とりあえず始めてみます老いじたく

ねんきん定期便をきっかけに老活してみることに

高い城の男〜シーズン2 第三話

ドイツ大使館の医療室で、身体検査を受けるジュリアナ。
純粋のアーリア人だという証明書を持っていないためです。
ていうか、そんなのあるのか?
ジュリアナの世界でも存在しているのは、ドイツ領だけみたいです。

事情聴取の場では、ジョーとの関係をかなりしつこく聞かれます。
みんな、ジュリアナとジョーができていると思っているんですね。
そのほうが、わかりやすいからかな。
全く、大人って。

検査では、ジュリアナは2年前交通事故にあって、骨盤骨折を含む重傷を負っていたことが判明。
骨盤を骨折しているため、妊娠が出来ない身体となっている、と言われます。
そしてドイツ領では建前上、子供を産める健康な人間しか暮らすことができないため、亡命が却下されそうになります。
おまけに、木戸憲兵隊長からレジスタンスの一員として引き渡しを要求されます。

しかし、そこでスミス大将が自分の権限として、ジュリアナの保護を認めてくれます。
ジョーを味方につけるための駒として?
それとも息子の病気のせいで、鬼の目にも涙気分になったから?
なんだかんだで、ドイツ領へ行くことになったジュリアナ。

整備された街並みに驚くジュリアナ。
原作でもテレビシリーズでも、ドイツの方が経済的にも軍事的にも日本を上回っている。
イタリアはどこかに追いやられてます。
ディックの原作でもヘタリア扱いでしたっけ。
ひどいな( ̄_ ̄|||)

それにアジア人には、整備されたまちづくりはできないとでも???
ごちゃごちゃした無秩序な街並みや、訳のわかんない利権とか複雑な人脈とか、欧米のアジアに対するイメージってそんなもんなんでしょうかね。
日本や中国をはじめとするアジア諸国がそんな感じなのは、欧米に一方的に、植民地化されてたせい&戦争で破壊されたせいもあるんだけど、と思ってしまうのは私だけでしょうか。

レジスタンスから逃れるために、新しい身分をもらい、生活資金の援助も受けるジュリアナ。
スミス大将のヘレンが、優しく面倒を見てくれます。
ここではみんなが助け合うのよ。
と、優しく微笑むヘレン。
アパートには鍵すらありません。
皆、信頼しあっているから、と言わんばかり。
建前が優先されていた、かつての共産主義国を思わせます。
なんか落ち着かなくて、部屋の隅っこで子供みたいにうずくまっているジュリアナ。
中西部に単身乗り込んだ頃と比べて、やけに気弱です。
サンフランシスコの映像が、よっぽどショックだった?
気を取り直して、髪を切り、化粧をして着替えるジュリアナ。
そうだよ、女は髪型を変えて、気持ちを切り替えるのさ。

田上通商大臣は、原爆開発のための濃縮ウランを市民の乗る公共交通機関に紛れ込ませて運ぶ(そしたら、乗り合わせた市民は被爆してしまいます)、という小野田将軍の計画に必死で抵抗しますが、厳しい立場。
ついには、屈してしまいます。

ジョーはベルリンで、下にも置かぬ扱いを受けますが、どうにも落ち着かない。
ニコル・ドーマーという美人が現れて、いい感じになります。
全く、ジョーってば。

スミス大将は、トーマスを診察した医師に、これ以上は当局に報告を伸ばすことはできない、と通告され、思い切って息子トーマスを誘ってドライブに行きますが、どうしても息子に手を下すことができません。
代わりに、医師を暗殺してしまうスミス大将。
どーすんだ、この先??


さて、サンフランシスコでは。
そうでした、フランク君を忘れていました。

フランクはジュリアナに捨てられたと思っています。
だってジュリアナが亡命直前にフランクに当てて残した手紙は、要領を得ない内容で(まあ、急いでたしね。ジュリアナに文才があるとは思えないし)おまけに、最後の目撃情報ではジョーと一緒だったしで、そりゃあ勘違いもしちゃいますよ。

無事救い出したエドと一緒に、アメリカの歴史的遺物(これに日本人コレクターは大枚をはたくらしい)の贋作を始めるフランク。
そこにレジスタンスが接触してきます。
最初は拒否るフランクでしたが、結局参加してしまうことに。
どさくさに紛れて、憲兵の一人を銃殺してしまうフランク。
ついに一線超えちゃいました。

ジュリアナはジョーを頼ってアパートに行きますが、ジョーはベルリンに行っていて留守。
そこに帰ってきたリタ。
一目でジュリアナを見抜いたリタ。
女の戦い、ですな。
ここだけで、ドロドロな昼ドラができそう。

最後は、ストレスでいっぱいの田上通商大臣がオフィスで瞑想をしているシーン。
秘書官の琴道が気づくと、姿が消えています。
あれ、またこっちの世界に来ちゃった?

