とりあえず始めてみます老いじたく

ねんきん定期便をきっかけに老活してみることに

高い城の男〜Amazon prime

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シリーズものに手を出してはいけない、それは重々分かっていたのです。
そんなことをした暁には、長時間の画面の見過ぎで目は充血、脳内はすっかり異世界にはまって、現実世界に戻ってくるのが一苦労。
そういうことは、よ〜くわかっていたのです。

でもねブレードランナー観ちゃったしな。
それも、前作はディレクターズカット版とファイナルカット版と観ちゃったし。
なんかもうリドリー・スコットとP.K.ディックのコラボ物づいちゃったしな。
となれば、やっぱり観ちゃおうかな。

折しも、ドナルド・トランプ大統領が来日して横田基地で、
「かつて不幸にも戦った国同士が、今は素晴らしい同盟を結び、、、」
とかなんとか演説してましたしね。
って、これは関係ないか。

ということで、Amazon primeで検索。

続けて観てしまうと、ドツボにハマるのは目に見えてるので、毎日コツコツ一編づつ見ていこうかとと思います。

というわけで、第一話。

当然のことながら、原作とは大きく変わっております。
まずロバート・チンダルさんは出てきません。
梶浦夫妻も。
ひょっとして後から出てくるのかな?
フランクとジュリアナは離婚どころか、まだ結婚もしていない恋人同士で熱々。
フランクと新しい事業を立ち上げる気鋭の工場長エドマッカーシーは、やけに耳のでかい気の弱そうなお兄ちゃんで、ただの工員だし。

でも、話が始まって早々に、ジュリアナに出て行かれてましたね。
ジュリアナの妹トルゥーディーが、日本の憲兵隊に銃殺される直前、偶然であったジュリアナは、妹から謎のフィルムを渡されます。
そのフィルムはなんと、アメリカが戦争に勝った世界のニュース映画でした。
感動して、涙ぐむジュリアナ。
憲兵隊に睨まれたくないフランクは、フィルムを憲兵隊に提出するよう進めますが、ジュリアナは妹の代わりに、フィルムを中西部にいるレジスタンスに渡すことにします。
ここでバスに乗り合わせた女性に荷物を盗まれてしまいます。
これが、第二話の伏線になってます。

無一文になったジュリアナ、いわくありげな若い男ジョーに食事を奢ってもらい助けてもらいます。
このジョー君は、ニューヨークでレジスタンスの仲間に入って、やっぱり荷物を中西部に届けるためやってきたのでした。

でも待って、ジュリアナに妹っていたっけ?

やっぱりもう一度、原作読み直さなくては。

P.K.ディックの作品は、中間管理職の悲哀とかしんどさみたいのが、しみじみ湧いてくるような読後感なのだけど、テレビシリーズの方は、拷問シーンがあったり、やたら冷酷な捜査官がいたりと、ちょっと雰囲気が違う。
もう少し殺伐としている。
どことなく湾岸戦争時の米軍の行状を、批判しているような気がしたりして。

その辺が、今の世情なのかもしれません。

ところで『高い城の男』という題名、”バーナード嬢曰く”でも言ってましたけど、『高い塔の男』って間違えちゃうんですよね。
だいたい、原作では高い城になんか住んでないし。
どこか、アメリカ中西部の郊外にある中流層向けの住宅に住んでたと思う。
なんとなく、そこんとこカーヴァーの世界っぽくて覚えがあります。
だから間違えちゃうんだよね。

テレビシリーズでも、ブレードランナーぽい徹底した荒廃さはないけど、街はやっぱりなんか廃れた感があります。
大日本帝国とか、日本語の看板がちゃんと正しく書いてあって現実っぽいのが、よくお勉強しましたね、という感じ。
最初のブレードランナーで、看板の”ゴルフ用品”の”用”の字が”月”みたくなっていた頃とは格段の差です。
時々、セリフに混じる日本語もちゃんとあってるしな。

なかなか楽しめそうなシリーズです。

AFN楽しみ方〜歌詞を聞き取る


11月に入り流石の南国鹿児島も、朝夕は寒いくらい。
肌にあたる風もひんやりしてきて、歩くのが気持ち良い気候になってきました。

歩くときは、たいていiphoneアプリAFNを聴きながら歩くのですが、聞いているからと言って、全部がちゃんと分かるわけがなく、単語単語をいくつか聞き取って、なんとなくわかった気になっているのが、実際のところです。
いいのさ、それで。
別にテストされるわけじゃないし。

