とりあえず始めてみます老いじたく

ねんきん定期便をきっかけに老活してみることに

舅の緩和ケア病棟入院

一月の末、急に具合が悪くなり搬送された救急病院で末期癌の診断となった舅は、療養先が見つからず(自宅療養できず)、息子である相方のおじさんと義姉があれこれ頑張って、無事に市内の緩和ケア病棟のある病院へ転院となりました。

救急病院入院中は、点滴のせいか顔も浮腫んで目もはっきり開けられないし、しんどそうに眉間ジワを浮かべて、いかにも危篤そうだったのだけど、この度、お見舞いに行ったらば、案外とスッキリしたお顔になってました。

歳をとったら下手に点滴をガンガンすると、かえって心臓に負担が来て良くないらしいってのは本当ですね。
転院してからはアイスクリームを食べたり、栄養補助用の高カロリージュースを飲んだりしてるらしい。

五目御飯が食べたいと、義姉にせがんで『吐くからダメ』だと言われたら、『もう先は長くないんだから、好きなものを食べさせてよ〜』と泣いたそうで、なんだか可哀想。

その後も『みかんが食べたい』と言うので、ジュースに絞ったものなら良いと言われて、ジュースにしてあげたら一気に飲んでしまった、等々、食も進んで割と元気そうである。

父が亡くなる前は、全然食べなくなってしまい、私が父の好きだった巾着ずしを持って行ったら『食べたい、と言う気持ちがどんなだったか、わからなくなってね』と淋しそうに言ってた。
それに比べると、食への執着がある内はまだ大丈夫だ、と思う。

姑によると、転院してから親戚がきても家族が来ても、
『誰が来たか、全然わからんと。独りでずっとブツブツ話しばしおる』
のだそうだが、私たちが行った時は、姑が『誰が来たか、分かるね〜?』と言ったら、
『わかるよ』とはっきりと答えたし、表情もよくなっていた。
そして姑が
『〇〇(相方のおじさんの名前)が来たから、起きて話ばせんね』
と言っても、
『だって、眠ってしまうもん』と言いながら、すうすう寝ている。

なんだ、いつものじいちゃんやん。

姑の話では、昼夜が逆転して夜に騒いでうるさいらしい。
ずっと、仕事の話をしているそうだ。
やっぱり、その頃が一番輝いていたんだろうな。
おかげで、相部屋の人たちに『国鉄の仕事ば、しとったんですか』と言われてるそうだ。
夜うるさいのは、周りに迷惑だから早く個室に移れると良いのだけど、他は特に不自由も、不満もなく過ごしているようでホッとした。

痛みもなくて、心は自分が一番輝いていた時代にあって、気持ちよく好きなだけ好きな時間に寝てる様子で、案外、悪くないんじゃないか、と思います。

固形物は腸が細くなっているので、なんでも食べて良い、と言うわけではないらしいけど、ある程度は自由に食べて良いらしい。
救急病院にいた頃は、数日保つか心配な容体だったけど、この調子だと一ヶ月くらいは余裕で大丈夫かも、だそうです。

それは良かったのだけど、今度は義姉のところの甥っ子の結婚式に差し障るのではないか、と言う問題が浮上しているそうだ。
なんでも四十九日が開けないうちに結婚式をやるのがご法度らしい(※)。

私は仏事に疎いので、よく知らなかったのだけど、そう言うものなのかしらん。
相方のおじさんは『別に、いまの時代は気にしなくていいんじゃないの』と言うスタンツなのだけれど、義姉と姑が気にしているらしい。
特に、義姉が信心しているお寺さんがそう言うことにうるさいらしい。
そもそも『いまのあなたの不幸は、先祖供養をちゃんとしてないから』と言うのが教義のお寺さんらしいから、細かいのだろうな、そう言うところに。

なのでじいちゃんには、甥っ子の結婚式が終わるまでは頑張ってもらわないといけない。

頑張れ、じいちゃん。


※:喪中の結婚式
ネットで調べたら、49日が済むまでは延期するのが一般的、だそうですね。
中には、身内の不幸があったからと友人や職場関係の結婚式でも欠席する人もいるそうな。
なるほど、それがスタンダードなんですね。
世の中の常識の疎いのはいけません。
私に悪気がなくても、嫌な気持ちになる人もいるかもしれませんし。

でも、結婚式をあげるのって、昨今は式場の予約だったりなんだったりで大変だから、別に延期しなくてもいい、と思うのだけど。
じいちゃんだって、孫の結婚は喜んでると思うし。