それはとにかく、田上通商大臣のオフィスのインテリアがまた、すごく素敵なんですよね。
ランプとかの調度品のセンスが良くて。
日本側の什器とかインテリア関係は、けっこう力入れて個性を出している感じです。
チルダン氏のお店もいい感じ。
一方で、ドイツ側のインテリアは、割とありきたりな感じです。
ま、ヨーロッパ文化同士なので、ドイツはかえって特徴が出せないのかもしれないけど。

高い城の男〜シーズン2 第二話

かろうじてレジスタンスから逃げ出したジュリアナは、ぼろぼろ状態で国道を歩いていると、通りかかったジープの男性に拾われます。
美人は得だね。
夜中にとぼとぼ歩いてて、拾ってもらえるし。

男性は元軍医で、ジュリアナの怪我を処置してくれた上、レジスタンスと知りながら送ってくれます。
道中、男性は本土決戦時に隠れていたセコイヤの森での思い出を語ります。
その時、捕まった人は、女子供も含めて皆、日本兵に処刑されたのでした。
最後まで戦うべきだった、と男性は語ります。

沖縄チビチリガマの悲劇に、思いをはせるのは日本人だけ?

なんだか、シーズン2は必要以上に、日本軍の残虐さが強調されているような気がする。
ディストピアを描いているから、仕方ないのかな。

サンフランシスコに戻ったジュリアナは、両親に街を出るようにいい、例の男を見つけようと家のアルバムを探します。
ついに見つけたその男性は、父の戦友でした。
葬儀の時に見たのを、覚えていたのでした。
名前はジョージ・ディクソン。
その上、実はトルゥーディーの本当のお父さん。
義父のアーノルドと亡くなった父とジョージの三人は、戦友で親友同士でした。
父が亡くなった直後、ジョージと付き合い、時を開けずにアーノルドと再婚した母。

どんだけ節操無しなの?と呆れるジュリアナ。
だよねー。

家族の深刻な告白をしている間に、レジスタンスがやってきます。
慌てて、避難路から逃げ出すジュリアナ。

ヤクザに連行されたフランクは、しかしヤクザの親分に、贋作を作れば、儲かると話を持ちかけます。
それに乗るヤクザ。
贋作を作るには助手が必要だ、と言ってヤクザにエドを救わせます。
やるじゃん、フランク。
ヤクザに脅され、仕方なくエドを釈放する木戸。
辻褄合わせに、カレンが犯人グループの一人だと、上層部に報告する木戸。
めっちゃ、悔しそう。
エドを釈放するときには、八つ当たりからか、エドをいびりたおして脅迫します。
往生際が悪いよ、木戸くん。


元の港湾労働者に戻るジョー
しかし、ベルリンへ行くように指令が下されます。
なんと、ジョーの本当のお父さんは、ドイツ帝国の最高権力者ホイスマンだったのです。
なるほど、道理でスミス大将も、何かと大目に見てくれてたわけですね。
最初は拒否るも、やっぱりお父さんに会いに行くことにするジョー
ジョーを送り出すリタは、ジョーの心が自分にないことも見抜いています。
女の勘って、すごい。

ニューヨークに戻ったスミス大将。
妻のヘレンに、ヒットラーの精神状態が思わしくないことを告げます。
精神的におかしくなった上司に、忠誠を誓い、国や自分の未来を託さなくてはならない悲しき中間管理職、スミス大将。
出張帰りの疲れだけでない、疲労感を漂わせています。

現場がいくら優秀でも、指令を出す上部がダメダメだと結局、悪い方向にしか行かない、というのは、震災後の福島原発事故でよくわかりましたっけ。

レジスタンスと憲兵隊の両方に追われたジュリアナは、田上通産大臣の家に行きました。
サンフランシスコの惨劇を避けるため、そしてキーとなるはずのジョージを探しにニューヨークへ行くため、ビザの発行を依頼します。
でも、立場上できないという田上通産大臣

八方塞がりのジュリアナは、ジョージを見つけるため、日本の憲兵レジスタンスから逃れるため、ドイツ領に亡命をしようとします。
大使館に走り込むジュリアナ。
北朝鮮の亡命者もよく、こうやって大使館に逃げ込んでますよね。
かなり緊迫したシーンで、第二話終了。

さて、これからどうなる?

高い城の男〜シーズン2 第一話

アマゾンプライム配信のテレビシリーズ。
シーズン2に突入です。

もうすでに原作からは、遠く離れて進んでおります。

場面はまずジョーのシーンから。
無事に密輸船に乗ったジョーは、ジュリアナの安否を気遣っています。
が、船の無線が故障していて、連絡がつかない。

一方のジュリアナは、レジスタンスたちに囚われています。
ジョーは逃すわ、フィルムはジョーに持たせるわ。
どう考えても粛清対象ですものね。

やってきたレジスタンスのリーダーに、
「私がフィルムの内容を説明できるから、高い城の男に会わせろ」
と言うジュリアナ。なかなかしぶとい。
でも撃たれてしまうジュリアナ。
これまでの人生が走馬灯のように駆け巡ります。

戦友たちが参列して戦死した父を埋葬するシーン。
戦争末期、遺骨さえ戻らず小石だけが箱に収められていたと言う、日本の兵士たちを思ってしまったりして。
日本軍の零戦(だと思う)の飛行団が、サンフランシスコの空を埋め尽くし、怯える幼い日のジュリアナとトゥルーディ。