さて、そんな私のAFNの楽しみ方。
それは歌詞の聞き取り。
AFNでは時間毎のニュースと、あとはいくつかの対談もの以外は、延々と24時間音楽を流してます。
なので、アメリカのヒットチャートがリアルタイムでわかる。
昔の若者は、人より先にそれを知りたくて必死でAFN(当時はFENでしたけど)を聞いてたものです。

ヒットチャートを、知ったかして威張れたりはしない世の中になりましたが、テンポの良い楽曲に乗って流れる歌詞の聞き取りは、なかなかに良いリスニングの練習になると思う。

英語のフレーズって、聞くのと読むのとでは随分違ってたりしますもんね。特にラップとか。

昔から有名なのは”チェケラッチョ”とか、”阿保な方丈はん”とか?
テイラースイフトのShake it offは、ペケポンって聞こえてたな。
こういうのがちゃんと”check it out, yo”とか、 ” I want hold your hand”に聞こえるようになると、ちょっと嬉しい。
誰が褒めてくれるわけでもないし、実生活で使うか?と言われたら、全然そんなことはないのですけど。
ただの自己満足ですけど。
でも、楽しくないですか?

昔は曲名まで知らないと、なかなか歌詞にはたどり着けなかったものですが、今じゃGoogleさんが、単語だけでも検索してくれます。
例えば、曲の繰り返しのとこなんかね、フレーズの一部でも聞き取れたら、しめたもの、Googleにそのフレーズを入れたら、あら不思議、あっという間にYouTubeの動画を歌詞付きで見つけてくれます。
この時のコツは、聞き取ったフレーズの後に、lyricsと入力すること。

歌詞とタイトルがわかったら、ついでに和訳と入力すると、誰かが翻訳した歌詞をアップしてくれてたりする。
ほんと便利な世の中になったものです。
私は『およげ!、対訳くん』のブログが一番好き。

oyogetaiyakukun.blogspot.jp



意訳が多いけど、詩の世界観をよく捉えてる訳が多い気がします。

聞き取ったフレーズはちょっとくらい間違ってても、単語さえ正しければ、大体は目指す曲に辿り着けます。
番組のDJさんの喋りを頑張って聞き取って、アーティスト名やタイトル名がわかればさらに百人力。
すぐに歌詞がわかります。

子虫がお受験の頃には、気晴らしによくいっしょにやったものです。
意外と聞き取れてなかったり、思ったより聞き取れてたり。
なかなか楽しいものです。
ゲーム感覚で気軽にできます。
上手く聞き取れたら、なんか嬉しい。
逆に聞き取れてなくて、曲が見つからないと、なんかもやもやして落ち着かない。

歌詞見ると「ええ〜こう言う歌だっの?」って思う事が多いけど、思ったより聞き取れてたら、「あら、あたしも捨てたもんじゃないじゃない?」って思える。
滅多にないけど。

でも、どうしてもわかんない時もある。
例えば、X Ambassadorsの、Renegades。
Renegadeという単語自体を知らなかったので、plaiyng a gameって聞こえてた。

最近では、IMAGINE DRAGONSのThunder。
これは、タイトルもバンド名も聞き取れたと思ったけど、なかなか見つからんかった。
だって、thunderじゃなくってパンダって聞こえるんだもん。

Thunder, feel the thunder
Lightning and the thunder
のとこも、
Panda, he is the Panda
Brightness the Panda
って聞こえて、なんかアニメのカンフーパンダが修行している姿しか浮かばない。

IMAGINE DRAGONSも最初Magic Dragonって聞こえたから、検索すると昔懐かしいピーター、ポール&マリーが出てくる。

パンダに似てる単語なんかあったっけ?
founder? bounder?どれも違う。
あああ、すっきりしないっ。
って考えてて、今朝、何気に聞いてて、あ、thunderだって閃いた時のすっきり感。
これがまた病みつきになってしまうのです。
良かったら、英語のリスニングの練習かたがたいかがでしょう?

