とりあえず始めてみます老いじたく

ねんきん定期便をきっかけに老活してみることに

舅の転院

さて、週明けに無事に緩和ケア病棟のある病院に転院になった舅。
相変わらず使えない嫁である私は、例によってバイト。
義理姉夫婦も仕事があって動けないという事で、相方のおじさんと子虫が二人で行ってきた。

元の病院のケアワーカーとは、色々あったわけだけど、最後の日には移動用に病院車を、手配してくれたそうだ。
朝から雪が降ってて、心配したけど、病院から病院への移動だからそんなに大変では無かったらしい。

移動中、病院車には家族が一人同乗しないといけない規則とかで、ここでやっと役に立つ子虫。
移動中から、なんとなく元気が出てきたらしい舅は、転院先では、べらべらと喋り出してたそう。

子虫が声をかけると、はっとしたように我に帰るけど、またしばらくすると、独り言をずっと言ってると言う状態だったらしい。

その前の日まで、呼びかけにやっと目が開くような感じだったので、昼からやってきた義理姉は『緩和ケア病棟に移って元気が出てきたのねー良かったわー』と喜んでいたらしいが、おじさんと私は違うんじゃ無いかと思っている。

これって聞いたことある。
あれだよ、あれ。
終末期せん妄ってやつ?
本でも読んだし。

父が亡くなるちょっと前も、やたら元気になって、やけに喋りたがることがあったらしい。
亡くなる前は、入退院を繰り返してたから、母は、これからまた元気になるのだとほっとしたそうだが、そのすぐ後から、容体が急変してしまった。

母は父に『あんまり喋って疲れるといけないから、もう寝なよ』って言っちゃったけど、あの時もっと聞いておけば良かった、と今も言います。

せん妄が出ると記憶が錯綜して、その人が人生でいちばん輝いていた頃に戻ったと錯覚するらしい。

舅は、元国鉄マン。
ずっと現場にいて、九州中の線路を敷設して回ってたそうだ。
定年後は、委託で保安整備や修理の仕事をしていた。
多分その頃に戻った気になってたのだろう。
『乗り遅れっど、早よ乗らんかっ』
などと、子虫相手に怒鳴っていたらしい。
孫じゃなくて、若手の部下だと思ってたのかな。

終末期せん妄が出るとそこからは、もうあまり長くは無いらしい。
幸いに薬のおかげで痛みもなく、記憶が若い頃に戻ってるせいで機嫌も良いらしい舅。

このまま幸せな夢を見つつ人生が終わるのなら、悪く無いのではないだろうか。
そんなことを思ったりして。