とりあえず始めてみます老いじたく

ねんきん定期便をきっかけに老活してみることに

LIFE〜を観た

帰ってきた子虫が、これ観たい〜というので観てみました。
アマゾンで72時間399円なり。

かつてはTSUTAYAの新作が一泊二日で五百円だったことを考えると、ずいぶん安いのですが、それでも最近は、アマゾンプライムで無料の映画を見るのに慣れてしまい、何だか高い気もする。

それでも、わざわざお店に行って借りてきて、大急ぎで観て、その後はうっかり返却期限をすぎて追加料金を払わされないで済むようにと、忘れないよう気を使いながら返しに行っていたことを思うと、本当に便利な時代になりました。
人気のある映画は、借りに行っても在庫がなくてずっと待たされたり、タイミングを計って借りに行ったりしていたこともあったっけ。

それが、今じゃリモコンをぽちっとするだけで良いのですもの。
良い時代です。

というわけで、LIFE。

子虫の話ではSFホラーだとか。
エイリアンみたいな映画らしい。
あんまりスプラッタとかホラーは好きじゃないので、家事をしながらながら見してて、真面目に観てないのですが、せっかく観たから感想。

一言で言うと、
『最善と思った行動が全て裏目に出て、最悪の結果をもたらしてしまう映画』
です。

舞台は、地球を回る衛星軌道上のとある宇宙ステーション。
火星で採取された物質を回収して研究するミッションのため、六名の宇宙飛行士が待機しています。

火星から帰還した探査機は、宇宙ゴミとの衝突事故のため制御が不能となっており、探査機の回収にも危険を伴います。
それを無事に回収して、クルー達も地球も冒頭はお祝いムードなんだけど、実は、その回収された火星の土壌から発見された生命体が、恐ろしい生き物だったのでした。

最初は、単純な細胞にすぎないと思われたその生命体。
どんどん増殖して形を持つようになります。
地球では”カルビン”と名前までつけて世界中でお祝い。
クルー達も『危険かもしれない』と思いつつも、これからの科学、特に医療に貢献する発見が得られると、わくわくモード。

ところが、うっかり生物学者ヒューのミスで事故が起こり、気圧の変化が生じてしまいます。
その直後から動きを止める生命体。
環境変化に対応して一時的に冬眠に入ったと、考えたヒューは事故を起こした自責の念もあって、何とか生命体を目覚めさせようとショックを与えます。

動きを取り戻したものの、明らかに凶暴化している生命体。
ヒューに襲いかかります。
ヒューを助けようとラボに入ったエンジニアのローリー。
ヒューはラボから救出されますが、代わりにローリーがラボに取り残されることに。
ローリーが生命体にやられてしまうシーンが結構グロい。

生命体をラボから出さないようにするために、すぐさま対応するクルー達。しかし間に合わず。

その後は、宇宙ステーションを動き回る生命体”カルビン”とクルー達との戦いです。
クルー達が知恵を絞り繰り出す対策が、ことごとく裏目に出てしまう展開。


後から考えたら、この時にこうしておけば、と言う場面はいっぱいある。
でも、その時その時では、最善の行動、なんだよね。

今回のミッションに当たって、生命体が危険であった場合を想定して、いざという時の対策も立てられていました。

どうしても制御できないときは、地球に持ち込まない、入り込まれないよために宇宙船ごと宇宙に捨てる、と言うもの。

何とか宇宙船内でカルビンを倒したいのに、一人一人と犠牲になっていくクルー達。
このクルー達、みんないい人なんですよね。
それぞれに前向きで、希望を捨てずに頑張るけど、いざとなったら我が身を犠牲に仲間を守ろうとします。
誰も、自己中なことはしない。
なのに、彼らのとっさにとったその利他行動が毎回毎回、裏目に出てしまってる。

あ、一人だけ、研究者のヒューだけちょっと行動が変でした。
でも、それもヒューは下半身が麻痺している障害者なので、変だなと思いつつも、まさかカルビンが自分の足にくっついているとは思わなかったのかも、と言う弁護もできなくはない。

最後、覚悟を決めた生き残りのクルー二人。
右端のミランダさんと中央のデビッドさん。
デビッドが犠牲となって、生命体と一緒に宇宙の藻屑となり、ミランダが一連の経過の報告と情報を地球に伝えることにします。

そうして乗り込んだ避難ポッド。
しかし、度重なる事故のせいで制御が困難となっていた避難ポッド。

ふらふらと漂いつつ、一つが宇宙へ、もう一つが地球へ。

海に落ちたポッドを近隣の漁師が開けてみると、そこには、、、、。
生命体カルビンに巻きつかれながら、必死に『NO(開けるな)』と叫んでる宇宙飛行士。
宇宙に飛ばされた方は、壊れていて繋がらない通信機を前に、同じく『NOOOO』と絶叫しているミランダ。

あーあ、地球に持ち込んじゃったよ〜と言う終わり。

ストーリーは身もふたもない内容でしたが、細かいところは、宇宙だとこんな感じなんだ、と言うシーンがいっぱいあって、オタク的に楽しめました。
クルー達が宇宙船を移動する時のシーンとか、
涙が頬を伝わらずに、粒になって流れて行くシーンとかね。

ゼログラビティとかオデッセイ(火星の人)が好きな人なら、面白いと思います。
障害者が宇宙船のクルーの一員になっている、と言う設定も、そう遠くない未来にはこんな社会が実現しているのかもしれない、と思わせてくれて良かったです。

こんな良い世界、良き人々なのに、本能全開でひたすら欲望のままに進むだけのカルビンにやられちゃう、と言うのが何かを象徴しているような気がしなくもない。

地味なようで、意外と面白い映画でした。