子供の頃は金髪でも、大人になると茶色になる人もいるんだな、とどうでもいいところに感心してたりして。

さて、ジョーは密輸船の乗組員に、ナチの党員とバレて殺されそうになりますが、謝礼金を釣り上げレジスタンスより高い金額を提示することで、ニューヨークまで無事にたどり着きます。
しかし、ジョーを回収した後、ナチは無情にも密輸船の乗組員もろとも船を爆発。
愕然とするジョー

スミス大将は、すっかり上機嫌。
ハインリッヒの脅迫から無事に戻れて、すっかりお仕事モードのよう。
密輸船を爆破されて、すっかり嫌気がさしたジョーがごねたので、ジョーの代わりにフィルムを持ってベルリンに出張です。


その頃、サンフランシスコでは、出頭したフランクが自分を捕まえてくれ、と木戸に訴えますが、エドが自白した今、ことがややこしくなるのか(どのみち、身代わりなので)木戸にあっさり門前払いにされます。

田上通産大臣の元には、小野田将軍(原作の手埼将軍と違って、かなり好戦的)がやって来ます。
原爆の製法が手に入った今、ドイツと対等になった自信から最終戦争に向けて準備を進める、と言います。

ストレスでいっぱいの田上さん。
一番避けたかった最終戦争が、とうとう始まりそうだし。
木戸警部に痛いところを突かれてるし。
おまけに、日本が負けた世界に迷い込んだりしているし。
切羽詰まって皇太子妃に連絡を取ろうとするあたり、やっぱり皇室と個人的につながっていたのね。

なんとかエドを助けたいフランク。
日本人にコネがあればなんとかなるかも、と、コネがたくさんありそうなチルダン氏に会いに行きます。
相変わらず、チルダンには強気なフランク。
チルダンの顧客名簿を見て、梶浦氏が弁護士であることに目をつけ、強引にチルダンを連れ会いに行きます。
梶浦氏は、実はヤクザとつながりのある弁護士でした。
あっさり、追い返されそうになり、先日売りつけたインディアンの装飾品が偽物であると、バラしてしまうフランク。
おかげでヤクザの元へ連行。
フランクもだいぶん、ジュリアナちっくになっているな。


さて、そのジュリアナは、というと。
なんと生きていました。
そら、主役だもんね。
撃たれた後の場面で、スミス大将が当たり前のようにジョーに『ジュリアナは死んだよ』と告げていたので、ひょっとして???とは思ってたけどさ。

撃たれたのは麻酔銃?かな。
連れて行かれたのは、なんとアベンゼンの元。
おお、ついに高い城の男登場。

でも、このアベンゼンさん、すぐ切れるし。
物分かり良さそうにしてて、ちょっとまずくなると怒り出すし。
なんか変。
ぼんやりおっとりで、ちょっと奥さんの尻にひかれてるっぽかった原作のアベンゼンさんとは全然違います。

住んでいるのは、薄暗い納屋みたいなところ。
高い城ではやっぱりありませんでした。

そこには『イナゴ身重たく横たわる』のタイトルで集められたフィルムがいっぱい。
1961年にアメリカが独立したニュース映画もあります。
その時点で、あれなんだかおかしいぞ、と思う視聴者である私。

ジュリアナは、自分が見た映画の内容を説明します。それに合わせて、ヒットラーがベルリンで同じフィルムを見てます。
その内容はサンフランシスコ全滅という悲惨なものでした。
しかし、アベンゼンは落ち着いた様子で(よくある話という風に)、ジュリアナに見知った人がいるか、と尋ねます。
フィルムは、現実ではないけれど現実になり得た未来だ、とアベンゼンは説明します。
フィルムには、いつも変わらず出てくる人物がいて、その人物が重要なのです。
ベンゼンはフランクとジョーのことも知っていました。
ということは、二人はキーパーソンてことかな。

ヒットラーは、フィルムを人々が見ることを恐れて収集しているのでした。

さて、ジュリアナが見覚えていた男は、サンフランシス壊滅時はレジスタンスでしたが、別のフィルムではナチの党員でした。
その男が見つかれば、サンフランシスコ壊滅の未来を変えられるかもしれない、と知らされるジュリアナ。
ベンゼンとのやりとりで、自分もキーパーパーソンなのかもしれないと悟るジュリアナ。
自分はどうなるのかと問い詰めると「質問はするなと言ったろう」と逆ギレするアベンゼン
レジスタンスに引き渡され、再び意識を失うジュリアナ。
意識が戻ると車のトランクの中でした。
このままレジスタンスに処分されてしまいそう。
トランクを壊して、走行中の車から飛び降りるジュリアナ。

どうなるんだ、シーズン2??


ところで、ジュリアナが逃げ出したのは、偶然にも日本軍御用達のレストランの前でした。
当然のように銃撃戦になります。
ここでジュリアナをリクルートしたレジスタンスのカレンは撃たれて死んでしまいます。
トルゥーディーといい、カレンといい、ジュリアナ以外の美人は、早めに死ぬ運命?

