高い城の男〜シーズン2 第十話
1945年12月11日のアメリカ。
若き日のスミス大将とヘレンは、どこかのロッジにいます。
その瞬間、窓の外に閃光が走ります。
ワシントンD.C.に原爆が落ちたのでした。
破壊された憲兵隊本部で、呆然としている木戸。
小野田将軍も参謀たちも死に、自分が司令官となったと知らされます。
ここも、セリフが聞き取れない。
兵隊さんがやって来て、いろいろ言うんだけど、
「・・・よって、大尉殿がせいかんでございます」礼っ。
ってなんだよ。
吹き替え版を見たら、『司令官』でした。
言い難いのかな、”司令官”って。
ニューヨークでは、ベルリンからケラー親衛隊中将がやって来ます。
中将はレジスタンス制圧のために、サバンナに爆撃をして見せしめにするよう進言します。
そうすると84,000人の住民が、犠牲に。
で、サバンナってどこ?
調べて見ました。
宮崎市と同じくらいの緯度にあるらしい。
風光明媚なところらしいです。
さて、すったもんだの憲兵隊本部は傍において、自宅でこっちの世界から持って来たフィルムを、木戸に見せる田上通商大臣。
日本が開発した原爆映像だと伝え(確かに、ドラマの世界ではビキニ環礁は日本領ではある)、ドイツに戦争を思いとどませる材料に使おう、と図ったのです。
でもさ、こういう地球規模の核実験があれば、気象データの変化とか電波障害とか色々あって、割とすぐわかるんじゃないのかな。
逆に、実験がなかったことも。
気象観測の技術は発達してない世界なのさ、で逃げても良いけど、地中海干拓とか、火星開発とかしてる(原作でも)のだから、そのくらいの観測データは持ってても良いと思うの。
ベルリンでは、楽しそうに日本領攻撃計画を発表するドイツ陣営。
この辺の細かい計画性は、いかにもドイツ風なのでしょうね。
特攻隊を差し向ける可能性についても、言及されています。
天皇を殺したら"戦争が長引く"論と、"その方が早い"論がぶつかります。
日本人の天皇崇拝って、欧米の人には特別感があるのかしら。
優れた人種である自分たちだけが残ることで、平和で調和のとれた世界になるのだ、と信じているホイスマン・パパ。
そのためには多少の(数百万単位の)犠牲は仕方ないよね、と言い切ります。
悩むジョー。
同じ息子といえば、トーマスは自分の病気について調べているところを母ヘレンに見つかり、不安を両親に打ち明けます。
忙しいくせにそう言う時には、家に帰って来ているスミス大将。
いいパパやん。
いいな、ヘレンはワンオペ育児じゃなくて。
と、一瞬思ったけど、製作者側の、"こういう重要なことは、男親が言わないと"的なものを感じるのは、考えすぎ?
動揺するトーマスに、病気はなんとかなる。
どんな時でも、私たちにとってはお前は完璧な息子だよ。
と告げる、スミス夫妻。
そこに、空港から電話が。
木戸大尉が、スミス大将に会うためにやって来たのでした。
スミス大将に田上通商大臣が、こっちの世界から持ち帰ったフィルムを見せる木戸。
高い城の男のフィルムだと、信じてしまうスミス大将。
全てを託して、去っていく木戸。
実際は日本大使館で待機。
もちろん最終戦争を回避する切り札になるフィルム(のはず)です。
スミス大将は、一計を胸にベルリンへ飛びます。
ここで、彼に付き従っているエリックさんは、シーズン1の第3話で撃たれてた副官?
無事職場復帰したんですね。
一方、トーマスの病気のことは、レジスタンスにも知られてしまいました。
その会話テープを放送で流せば、スミス大将を失脚させられるとディクソン。
『トーマスも殺されてしまう』と、反対するジュリアナに、『どうせ病気なんだし』と言うディクソン。
ディクソンの言いっぷりは、ナチそのものだと愕然とするジュリアナ。
レジスタンスのリーダーがやって来ます。
ちなみに彼女は、戦時中D.C.で被爆したのでした。
ジュリアナのせいで仲間のカレンが死んだ、と知ったリーダーはディクソンの目を盗んで、ジュリアナを殺そうとします。
しかし合気道の達人ジュリアナは、なんとか難を逃れます。
そこに、ナチスの制服を着たディクソンが。
ナチス将校に変装して、放送局に潜入しようとしていました。
盗聴テープを使ってスミス大将の失脚を狙っていたのです。
テープを取り返そうと、ディクソンを撃ってしまうジュリアナ。
フィルムの映像通りになっていきます。
とりあえず、フランクと一緒にジョーに撃ち殺されているディクソンではないから、サンフランシスコは無事ってこと?