ちなみに対訳くんでは,、こんな訳でした。
oyogetaiyakukun.blogspot.jp

ブレードランナー2049〜観てきました

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というわけで、観てきました。
ブレードランナー2049

しっかりネタバレしてます。

前回のブレードランナー話から30年経った、という設定です。
30年の間に、色々あって、相変わらず人間とレプリカントはうまくいってません。

今度の主人公もレプリカントを探し出しては、処分する仕事をしている警官。
彼自身もレプリカントで、Kという標識番号で呼ばれています。

仕事中に30年前に埋葬されたレプリカントの骨を発見します。
その骨は女性のレプリカントでなんと出産時に死亡したらしいということがわかる。
なんで骨からそんなことまでわかるんかい、というツッコミはこの際、おいておきます。

とにかく、レプリカントと人間の差は今や繁殖できるかできないか、という点だけとなっており(もちろん他にも色々あるんでしょうけど)レプリカントが繁殖可能ということがわかると、社会不安から大変なことになると予想される。
というわけで、主人公は生まれた子供の処分を命じられます。

30年前にレプリカントでありながら出産をしたレイチェル。
実はレイチェルは特別仕様で、受胎機能も備えていたのでした。
ここんところは、前作とその解説を見ていればすんなり理解できる。
予習復習は大事ですね。

予習復習といえば、前作でデッカードがレイチェルをテストするときに、セクハラめいた質問事項を読み上げますが、その理由が今回作で解説されます。
そうだったんやー。

生まれた子供は男女の双子で、女の子は遺伝病で幼くして亡くなったことがわかります。
男の子は孤児院に送られますが、その後行方不明に。
そして色々調べていくうちに、ひょっとして自分がその子供では?という証拠を色々と見つけてしまう主人公。
その謎をはっきりさせるため、30年前に行方不明になったデッカードを探す主人公。
手ががりをたどり、放射能汚染のため廃墟となった街(ラスベガス?)のホテルに住むデッカードを見つけ出します。

デッカードのそばに付き随う一頭の犬。
最初シルエットが見えたときは、これはきっと羊!と期待したのですが、残念ながら犬でした。
演技のできる羊がいないのかもしれませんね。
わたし的には、ここは是非とも羊にしてほしかったな。

さてこんな主人公の恋人は、なんとなんとバーチャルリアリティのソフトです。

そういえば、スカヨハがコンピュータソフトを演じる映画がありましたっけ。ソフトなんだけど、人間と恋に落ちる(というか、人間がスカヨハの声をしたソフトに恋をするんでした)という話。

この映画の女の子もホログラムの姿でしか存在できない。
なので、コトに及ぶときは、生身の女性に姿だけ同期してオコナイます。
なんかねぇ、二次元恋人もここまで来ると、って感じです。
もっとも、主人公もアンドロイドなので、人形が人形遊びをしているという、ある意味グロテスクな話ではある。
てか、この話、出て来る人物の誰が人間なのかアンドロイドなのかよくわからない。
そこが、制作者たちの意図するところなのでしょうけどね。

そんなこんなで、無事にお父さん?と会えた主人公。
ところが、そこを襲われ、デッカードは連れ去られてしまいます。
負傷した主人公を助けたのが、レプリカントの残党たち。
そのリーダーから、生まれたのは実は女の子だったと知らされる主人公。

がーん。

なんと、主人公は奇跡の子でもなんでもなかったのですね。

いかにもアメコミ・エンタテイメント系の映画のような展開だと思って見てきたのに、いい意味で裏切られました。

「みんな、自分が特別だと思いたいのよね」
とリーダーに、上から目線で暖かく言われてしまう主人公。

とはいえ、気を取り直してデッカードを本当の娘に合わせるために救出に向かう主人公。
リーダーから、「もっとも人間らしい行動」とかなんとか諭されて、それってある意味洗脳では?
ISとかタリバンとどう違うのさ?
と言うツッコミは、しないであげましょう。

ところで、ボロボロ状態の主人公に、壁のCM版Joiが話しかける場面。
あれはなんなんでしょう?
Joiは主人公に合わせてカスタマイズされてはいたけど、もともとはコンピュータソフトなので、彼女が話すセリフや仕草は全部もともとデフォルトであったもの。
彼女が主人公をジョーと呼ぶのも、ソフトの設定から。
だいたい、主人公の恋人であった”Joi”は、デバイスとともにラヴに破壊されていたはずだし。
と、考えてもいいけど、P.K.ディックの作品には、よくあまねくコンタクトをとってくる存在、というものが描かれているので、この場面でのJoiは、そうした破壊されても、他のデバイスやソフトの形で存在しているもの、と考えてもいいのかも知れない、とも思うのです。
その方が、直後に主人公が捨て身でデッカードを救おうとする行動が理解しやすいような気もします。

