とりあえず始めてみます老いじたく

ねんきん定期便をきっかけに老活してみることに

自由であり続けるために20代で捨てるべき50のこと〜を読んで


図書館の予約本の中に入ってました。
なぜこの本を予約したんだ私?
ということが、時々ある、そう言った本の一冊。

ま、借りちゃったからね、読もうかな。

前書きからいきなりポエムです。
ポエティックなものが好きな人には、ストライク♡
そうでない人には、なんじゃこれ!?

どんな人が書いたのか、というと。
15年間勤めた大手レコード会社をやめて、東京とニュージーランドの湖畔を往来するノマド生活を送っている人だそうです。
私でも知っているアーティストをたくさんプロデュースしてました。
もちろん、ミリオンヒットもなんども飛ばしている人だそう。
どうやら、ある程度成功してから、アーリーリタイアに入った方みたいですね。

東京では、仲間たちから刺激をもらいながら、大学生に向けてライフスタイルに関する講義をしたり、企業にブランディングアドバイスを行ったりしている。
ニュージーランドでは、
日の出とともに目覚め、太陽が沈むと休み、
庭で育てた野菜と釣ったばかりの魚を食べ、
大自然からインスピレーションをもらいながら、
本屋、雑誌の記事を書いたり、
アウトギアの開発をしたりしている

という生活です。
ちょっと羨ましいかも。
そういう生活に憧れる若者が、読むとハマっちゃうのかな。

ちなみに著者の生まれは1970年。
なんだ、私と5歳しか違わんやん。
同世代かい。

そんなすでに、功成り名を遂げた大人からの若者への提言です。
ただいま現在、全然自由に生きてないワタクシ、一体、何を捨てそびれて自由になりそびれた?という興味で読んでみました。

物とお金
ワークスタイル
メンテナンス
人間関係
ライフスタイル

の五つの章に分かれて、それぞれに10項目ずつ捨てるべきものが書いてあります。
読みやすい構成。
さすがは元敏腕プロデューサー。

ま、書いてあることは、一般的なライフハック本には耳タコな、断捨離だったり、マインドセットのリセットだったりなんですけど、文章がポエティックで、格好いい歌のフレーズみたいなので、若者には気持ちよく、そしてテンポよく読めそうです。

これはいける!と心の声が叫んだら、みんなの顔色は見て見ぬふりだ。
心の声にすべてをかける。同時に、すべての責任は自分がとると覚悟する。
頭を使うのは、そのあと。
あらゆるケースを考え尽くし”心の声”を徹底的に検証するんだ。

なんて感じで、書かれてます。

でもね、20代で捨てるべきものかどうかって、わかるものなのかな。
思えば、20代って、人生で一番激動の時代だったと思うのです。
自分の人生を省みても、進学や就職で親元を離れて、独り暮らしを始めたのが、その頃だし。
そのあと、結婚して家庭を作ったし、子供も産んだな。
引っ越しもいっぱいしたし。
職場を辞めたのは30代に入ってからだけど、20代での経験がその後に影響しているのは否めない。

雑誌でもなんでも、今使ってないものは即捨てるべし、って書いてあるけど、あの村上春樹だって80年代の風俗雑誌のバックナンバー全部取って置いてたの、知ってます?
ギリシャとかアメリカとか行っている間、ちゃんと然るべきところに保管してたんですよ。
どこかのエッセイで書いてましたっけ。

彼の作品はよく80年代の風俗が細かく書かれているけど、あれって、その頃から取って置いた雑誌の情報が資料として役立っていると思うの。
だからね、取って置いてあとで使えるかそうでないか、20代じゃわかんないってことですよ。
別に、雑誌のバックナンバーは取っておくべし、と言いたいわけではないけど、ひょっとして取って置いてたら、今そのネタだけでブログが一つ作れたかも。


第2章のワークスタイルにある、一番最初の項目『不得意な仕事を捨てる』だってね、

”自分がやるべき仕事”だけに集中することが義務だと考え、自分が不得意な仕事は、それを得意とする人にパスしよう。

って、おっしゃってますけど、そもそも20代そこそこの若造に、何が自分にとって不得意かどうか、わかるんだろうか?
私は、わからなかったな。
なんとなく、「自分はこういうの苦手だと思うんだけど」というようなことでも、「仕事だから仕方ない」と思ってやっていたら、案外そこが評価してもらえたりして、うまくこなせていたりしたこと、あるもの。
そして、今でも十分、仕事人と生きていくために役立っていますもの。

人間関係についてもですね。
仕事をいくつか変わって、実感したことは、どこでどう人の繋がりがあるかわからないってこと。
最近、母が言うのだけれど『人間、お金持ちよりおコネ持ち』と言う言葉が、よくわかる。
私はそれほどおコネ持ちでもないけど、少ないコネでもなんとか生きていけて、それは、本当に思いがけないところからのコネクションだったりしますもの。

第4章33の『ゴールデンウイークを捨てる』のところは、ちょっと笑ってしまいました。
みんなと一緒に休むのをやめて、平日に”ジブン連休”を取ろう、と言うことなんだけど、その”ジブン連休”を取ることは一年がかりのプロジェクトだと考えるのだそう。
日本人って、どこまで休むの下手、なんだろう。

読み終わって、タイトルも含めての感想。

所有していないものは捨てられない。

20代なんて、思うほどに『所有』なんてしてない。ほとんど、親や周りから与えられたもの、貸与してもらったものばかり。
持ってるのは『未来』と言う時間だけ。
だから、とりあえず、所有してみましょうよ、それから捨てよう。
と言うことでした。

20代で読んでいたら、また違った感想を持ったのでしょうけど。