高い城の男〜フィリップ・K・ディック

アマゾンプライムでT.V.シリーズをコツコツと見ています。

やっとこシーズン1が終わったところ。

シーズン2に突入する前に、一応おさらいで原作を読み返しました。

高い城の男

ハヤカワ文庫版です。
新しいのは確かに表紙が黒でかっこいいかも。
前のはブルーだった気がする。
初代の本は、親の本棚から拝借してきた文庫本でしたが、埃と湿気のせいで、シミだらけとなっており、おまけにページをめくるたびに、その染み込んだハウスダストのせいで、くしゃみと鼻水が止まらなくなるため、やむなく処分して、新しく購入したのがこちら。
と言っても、買い直したのはもうだいぶん前だと思う。

本棚の奥から発掘してまいりました。

シリーズものほどには複雑ではありません。
登場人物もそんなに多くありません。

お話は、ロバート・チルダン氏が店を開けるところから始まります。
日本人相手の高級美術店を営んでいる彼は、顧客に田上信輔もいて、ちょうど、田上からプレゼント用の品を早く届けるようにプレッシャーをかけられています。
チクチクとプライドを傷つけられながらも、卑屈に商談を続けるチルダン氏。
そこに、やってくるのが梶浦夫妻。
テレビの梶浦夫妻と違って、育ちがよくて戦争の頃の軋轢も知らない若い世代の彼らは、真面目で『いい人たち』です。
チルダン氏が梶浦夫人に特殊な感情を抱くところはテレビシリーズでもさりげなく示されてましたっけ。
梶浦氏は政府の仕事をしていて、のちにはフランクのデザインしたアクセサリーに新しい才能を見出してくれます。

田上通商大臣(原作では通称代表団の高官となってますけど、同じようなものかな)は、やっぱりバイネスと会うことになってますけど、原作ではかなり小役人気質の神経質な人みたいです。
このいかにも中間管理職、という人を描かせるとディックって本当に上手。

フランクは話の始まりで、工場をクビになっています。
ジュリアナとはすでに離婚しており、やややけっぱちになっている。
ユダヤ人なのでドイツ領には行けないし、日本領で仕事がなくなると、暮らして行けないため切羽詰まっています。
別れた妻のジュリアナに未練たらたら。
彼らが別れたのは、主義主張の問題ではなくて、単純にジュリアナに贅沢させてやれるほど、フランクが稼いでいなかったせいでした。

なんだかんだで、ぐだぐだのフランク。
そこに、エドマッカーシーがやってきて、一緒に事業を立ち上げよう、と誘います。
エドは原作では、子持ちで工場長をしている、腕も良くて人柄もいい男です。
起業資金を手に入れるために、チルダンと工場のオーナーを脅迫するなど、結構大胆。

ジュリアナは、コロラドに住んでいて柔道の先生をしています。
美人でスタイル抜群、という設定は同じですが、高級な服が好きだったり、お買い物が好きだったり、とわりと俗っぽい性格。
贅沢好きで、気が強くて性格の悪い女の子を描くのもディックは上手。
ディック自身、3回くらい結婚と離婚を繰り返しているらしいので、その辺は実体験から来ているのかもしれません。

テレビ版でも、けっこう思いつきで行動してましたが、原作のジュリアナは、ダイナーで知り合った行きずりの男ジョーを、家に泊めちゃうし、誘われるままに一緒に旅行に行っちゃうし、かなり行き当たりばったりな性格。
てか、どっちみちジュリアナが選ぶのはフランクじゃなくてジョーなんだ。

そして、ライス大将(原作では領事)はニューヨークじゃなくてサンフランシスコにいる。

高い城の男と呼ばれるアベンゼンは、フィルムじゃなくて『イナゴ身重く横たわる』という題名の本を書いてベストセラー小説家になっています。
『イナゴ』本は、確かにアメリカとソ連第二次世界大戦に勝ったという設定の内容の本で、そのため、ドイツ領では発禁処分を受けていますが、日本領ではわりと簡単に手にはいる(本屋のベストセラーコーナーに山積みになってる)。

それから、テレビでは筮竹にはまっているのは田上通商大臣一人でしたが、原作では誰も彼も筮竹に凝っていて、わりとなんでも筮竹のお達しに従って行動しています。
ベンゼン筮竹のお告げに従った結果を『イナゴ』本にしたのでした。

実際、原作者のディックも作品を書いている時、筮竹のお告げに従って書いていたらしい。
ジュリアナの最後の行動は筮竹にお伺いを立てた結果だそうです。

ともあれ、話はアベンゼンを暗殺するためにやってきたジョーと、ジョーにナンパされて一緒に旅するジュリアナ。

オリジナルの装身具を売るビジネスを始めようとするエドとフランク。

田上とドイツのスパイであるバイネスと、ライス領事。
の、三つの舞台に分かれて進行します。

そして、ちょこちょことチルダン氏と梶浦夫妻が出てくる。

暗殺されたルーズベルト大統領のポケットに入っていたジッポのライターの逸話や、ナサニエル・ウエストの小説について梶浦氏がチルダンに質問するくだりもあります。
また、フランクの作った宝飾品をチルダン氏が梶浦氏に売ろうとする(本当は下心のあるチルダン氏が梶浦夫人にプレゼントしようとするのですが)一件も出てきます。
この辺りはテレビシリーズと一緒です。