主人公Kは、ラスボス・アンドロイドとの最後の戦いを切り抜け、傷を負いつつデッカードを娘の元へ導きます。

映画で、なんども言及される『天使の役割』。
確か天使って天のお使いだから、何かをもたらす役目でしたよね。
そんなことを思い出したりして。

監督のドゥニ・ヴィルヌーヴさん、作品観るのは初めてですけど、いい感じに(つまりわたし好みに)P.K.・ディックの世界観を表現していて、いいな、と思いました。
他の作品も観てみようかな。

ところで、その奇跡の子供ですけど、先天性の免疫不全症で一生ガラスの中でしか過ごせないって、それでも希望なのかなぁ。
繁殖できないじゃん。
巨大なガラスの容器の中で、過ごすしかないという設定自体は、別のディック作品”ジョーンズの世界”を思わせて、ついオタクの血が騒いじゃいましたけど。

ブレードランナー ディレクターズカット版

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なんか最近、続編モノ多いなぁと思いませんか。
スターウォーズしかり、インディペンデンスデイしかり。
エイリアンとか猿の惑星は、逆に”そもそもの始まりは”話になってきているけど、これも興行的には続編カテゴリーですよね。

やっぱり一度ヒットした映画は、熱狂的なファンがいるから作りやすいのでしょうね。
ブレードランナーは、それほどヒットはしなかったものの、カルト的な人気で今もファンが多い映画らしいです。
公開された当時は、まだ17歳の田舎の学生でしたから、映画に行くより部活に忙しかった気がする。
だから見たのは多分、金曜洋画劇場とかそういうテレビ放送でだったと思う。

珍しく原作を先に読んでいたので、「え〜原作と全然違うじゃん」と違うところばかり気になって、あまりよく覚えてませんでした。
とはいえ、この度、続編が出たので観に行こうか、という話となり、まずは復習も兼ねてアマゾンプライムで視聴。
ファイナルカット版と、ディレクターズカット版とあるんですね。
どちらも100円なり。

ネットの情報によると、ディレクターズカット版は公開10周年を記念して、ファイナルカット版は25年を記念してそれぞれ編集されたそうな。
それだけ年月が経っても編集版が出る、というあたりよっぽど人気のある映画なのですね。
やるなリドリー・スコット

ciatr.jp

両方見ての感想。
どこが違うか、間違い探しみたいでよくわからない。
ちょっとしたシーンが削られているかいないか、くらいの違いなので、よっぽど好きな人でない限りは、どっちを見ても同じだと思います。
強いていえば、ファイナル版の方が画像が青っぽい、細かいところが綺麗、かな?

最初の面接場面で亀の話が出てくる。
亀は原作「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」で最後のシーンに出てきます。
結構、深いシーンです。
人生って、なんかこんなもんだよね、みたいな。
映画は、原作からずいぶんかけ離れてしまっているから、せめてここで亀起用、だったのでしょうか。
主人公がレイチェルをテストする場面で、彼女が”茹でた犬”に反応を示さずレプリカントだとバレるシーン。
原作では、彼女は月で育ったので”犬”がなんであるかを知らなかったのだ、という解説というか言い訳がつきますが、映画ではそこは省略。
その方がわかりやすいから、かな。

主人公とレイチェルが結ばれた?と思わせるシーンの直後に、”強力ワカモト”のお薬を飲んで、にっこり微笑む女性のCM画像が建物に映し出されるのが、ちょっと笑える。
リドリー・スコットは割と日本好きな人らしいので、日本人にだけ通じるジョークとして入れたのでしょうかね。

最後のクライマックスあたりで、アンドロイドのお姉さんがバク転しながら襲ってくるシーンは覚えてた。
あれはインパクトあったものね。
ラスボス・アンドロイド役の俳優さんがすごくよくて、この映画の評価が高いのは、彼の怪演に寄るところも大きのではないかしらん、と思いました。

