしまうハリー。
ウイスキーは、エグジーに治療されてステイツマンの基地で、無事復活。
記憶喪失にもならず、急ぎエグジーたちを追います。

ポピーの潜伏先を見つけたハリーとエグジー&マーリン。
3人で、治療薬を手に入れるためカンボジアへ向かいます。

最後は、ポピーの基地であるポピーランドでの戦闘。

に入る前に、マーリンが地雷を踏んで亡くなります。
最後に、カントリー・ロードを熱唱して。
この俳優さん、好きだったのに、、、(涙)
ま、劇中に『死ぬ』のが役としては一番格好いい終わり方、だそうですから。

そうそう、すっかり忘れてました。
ポピーランドには、エルトン・ジョンエルトン・ジョン役で出てきます。
ポピーに誘拐されてきていた、と言う設定。
最後は、自身のヒットメドレーに合わせてハリーたちと一緒に楽しそうに戦ってました。

この戦いシーン。
傘を防弾の盾にしたり、ヴィトンのカバンが機関銃になったり、そのまま広げて人サイズの防弾盾とか、見ていて思い出したのは、うちの虫太郎が保育園児の頃、なんでも手にしたものを武器に見立てては戦ってた姿。

そうなんです、キングスマンって、ほとんど保育園児の妄想の世界。
悪趣味だけど、なんか笑える。

さて、クライマックス。
ステイツマンの基地からハリーたちを追ってきたウイスキー
援護のために来た、と思わせて、実はやっぱり裏切り者、でした。

とは言っても、彼は誰のために働いている、と言うわけではなく、昔の恋人が麻薬のディーラーに殺されたため、麻薬使用者たちを憎んでいたのでした。
なので彼も「麻薬使用者たちはポピーのドラッグウイルスで死んでしまえっ、その方が世の中よくなるわい」と言う意見の持ち主だったのです。

エージェントVSエージェントの激しいアクションの後、なんとかウイスキーも倒して、治療薬を手に入れ、世界を救うハリーとエグジー。

ポピーの隠れ家は、カンボジアの密林の中に無理やり作ったアメリカの街並み。
エステやボーリング場、それにハンバーガーショップがあって、巨大なミンチ用のミンサーがありました。
ポピーはそこに犠牲者を放り込んで、ミンチを作ってたのです。
わざわざ逆さまにして死体をミンサーに入れるシーンは、どう見たってファーゴのオマージュ。
そのミンチで、ハンバーグを焼いていると言う、かなりグロいことをしているのですが、ジュリアン・ムーアがやけにあっさり軽いので、あんまり気にならない。
そういえば、前回も、サミュエル・ジャクソンが仕込んだ爆弾のせいで、パーティに集まった人々の首がポンポン花火みたいに飛ぶシーンも、あんまりグロくなくてあっさりしてたっけ。
こんなところが漫画っぽい。

全然深刻さがない、肩も凝らない、アクションたっぷりの気楽に見られる映画でした。
そして、男性のファッションが言うまでもなくおしゃれ。
多分、おしゃれに興味があるおじさん、お兄さんにはいい参考になるんじゃないでしょうか。