テレビ版では、日本も原爆の製法を手に入れて世界大戦が起きようとしていましたが、原作でもドイツの主戦論派が日本と最終戦争をしようとしています。
その情報と、誰が主戦論派で誰が反対派かの情報を持ってバイネスはやってきたのでした。
バイネスがその情報を伝えたいのは、日本の天皇に近い地位にいる元参謀総長手埼将軍でした。
手埼将軍との会合の場に、ドイツの工作員が襲撃してきます。
銃撃戦となった時、一番活躍したのはなんと田上信輔。
コレクションしていたコルト44口径で、応戦します。
この銃、テレビ版でも出てきましたっけ。

終戦争の瀬戸際にいることを知り、ストレスでいっぱいの田上氏は、フランクの作った装飾品をチルダン氏から買い、それを眺めているうちに、こっちの世界、つまり日本が戦争に負けてアメリカが勝った世界に来てしまいます。
そのあと、無事元の世界に戻ってこれたけれど、心臓発作で倒れてしまうのでした。

フランクがユダヤ人であることを理由に拘束されるところも出てきますが、ジュリアナとは無関係に、単にユダヤ人だから、のようです。
ところが、ライス領事に腹を立てた田上が意匠返しに釈放してくれます。
まあ、自由の身にしてもらえたところは一緒ですね。


ジュリアナは、ジョーに教えられ『イナゴ』本を読んでみます。すっかり気に入ったジュリアナに、ジョーは「ファンとして、作者のところに行ってみよう」と誘われ、ついていきます。
ジョーは本当は暗殺者で、作者アベンゼンを暗殺する目的でやって来たのでしたが、アベンゼンが暗殺を恐れて警備の厳重な高い城に暮らしているという噂を聞いて、アベンゼンに近づくためにジュリアナを利用しようと思ったのでした。
それというのも、アベンゼンはジュリアナのようなタイプの女性に弱いという情報を得ていたから。

ところが、途中泊まったホテルで二人は大げんか。
そしてジュリアナは、洗面所に備え付けてあったカミソリでジョーを殺してしまいます。
というか、殺すつもりはなかったのだけど、カミソリの刃の当たりどころが悪くて、ジョーの首の動脈を切ってしまったのです。
虫の息のジョーを置き去りにして、お金とジョーに買ってもらった高級ワンピースはちゃっかり持ち逃げするジュリアナ。
原作のジュリアナは、かなりぶっ飛んでます。
ジョーも、原作ではDVっぽさの見え隠れする危険な男。

最後、アベンゼンの家に行くと(電話帳で住所がわかるってどうなの?)アベンゼンは、ごく普通の家に住んでて、呑気にホームパーティなんぞをやっている。
暗殺者のことを教えるジュリアナにも「もう、なるようになるのさ」みたいな投げやりなことを言ってます。

最後の方では、フランクとエドのデザインしたアクセサリーが売れそうになってます。
これでお金持ちになれたら、またジュリアナとよりが戻せるかな♡と、心躍らせるフランク。

ドイツと日本の最終戦争も、バイネスの情報のおかげで、なんとか外交作戦で避けられそう。
ここでやっとイタリアが、仲介役として出てきます。
その結果がまた皮肉なことになりそうな気配はありますが。

そして色々経験して、やっぱりフランクの元に帰ろうかな〜と思い始めたジュリアナが、アベンゼンの家を出てタクシーを探すところで、またいつものディックらしく、唐突に終わる。
でも、他のディックの作品に比べたら、なんとなく希望が感じられる終わりかたです。

戦争で、勝った国と負けた国が逆だったら?というSFはたくさんあるらしいのですが、その世界で、さらにその逆バージョンのSFがベストセラーになっている、という設定はディックならではのものらしい。

なんだかマトリョーシュカ人形というか、入れ小細工というか、独特の世界観だなと思います。
ディックは現実の世界と、別に並行した世界との境界が、曖昧になっていく小説をたくさん書いていて、アルコールや薬物中毒だった時の経験を書いているのだそうですが、主人公がはまり込むどっちの世界も、全然楽しくなさそうなところがディックらしいのかな。

高い城の男〜第10話

とうとうシーズン最終話です。
高い城の男はどうなった?
全然出て来ませんでした。

調べたら、このシーズン第三シーズンまで放映されてます。
なんだい、まだまだ続くんかい。

さて、ニュース映画を見てしまい、呆然とする二人。
そこにジョーがやって来ます。
二人を保護することはできないと告げ、フィルムを奪って去っていくジョー
ついでにフランクと殴り合い。

行き詰まってレジスタンスに助けを求める二人。
レジスタンスはジョーを殺してフィルムを手に入れる代わりに、二人を助けると言います。
ジョーに近づけるのはジュリアナだけ。
ジュリアナは、ジョーをおびき出すことに同意します。

ハイドリッヒに狩に誘われ、死を覚悟して出かけるスミス大将。
もし戻らなかったらハイドリッヒから子供達を守ってくれ、と妻ヘレンに銃を託します。
こうなると、極妻の世界だな軍人の妻も。

