とりあえず始めてみます老いじたく

ねんきん定期便をきっかけに老活してみることに

おじさんのトイレ事情

朝起きると、まずトイレに行きます。
大抵の人がそうじゃないか、と思います。

我が家のおじさんの場合、まずトイレに行って、それから洗面所で目を入れる(*コンタクトレンズを装着する)。

私が、おじさんの直後にトイレに入ると、最近よく目にするもの。
いえいえ、蓋や便座の上げっぱなし、などと言う可愛いものではありません。

そういえば、便座の上げっぱなしといえば、女性が男性と一緒に暮らすことになると、必ず争議に上がる問題ではないかと、常々私は思っています。

夫や彼氏をいかに教育して、事後に蓋をして流すようにするか、についての、妻たちの熱い討論を聞いたことがあるし。
他にも夜に寝ぼけて、うっかり便座の上がったトイレに座ってしまい、お尻がはまり込んでしまった時の憤りについてとか。

これは、経験者でないとわからない、苛立ちです。
一人暮らしの長い女性ほど、便座の降りていないトイレ、と言うものの存在自体がありえないので、世の男性が便座を上げっぱなしでトイレを出る、と言う状態が理解できない。

確かに、私も最初の頃はかなり苛つきました。
でもね、そもそも荷物も、着ていた服も、全部床に置きっ放しにするような人ですから、便座を下げとくとか、蓋をしてから流すなんて、いくら言って聞かせても、どうしようもありません。

そっちではなくて、最近、気になるのは、なんと言うか、その、、、おじさんの用を足した後の、雫なんですね。
床にぽつぽつと。
以前は見なかったものです。

最初は、トイレも古くなって来たので、水が流れる時の勢いで水滴が溢れる(それはそれで困るのですが)のかしらん。
と思っていたのですが、ある日、おじさんのトイレ使用状況を見て、納得。

そうです、おじさんのことですから、普段はトイレもドアは開けっ放し。
私が通りすがりに締めてあげない限り、伸び伸びとドアを開けたまま、しておられます。

難しいお年頃となって来た姫子虫が、家にいた頃は、さすがに閉めていたようですが、今はもう自由奔放。

そしてその朝、用を足しているとき、当然立ったままなのですが、腰を屈めてそれは窮屈そうに、なさっておられたのでした。

よく考えて見たら、おじさんは身長180cm。
我が家のトイレの便器までの高さは、約38cm。
おじさんの膝よりも、はるかに低い位置にある。
おそらく日本の家庭用トイレは、ほとんどがこの高さだと思われます。
そして男性用の便器を別に装備できるほど、我が家のトイレは広くなかったのでした。

これまでの長い人生の少なからぬ回数を、ああやって窮屈に腰を屈めていたのだ、と思うと、なんだか哀れを誘います。

もう、便座の上げっぱなしくらいは許してあげるよ。
上げっぱなしの便座を見たら「ああ、トイレ掃除がしやすいように上げてあるのよね」と思ってあげることにするよ。
と、思った瞬間でした。

そして、肩を丸めているおじさんの背中に、そこはかとなく漂うもの、それは老い
もう、おじさんも年ですからね。
色々と、まあその、切れ、も悪くなるわな、という訳でした。

そうなんですね、人間、いくら自分は若いつもりでも、いつのまにか気がつかないところに、こっそりと、老い、は忍び寄っているものなのです。
私だって、他人のことは言えません。
ええ、全然。
しっかり更年期ですし。

ということで、おじさんの後に入るときは、特に床に気をつけることにしました。
やっぱり、うっかり踏むのは嫌なので。

トイレ掃除は、ほぼ毎日の日課ですので、床は念入りに範囲を広めに拭くよう、気をつけようと思います。