ラストシーンは「ええっ、なんか違う?」と違和感があったのだけど、調べたら、ディレクターズカット版もファイナルカット版も、最初の公開版から変えてあるのだそう。

やっぱり。

公開版では、ラストは主人公とレイチェルと手に手を取って逃げてく時に、レイチェルは新型のレプリカントなので、今までのレプリカントに設定されていた寿命4年の縛りがなくて、もっと長生きできるから主人公と末長くお幸せになれました、みたいな説明があったもの。
確かに、万人ウケするハッピーエンドだけど、監督的にはそこはいらないよ、って思ってたんだろうな。

色々忘れていたので、一回見ておいて良かった。
今度公開の2049年版を見ると、細かいところでトリビュートしているシーンがあるのがわかったのも良かったです。

湖畔荘〜を読んで

カテゴリーでいうと、ミステリーでしょうか。
一族の隠された暗い過去が、現代と過去と舞台を変えながら、それぞれの時間軸で生きた女性の目を通して語られます。
そして、最後に現代と過去が繋がり、真相が明らかになる、という構成。

第一次大戦前後から、現代に至るあるイギリス貴族の話です。
イギリス貴族の生活は、N.H.K.でやっていた”ダウントン・アビー”みたいな感じかな(見てないけど)。
作者さんはオーストラリアの出身の人だそうで、そういう他所さん出身の人の方が、憧れもあって古き良きイギリス、が書けるのかもしれません。
イシグロカズオも最初の頃は、日本を舞台に書いているし。

そこにアガサ・クリスティ色が加わって、一見恵まれた幸せそうな家族の隠された暗い過去、みたいな話もあり、児童文学っぽい感じもあり、とてんこ盛りです。
さらに、古くて新しいPTSDの問題も取り上げられていて、それが事件の大きな要因となっています。

PTSDといえば、以前、ある作家さんがエッセイに「昔よくいた『雷親父』というおじさん達は年代から考えると、PTSDを抱えた復員兵だったんじゃないか」という話を書いていて、なるほど、と思ったことがあります。
あの、ランボーだってPTSDのせいで、アメリカの田舎の街一つ燃やしちゃったんでしたっけね。

主人公の一人であるエリナを、子供時代からずっと見守っていて、彼女を主人公にファンタジーを書く老人は、どう考えてもルイス・キャロルがモデルですね。
彼の書いた作品は、現在では古すぎてもう顧みられることはない、という設定ですが、その作品が本の中ではちょくちょく出てきて、いい感じに伏線となっています。

話は1933年、コーンウォールのお屋敷で一人の赤ん坊が行方不明になったことから始まります。
子供はそのまま見つからず、屋敷はその後打ち捨てられて70年経過。
ある日たまたまジョギング途中に通りかかり、興味を持った謹慎中の女性刑事セイディは、暇つぶしもあって調査を始めます。

当時を騒がせた事件だけに、新聞や本にもなっていて調べ物には事欠かない。
地元の図書館には、やけに協力的な司書さんはいるし、セイディは学歴はないけど、実は頭の切れる敏腕刑事。
そのうち、当時の警察官だった退職刑事にも会えたりして、調査はなかなか順調。
でも、謎はどんどん深まるばかり。

事件とは無関係ながら、セイディ自身が抱える過去もちょくちょくと、そもそも敏腕刑事で仕事の鬼の彼女が、なぜ謹慎中なのか、その謎もまた一つの謎として見えがくれします。

並行して、現在生存している一家の娘たち(もう、いい加減に良いおばあさん)が出てきます。
一人は、著名な小説家になっている。
過去の時代では、そのアリスがその湖畔荘と呼ばれる屋敷を、ものすごく愛していて、一生住み続けたいとの願っていたはずなのに、なぜか現代の彼女は屋敷を荒れ果てるに任せて、一度も訪れていない。
その上、セイディが新しい発見があったので、ぜひ屋内を調査したい、と言って来ても、頑なに無視します。
アリスも実は、何か事件の鍵を握っているらしい。