木戸憲兵隊隊長は、ヤクザの情報を元にドイツ軍のミューラー少佐の元へ行き、凶器のライフルを発見。
しかし、逮捕はせずに少佐を射殺します。
表沙汰にしないことにしたのです。
今、戦争になればドイツに勝てないからです。
身代わりにするつもりのフランクは逃げちゃったし、もう仕方ないからその責任を取って切腹する覚悟でした。

一方ジョーは、レジスタンスの読み通りにドイツの大使館にいました。
そこからニューヨークに逃げることにしたのです。
しかし、実際はハイドリッヒの命令で、ジョーは処分されることになっていました。
たまたま出たドイツ大使館からの電話で、そのことを知らされるジョー
でも時すでに遅し。
やって来た将校に、地下の駐車場へ行くよう言われるジョー
駐車場ではナチの兵隊が、ジョーを待ち受けていました。
こっそり逃げ出すジョー
そこにまたいいタイミングで、出会うジョーとジュリアナ。
逃してくれと頼むジョー
ジョーを逃せばレジスタンスを裏切ることになり、自分もフランクも危なくなります。
悩むジュリアナ。

その頃、スミス大将はハイドリッヒに自分の側につくよう諭されていました。
色々言われたついでに、”弱い者を倒さなくてはならない”と説得されます。
多分、スミス大将はここにカチンときたんだろうな。
息子さんのことがあるしね。

そして、その頃ベルリンではウェゲナーが、ヒットラー総統に謁見のために向かっていました。
まずは家族に会いにいくウェゲナー。
最後に子供達に会って行きたかったのです。

「良い人間になるのはとても難しいが、努力を怠ってはいけない」と息子に言い残します。
それを聞いて、冷ややかだった妻も初めてウェゲナーの苦しい立場を、理解します。
このベルリンシーン、俳優さんたちの話すドイツ語が結構下手くそらしい。
確かに、あんまりドイツ語っぽく聞こえません(詳しい発音とかわかんないけど)。
ま、仕方ないよ、そこは。

シーズン最終話なので、話がてんこ盛りに進みます。

エドは、フランクから預かった銃を処分しようとして見つかってしまいます。
木戸が切腹をしようとした瞬間、銃の発見が告げられます。
木戸に微笑む部下、吉田。

逮捕されたエド
嬉しそうに、ねちねちとエドを尋問する木戸。
妙に生き生きしている木戸くん。
そりゃそうだ。
危うく切腹するとこだったんだし。
切腹前の神妙な面持ちから一転して、またもやあの嫌味ったらしい意地悪顔で復活してます。

場面は、ヒットラー暗殺に向かうウェゲナーと、ハイドリッヒに脅迫されるスミス大将。
そして、エドが逮捕されたと聞いて自ら出頭するフランク。
ついで大使館を出て、波止場に向かうジュリアナとジョー
それぞれを行き交います。

ヒットラーは自室で、例のフィルムを一人せっせと見てました。
フィルムのことを現実になり得た未来だ、と説明します。
ウェゲナーは「未来は変わり得る。人間が運命を握っているのだ」と答えます。

ところで、ヒットラーの部屋に入る前には徹底的な身体検査を受けるため、武器は持ち込めません。しかし、ヒットラーは護身用に武器を部屋のあちこちに隠していました。
直属の部下だったウェゲナーはそれを知っていたので、ハイドリッヒに見込まれたのでした。
暗殺が成功したら、ウェゲナーがハイドリッヒに電話をしてくる手筈になっていました。
電話が鳴ります。
ドヤ顔で電話に出るハイドリッヒ。
しかし、電話をかけて来たのはヒットラーその人でした。
ヒットラーの方が一枚上手だったんですね。
情報は、全て漏れていたのです。
隠れていたドイツ兵(ヒットラー直属?)がハイドリッヒの部下を射殺。
どこにいたんだ?
反撃に出たスミス大将は、ハイドリッヒを逮捕します。
ウェゲナーはヒットラーに子供達の安全を保証すると言われ、自殺します。

ジュリアナは「フィルムなんか信じない、あなたを信じる」と言って、ジョーを逃してしまいます。

エドは、自分が狙撃犯だと証言します。
そこに駆けつけるフランク。
どっちも逮捕するとややこしくなるからか、放置されるフランク。

さてストレスでいっぱいの田上大臣。
ベンチで、フランクの落としたネックレスを眺めて考え込んでいると、いつの間にか周りの景色が変わり、目を開けるとそこは、自分の知らないサンフランシスコでした。
同じ町のはずなのに、新聞の見出しが違う。
看板が違う。
お、いよいよ別の未来に来ちゃった田上さん、の場面だ。
と思うまもなく、第10話おわり。

全然、各話が回収されてません。
もうシーズン2行くの当然でしょ、という扱いです。
やれやれ。
でもやっぱり、見ちゃうんだろうな。

高い城の男〜第9話

前回、ヤクザに捕まったジョーとジュリアナ。
フィルムも取り上げてしまいます。
がっかりしているジュリアナ。
ジョーにフランクと逃げるつもりだったと告白します。
「あと1日遅れたら、君に会えなかったのか」
というジョー
気にするところ、そっち⁈
まあ、会えないとミッション遂行できないもんね。
でも、それだけじゃない的な言い方。
おいおい(^^;)。