ホイスマン・パパに進言しても聞いてもらえないジョー。
ニコールに悩みを打ち明けます。
「彼らの後は、私たちが政権を担うのだから先のことを考えよう」と言うニコール。
ジョーはニコールといい感じに。
殺伐としたシーンばっか続くので、ここは製作者側からの視聴者へのサービスシーンというところでしょうか。
次のシーズンに入るための制作費も必要だしねっ。
さて、スミス大将はジョーの元にやって来ます。
フィルムをホイスマンに渡して欲しいというスミス大将。
散々利用されて、うんざりしているジョー。
ジュリアナが生きていることを聞かされ、動く気になります。
そういえば、ジュリアナのことをスミス大将はジョーに教えてませんでしたっけ。
レジスタンスの仲間で利用価値があるから生かしてある(それが何か?)と言い切るスミス大将。
そんなスミス大将が言うことだから、逆にジョーは信じたのでしょうね。
スミス大将役の役者さん、目の下のクマも黒々として真に迫っています。
フィルムを見て動揺する参謀たち。
日本が水爆実験に成功したのは、既に数年前だとハッタリをかますスミス大将。
参謀が、秘密裏に会議をしているすきに、ヒムラー長官にハインリッヒの自白を報告するスミス大将。
ホイスマンは、最後の攻撃スイッチを押す直前、逮捕されます。
一杯食わされたジョー。
やっぱりこいつを信じてろくなことにはならない、と言いう顔で連れて行かれます。
ホイスマンの代わりに、演説をするヒムラー。
即興の割には、なかなかに上手な演説。
ひょっとして準備してた?
役者さんも、チャップリンに似ている(てか、チャップリンがパロったヒットラーに似ている)。
これも、何かの皮肉?それとも伏線?
不本意にも救国の英雄として大衆に紹介されちまうスミス大将。
複雑な表情です。
その姿をテレビ中継で見ているスミス家一同。
トーマスも複雑な表情。
その後、衛生局の職員と家を出るトーマス。
トーマスは自ら出頭することに決めたのでした。
衛兵たちに遮られ、連れて行かれるしかないヘレン。
スミス大将は、ベルリンだし。
さて、ヒットラーがコレクションしていたフィルムを閲覧するスミス大将。
フィルムを見て、何かに気づいているらしき表情。
これは、シーズン3への伏線だな。
ジュリアナは、アメリカのどこかの田舎で車を降ります。
レジスタンスに送ってもらったのでした。
ラジオ放送で、戦争が際どいところで回避されたと言うニュースを聞きながら、ジュリアナは盗聴テープを燃やします。
もちろん、トーマスが、自ら出頭したとは知る由もない。
ふと目をあげると、そこにはアベンゼンがいました。
またもや、納屋(?)に案内されます。
ジュリアナは、自分が何をするのか知っていたのだろうと詰問します。
アベンゼンは、「ジュリアナ・クレインが唯一の希望だと思っていただけだ」と答えます。
様々なシーンでジュリアナが出ていたと言うのです。
どのシーンでも、行動が一貫していたのはジュリアナだけでした。
それを見て、彼女がキーパーソンであると信じたのだと言います。
見た目、その場の思いつきで行動しているようにしか見えんのだけどね。
そこが良かったんでしょうか。
アベンゼンは言います。
ジュリアナの行動のおかげで、悪党のスミス大将は生き残り、妹の父であるディクソンは死んだ。
しかし、おかげでサンフランシスコとその住民は、とりあえずは助かった。
とはいえ、自分がしたこと(不本意ながら、ディクソンを撃ち殺してしまったことかな)に傷ついているジュリアナ。
おまけに、助けたかったトーマスは自分から出頭しちゃったしね。
そんなジュリアナを慰め、さらに納屋の外へと案内するアベンゼン。
そこに、死んだはずの妹トルゥーディーが。
なんで????
そして、その頃サンフランシスコでは、レジスタンスの一人レミュエル・ワシントンが、ジュリアナの知人だと名乗って、田上通商大臣のもとを訪れていました。
手には、フィルムの入った箱が。
何を企んでいるのさ??
と言うところで、次のシーズンへ。
来年早々放映らしい。
どうなるんだ、この話。
とりあえず、サンフランシスコに原爆が落ちることは回避できた。
でも、新しく権力者となったヒムラー長官も、あんまり穏健な平和主義者には見えない。
トーマスは、衛生局に連れて行かれちゃうし。
憲兵隊本部爆破後のフランクやエドがどうなったかも、わからないし。
ホイスマン・パパと連行されたジョーはどうなるのかわからないし。
全然、話が回収されてないじゃん。