事件を解く鍵は、当時の人の手紙。
何しろ持ちの良い人達だったみたいで、手紙がやたらと残されている。
手紙って、受け取った人の分しか普通わからないのだけど、今回は、なんと事件の中心人物である差出人が自分の手紙をちゃんとコピーして残してます。
おかげで、現代にいるセイディたちにも、事件の全容がわかるわけです。
イギリスの上流階級の習慣を知らないので、そういうものなのだよ、と言われたら、そうですか、と引き下がるしかないけど、エリナさんてば、愛人宛の手紙のコピー残しておくとかって、無防備すぎないか?
結局、あとで、誰かに見て欲しかったのでしょうかね。
例えば、自分の娘とか?
いやいや、私だったらさすがにそれは出来ないな。
ちょっと生々しすぎる気がします。
それは私が日本人だからかしらん。

そんなこんなで、話は過去と現代を行き来しながら、事件発生から第二次世界大戦を経て、だんだんと現代に収束していきます。

この辺で、なんとなくオチが見えてくる。
何しろ細かいヒントが、随所に散りばめられているのですもの。
読み終わって、やっぱりこう来たか、というような、ジグゾーパズルの全部のピースがちゃんと綺麗にはまったような読後感があります。


主題となっているのは、『子供を手放した母親の話』なんだけど、もう一つのテーマは、『時間は薬になる』ってことかな、と思いました。

やってはいけないウォーキング〜を読んで

六月頃から、職場まで歩いて行こう運動。
なんとか、続いています。
今では、坂道や階段を登る時なんかに、お尻の筋肉がグッと刺激されて気持ちいい、と思えるほどになりました。
体重とかウエスト周りは、最初の二ヶ月で1kgほど減った後は、全然変わらないのですけどね。
多分、運動量と食べる量が均衡しているのでしょう。
もう少し、下腹が凹んでくれると嬉しいのだが。

そんなある日、図書館で見つけたので、早速借りて来て見ました。

東京都健康長寿医療センター研究所の室長さんが、書かれた本です。
まず思ったこと。
そんな、研究所があるんだ〜。

運営費はやっぱり税金、なのかな。

群馬県中之条町というところの、65歳以上の全住民を対象に、健康調査を15年以上にわたって調査した結果をもとに書かれています。

著者も書いていますが、5000人の住民を対象に15年間もずっと追跡調査するのって、すごく大変そう。
生活内容のアンケートや、採血関係は年一回だけらしいから、まあ、町の健康診断の時についでにお願いしてました、で、いいと思う。
けど、身体活動計を起きている時間の18時間、年間365日のうちの270日以上つけてもらう、という調査に500人協力してもらった、というのはちょっと想像がつかないな。
具体的にはどうしてたんだろう?
無くしちゃったとか、つけ忘れちゃったとかを省いて、分析するわけだけど、脱落者が25人程度しかいなかったらしい。
なんか地味にすごいよ、中之条町
町の人も、健康に意識が高いんでしょうかね、町の行政担当者が優秀なのかな。

とにかく、データの元が半端ない数と年数です。
世界的に見ても、他に類を見ないそうです。
そりゃそうですよね、5000人分15年間ですもの。
町役場の方だって、始めた頃の人は退職していなくなったりしているだろうし、調査対象の人たちだって転居したり、亡くなったりした人もいるだろうし。
それで、回収率が98%だったそうですからね。

で、そこから導き出された結果。

1日8000歩歩く。
そのうち、1日20分は、中程度の負荷をかけて歩く。

これだけだそう。
どの年齢層でも当てはまるそうです。
何しろ、65歳以上5000人を15年間ですから。
男女差とか個々人の細かい条件とか、全部、一切合切平均して偏りを無くした結果です。

ついでに言えば、1日の中では夕方に歩くのが一番良いそう。
1日の中で体温は深夜が一番低くて、そこから明け方にかけて徐々に上がっていき、夕方にピークが来るのだそうです。
そこから、また徐々に低下して行くのだけど、寝付く前の体温が起きた時の体温より低くなってしまうと、不眠になるのだとか。

そこで、一番体温が上がっている時間帯に運動して、体温を上げておくと、寝付く前の体温が高めになるので、よく眠れるのだそうです。
そう言えば、不眠症の人は寝る1時間前にお風呂に入るといい、ってあったよな。

歩数も8000より多くても、効果がないのだとか。
あまり歩くと、疲れてしまってかえってよくないのだそうです。
中程度の負荷、というのはなんとか会話ができるくらいの速さ、だそうです。

ん?? なんとか会話ができる程度?