そこにヤクザがやってきて、ジュリアナだけが解放されます。
レジスタンスが、ジュリアナの身代金を払ってくれたのでした。
それというのも、彼女が日本政府のビルで働いているから。
利用価値がある、と判断したのです。
しかし、フィルムはなんだかんだと屁理屈をつけられて返してもらえません。
ジョーも身代金を請求されます。
ヤクザはお金になると踏んで、すぐには手放すつもりはないようです。
ジョーを見殺しにできないジュリアナ。
フランクに泣きつきます。
おいおい(^^;)。

チルダンと組んで稼いだなけなしの5万円(多分感覚的には五万ドルくらいか?)を、ジョーの身代金に当てるフランク。

いい奴じゃん。

フランクが、ジュリアナの代わりにジョーを引き取りに行きますが、フィルムに未練のあるジョーがフランクの銃を奪って、ヤクザの用心棒を殺し、フィルムを奪ってしまいます。
さすがドイツ軍のエージエント。
さりげなく用心棒の人数、位置などなど確認してましたね。
一人一発で、あっという間に倒してしまうジョー
なんかスパイ映画っぽくて格好いい。
でも、弾は二発しかないはず。
ジョーはそれを知らないはず。
視聴者とフランクだけが緊張するシーン。
幸い、びびったヤクザの親玉がフィルムを渡し、親玉は殴り倒して逃げ出す二人。
スパイ映画っぽさが増し増し。

もうこれで、ジュリアナと手に手を取って〜と思ったら、規則が変わってバスのチケットが手に入らなくなってしまっていました。
街を出られない二人。
エドの家も追い出されてしまいます。
あ〜あ。
戦争中も、こうやって逃げそびれて収容所送りになったユダヤ人、たくさんいたんだろうな。
緊張感が高まります。
家を出る二人に、所持金全部渡してくれるエド
いい奴です。

仕方なくジョーを頼ることにした二人。
しかし、木戸憲兵隊隊長にヤクザから連絡が行き、ジョーの正体がバレてしまいました。
ジョーがホテルに戻るも、すでに憲兵隊が張り込んでいました。
そこに、ジュリアナとフランクが。
ナイスタイミング。

危ういところで、ホテルを後にし、憲兵隊から逃げる三人。

さて、ハインリッヒに引き渡されたウェゲナーは、パリッとしたSSの制服に着替えて、ハインリッヒと会食。
このお着替えシーンは、流れる音楽といい、映像といい、すごくジェームズボンドっぽい。
ハインリッヒはウェゲナーを使ってヒットラーの暗殺を企てていました。
そもそも、ウェゲナーが原爆の製造法を日本に流したのはヒットラーの差し金だったのです。
拒否るも、家族を人質に協力を迫るハインリッヒ。
ウェゲナーは承諾してしまいます。
ハインリッヒが裏にいると疑うスミス大将。
第3話で狙撃された時に、一緒にいて負傷した部下に会いに行き、万が一の時のことを託します。

田上通商大臣の元に、将軍がやってきます。
原爆の製造法が無事に日本側に渡ったのです。
しかし、日本政府はそれを、パワーバランスを保つのために使うつもりはなく、ドイツを攻撃するために使おうとしていました。
愕然とする田上通商大臣。
実は、皇太子妃を通じて皇太子からパワーバランスを保つためにウェゲナーに協力していたのでした。
めっちゃストレスが溜まっている田上通商大臣。
良かれと思って余計なお世話。
ここでもやっちまってました。

ヤクザと木戸憲兵隊隊長が密会しています。
皇太子を狙撃したのはドイツ側のエージェントでした。
木戸はそれを承知で、フランクを身代わりにしようと追っていたのでした。
しかし、犯人を知りたい木戸。
ヤクザはジョーの身柄と引き換えにその名前を教えます。

さて、憲兵隊から逃げ逃げ込んだ小学校で、フィルムを見るジュリアナとフランク。
そこには原爆投下のニュース映像が。
例のおなじみのやつですね。
前のシーンで、さりげなく田上通商大臣の秘書官琴道さんが長崎の出身(この世界では原爆は落ちてないはずだけどなぜか、腕にケロイドがあったりして、意味深)であることを語らせたりしてます。
なかなかうまい演出です。
と思ったら、あれ???

ニュース映画の終わりは例の焼け野原となったヒロシマナガサキじゃなくて、連行される白人男性たち。
一列に並ばされ、順番に銃殺されます。
一番端っこはなんとフランク。
フランクを銃殺している将校はジョーで、ナチスの軍服を着ています。
なんで?
話が変わって来てるじゃん。
どうなるんだこれ????
というところで、次回に続く。

高い城の男〜第8話

アマゾンプライム配信のTVシリーズ
残すところあと3話となりました。
原作から大きく離れていっているとはいえ、未だに、ジュリアナもフランクもサンフランシスコで、まだぐずぐずしている。

高い城の男にはいつ会うんだ?