それって、どの程度?
前後の記述から、『鼻歌が歌える程度では、軽すぎる』とあったので、息継ぎしないで話せる程度では、軽すぎるのかな?
単語くらいでで会話が成り立つ程度、と思えばいいのかしらん。
ちょっと、息切れしながら会話ができるくらい、というイメージでしょうか。
でもなぁ、一人で歩くことが多いし。
鼻歌を歌うには息がきれて無理かなぁ、と思う程度、と考えることにしました。

普段は、そのくらいの速さで歩いていると思う。

8000歩には、家の中で歩く分も含まれるそうです。
私は身長が156cmなので、歩幅がだいたい80cmくらいと考えると、6400mですね、だいたい6kmかな。
職場までの距離が、だいたい6kmなので片道だけでクリアしてしまう。
休みの日はほぼ引きこもりだし、たまに帰りはサボって電車に乗ったりするから、距離としても足りていそうです。

絶対に、毎日この歩数をクリアすべき、なのではなくて、だいたい月単位、一年単位でクリアしていれば良いそう。

どちらかというと、ほとんど運動していない人向けの本、という印象でした。
しっかり習慣的に運動している人には、多分、物足りないと思う。

そろそろ定期的に運動しなくちゃ、という人や、逆に、『なんか気合い入れて運動しすぎじゃないの?』という人には、良い指標になりそうです。

時々、読み直してみるといいかもしれません。

十月の反省

十月の反省です。

食費        35,886円
日用品      39,470
娯楽・贅沢費   35,660円
合計      110,016円
        (1,016円赤字)

日用品は、八月の爆買いの時の在庫の確認が甘くて、足りないものがたくさん出て来たもので、ついでにとまとめ買いをしたらこうなりましたσ(⌒▽⌒;) 。

買っても良いよ〜となると、ついつい楽しく買ってしまい、予算もへったくれもなくなる。
反省しなくては。

しばらくは、これで日用品のまとめ買いはしない予定です。
年間の総計が、予算通りなら良し、とするつもり。
食費と贅沢費は、予定通り抑えられたので、良かったです。

”週ごとの予算を決める+貯めたポイントを支払いに利用する”方法は割とあっているみたいなので、この調子で頑張ろうと思います。
オリジナルの方法だと、一週間の予算は5,000円。
一ヶ月の食費は35,000円で収まるはずなので、本当はこれでも予算オーバーなんだけど、あんまり削るのもストレスなので、このくらいにしておこう。
でも、来年度は食費をもう少し削っても良いかな〜?
まあ、年度末まで継続できてから考えることにしよう。

これから、年末にかけて忘年会やらクリスマスパーティやらがあるし、年始もある。
おせちは、買って済ませる派(作れないから)なので、その分をどのお財布から出すかも要検討。
お盆とお正月は、別に予算を組んで積み立てるようにした方がいいかもしれない、と考えているところです。

懸案のバイトは、ありがたいことに新しい職場が採用してくれたので、収入はそれほど減らずにすみそう。
月末に仕事が詰まっていた今月は、最後の週に一週間みっちり働いただけなんだけど、すごく疲労感が半端なかった。

やっぱり、定期的に休日を確保したい、としみじみ思いました。
と、いう話を「普段から週休も取れないよっ!」という相方のおじさんにしたら、怒られた。
てへ(ノ´∀`*)エヘヘ

土曜日出勤は、結局新しいバイト先も「そこまで土曜日に人は要らなかった」そうでなくなりました。
それで、元のバイト先の上司に相談して別の日を空けてもらうことに。
そこの仕事は減るのですが、新しいところに定期的に行けることになるので、トータルするとそれほど減収にならずにすみます。

子虫たちへの仕送りが減れば、お仕事も減らせるんだけどな〜。

でも、年金だけで暮らして行けるようになるためには、70歳まで年金受給を繰り下げないと厳しそうな見通しの現在。
65歳を超えても働くか、それとも70歳まで食べて行かれるくらいの貯金を蓄えておくか、の状況です。
どちらの道になろうと、少なくとも65歳までは、しっかり働くことになりそう。
なので、働ける場所と仕事の幅を確保しておくのも大切だと思うのです。
物価の上昇、という年金生活者にとっての天敵的存在も忘れてはいけませんし。

三か所のバイト掛け持ちとなりますが、まあ、休日もしっかり確保できそうなので、ペースを崩さず頑張ろうと思います。