ジョーは、サンフランシスコでジュリアナと再開しますが、ジュリアナはフランクといるから手が出せない。
てか、君にはちゃんとニューヨークに彼女がいるでしょ。
黒髪美人の彼女リタさんは、スペイン系美人、という原作のヒロイン設定を踏襲しているようで、これは製作者側の原作者へのトリビュートですかね。

唯一の進展といえば、ウェゲナーと田上通商大臣の隠密活動がうまくいった(?)らしいことくらい。
第5話でマイクロフィルムを、無事に科学大臣のポッケに入れてました。
フィルムには、原爆作成の最後の鍵となる数式が入ってました。
この辺りは、米ソのスパイ合戦をベースにしているのでしょうか。
ソ連が原爆を開発したのは、スパイの暗躍によるものなのか、それともソ連の科学者たちの独自の努力によるものなのかは、歴史の謎のままだそうです。
エンターテイメントとしてはスパイ説の方が面白いけど、実際は、原爆が作れると分かれば、あとは技術の問題だっただけ、というのが本当のところみたいです。
スポーツの世界では、新しい技がでると、次のシーズンには他の選手もみんなその技をマスターしているそうですね。
できると分かれば、みんなやり始めるそうです。
同じことが、科学の世界でもあっておかしくはないと思う。
STAP細胞だって日本では否定されたけど、結局は、存在するのがドイツの研究者の論文で発表されたらしいし。
その研究者は、日本でのドタバタはもちろん知らなかったので「あ〜こんなんできるんや〜」で、素直に実験してみて、うまくいかなかった(そこが小保方さんの問題点でしたね)ので、他の条件でやったらできたんだそうです。

しかし、マイクロフィルムを入れたカプセル、凄く小さい。何しろ飲み込めちゃうくらいだから。
ポッケに、そんなゴミみたいのが入ってて、すぐにそれと分かるもんなんだろうか。
科学省大臣が、ポケットの中身をきちんと改める人でよかったよね。
ティッシュとかダンゴムシとか入れたまま、お洗濯しちゃうような人じゃなくてさ。
いや、政府の高官だから付き人がいるのかな。

さて、ジュリアナは母の実家に行き、トルゥーディーの死を告げます。
唯一の生きがいだった娘を失い、愕然とする義父。
その後、ジュリアナはレジスタンスと接触。
ジョーとの間を取り持とうとしますが、うまく行きません。
しかし、新しく見つかったフィルムの売人が殺されます。
横取りしたのは日本のヤクザでした。
お金になると踏んだのですね。
ヤクザは、レジスタンスと憲兵隊と両方に金額を提示。
どちらかに売りつけようとします。
でも、木戸憲兵隊隊長はにべもなく撥ねつけます。
お金が必要になったレジスタンスは、仕方なくジュリアナを通してジョーと接触。
ジョーがお金はたっぷり持っていると言ったからでした。


フランクは、出来上がった贋作をチルダンに見せます。
相変わらず、チルダンの前では強気のフランク。
まんまと梶浦夫妻に高額で売りつけます。
商談がうまくいって、浮き浮きのチルダン。
この調子で儲けようぜ、とフランクに言いますが、追っ手が迫っているフランクは儲けたお金でジュリアナと逃げる予定。
親友エドがバスのチケットを手に入れてくれて、一緒にバスに乗る約束をします。
せめて母親に会ってきたいというジュリアナ。
ところが、母親の家で義父から、レジスタンス仲間とジョーが罠にはめられていることを知り、レジスタンス(というよりジョーに)危険を告げるため、ジョーたちに会いに行きます。
義父としては、ジュリアナが危ない目に遭わないように、と教えた情報だったのに、逆にジュリアナが、飛び込んで行くことに。
良かれと思って余計なお世話的展開。
ヤクザの店で危険を告げるジュリアナ、ジョーと手に手を取って店を逃げ出しますが、出たところでヤクザたちに捕まってしまいます。
やっぱりバスには乗れないな。

ニューヨークではスミス大将が、息子のトーマスを病院に連れて行き、神経性の難病であることを告げられます。
この世界では、難病患者は安楽死させられるのが決まりになっている、らしい。
苦悩するスミス大将。
実はスミス大将のお兄さんも、同じような病気で亡くなっていたのでした。
遺伝性の病気だったのかしら。
これも何かの伏線?
この息子のトーマスくんが、また絵に描いたような優等生なんだよな。

悩む間も無く、ハイドリッヒ上級大将(スミス大将の上司ですかね)がいきなりやってきます。
ハイドリッヒは、原作でも秘密警察のトップみたいです。
政敵をせっせと暗殺してる人物らしい。
アフリカ占領と大虐殺もしたことになっています。
原作ではザイス・インクヴァルト博士という人物がアフリカで、大虐殺をしたことになってますけど。
ハイドリッヒにウェゲナーを引き渡すように要求されます。
ひきわせば、ひどい拷問を受け処刑されるかもしれません。
スミス大将はウェゲナーを助けたくて、自分に協力するよう説得しますが、死を覚悟したウェゲナーに拒否されます。
愛する息子の病気と、ハイドリッヒの突然の来訪、ウェゲナーの処遇、悩みでいっぱいいっぱいな状況なのに、秘書官のコナリーが、ハイドリッヒのコーヒーの好みを知っていたことからハイドリッヒのスパイだった、ということを察するスミス大将。
できる男は違うね〜。

ということで次回へ続く。
ちゃんと最終回までにまとまるんだろうか、この話。