とりあえず始めてみます老いじたく

ねんきん定期便をきっかけに老活してみることに

うっかりインストールしてしまったmalware

先日うっかりインストールしてしまったマルウェアもどきのアプリ。

こいつです。

ね、アップルのHPによく似てるでしょう?
私のような素人が騙されたのも無理もないよねっ(">ω<)っ

advanced Mac cleaner やMac keeperで検索すると、その内容が色々出て来ます。
『身代金を払わないとコンピュータをロックするぞ』と脅してくるとか、勝手にデータを破壊しちゃうとか、そこまでの悪質なことはしないらしいのですが、ことあるごとに『ウイルスに感染した』などと言って来ては有料のソフトを買わせようとしたり、変なサイトに誘導したりするそうです。

ネットサーフィン中に突然きたので、慌ててしまって一体、どこでそんなことになったのか、皆目見当もつかなかったのですが、なんと、ネット中にまたもや遭遇してしまいました。

それが、このページ。

そうなんです。ウクレレの曲集のページ。

なんの変哲も無いページに見えるでしょ。
それがですね、曲名をクリックすると、なんと先ほどの警告がポップアップされてくるのです。

なんなんだろう?

ウクレレ初心者をターゲットにしてるんだろうか?
それもMacユーザー限定の?
獲物としては希少すぎてコスパが合わない気もするのだが。
それは獲物の言い分であって、狩る方としては別の理論があるのだろう。

もしかして、このページを作った人も知らないうちに、勝手にマルウェア誘導ページにされちゃったとか?

パソコンとかスマホとか、普段、便利に使ってるけど、仕組みだったり、機能だったりには全くの素人です。

何がどうしてそうなるのかなんてのは、さっぱりわからない。
少しは勉強して備えるべきなのでしょうが、専門家でも惑わされるほどに進化しているらしい、などという話を聞くと、私ごときが少々がかじった程度では歯が立たないのは明らかだろうと思うと、ついそのままスルーしたくなる。

こうして、世の中はどんどん危険なものになって行くのかしら。

せめて、アンチウイルスソフトを入れて、あとは経験値を増やして行くことが私でもできることなのかもしれません。
さしあたって今回はいい勉強にはなってたと思う。

二度目に警告がポップアップされて来たときには、ビビらずに冷静にスクリーンショットも撮れましたもの。

西郷どん〜第7話

録画して感想を書くことにした西郷どん。
どうしてかと言うと、日曜日に一緒に観ている相方のおじさんが、いちいち役者さんの鹿児島弁を直すから煩いし、気が散るの。
それに、相変わらず陳腐な展開に、真面目に観てると居たたまれなくて。

録画しておいて家事の合間に、つまみ観してます。

今回は、西郷さんにお嫁さんが来ました。
演じるのは橋本愛
美少女枠で売り出した女優さんでも時代劇になると、着物姿や日本髪が全然似合わなくて、あらら???になってしまうことが多い中、堂々の美女ぶりです。

実際に最初の妻になった人は、大変に綺麗な人だったらしいので、キャスティングは悪くないと思う。
最初の妻だった須賀さんは、西郷家があまりにも貧乏で身体を壊してしまい、実家が見兼ねて引き取ったそうです。

ドラマでは、空気の読めない嫁ぶりでいい味出してました。

綺麗な人が、無表情だとなんか怖い。
と思ったら貞子役もしている女優さんらしい。
そういえば、あまちゃんでも、震災の直後閉じ込められていたトンネルから出て来た彼女が町の惨状を見て凍りつくシーンは、表情だけでまるでホラーだったもんね。
”不吉な嫁”と言うタイトルにもぴったりなキャスティングですね。
って、そんなことしか感想に書くことがない。

だって本筋は本当につまらない。

西郷さんとこの友人その他が彼女のことを知らなかった、と言うのだって、彼女の実家は西郷家から歩いて10分ほどのところにあったそうだから、まさにご近所さん。
どんな人か知らないはずがないでしょ?
実際、美人の嫁が来て西郷さんもまんざらではなかったそうです。
自分ちが貧しすぎて、実家が引き取ってしまったのがずっと心残りだったらしいです。

鶴丸城では斉彬が篤姫に養女の話をしてたけど、篤姫が抜擢された理由だって、よく食べるし運が強いって、なにそれ?
確かに物怖じしない根性の座った人だったと思うけど、それ以上に聡明で、時代を引き受けるだけの覚悟のあった人だと思うの。
前の大河ドラマ篤姫”を観ておくのだと、今更ながらに相方のおじさんと言ってます。
あっちの方が、よっぽどストーリーもしっかりしてて面白く観られたらしいし。


なんだかなぁ、と観ているうちに、西郷さん家はお父さんとお母さんが亡くなってしまいました。

風間杜夫松坂慶子の微妙にずれた演技と、いまいち違う鹿児島弁が、慣れて来たら、案外面白かったので残念です。

直虎の時は、出演者があまり多くない分、それぞれの人物が、深く描かれていてだんだん面白くなって行ったのですが、西郷どんにはそれも期待できそうにないし。
せっかく鹿児島が舞台なのに、残念なとこだらけだなぁ。

舅の緩和ケア病棟入院

一月の末、急に具合が悪くなり搬送された救急病院で末期癌の診断となった舅は、療養先が見つからず(自宅療養できず)、息子である相方のおじさんと義姉があれこれ頑張って、無事に市内の緩和ケア病棟のある病院へ転院となりました。

救急病院入院中は、点滴のせいか顔も浮腫んで目もはっきり開けられないし、しんどそうに眉間ジワを浮かべて、いかにも危篤そうだったのだけど、この度、お見舞いに行ったらば、案外とスッキリしたお顔になってました。

歳をとったら下手に点滴をガンガンすると、かえって心臓に負担が来て良くないらしいってのは本当ですね。
転院してからはアイスクリームを食べたり、栄養補助用の高カロリージュースを飲んだりしてるらしい。

五目御飯が食べたいと、義姉にせがんで『吐くからダメ』だと言われたら、『もう先は長くないんだから、好きなものを食べさせてよ〜』と泣いたそうで、なんだか可哀想。

その後も『みかんが食べたい』と言うので、ジュースに絞ったものなら良いと言われて、ジュースにしてあげたら一気に飲んでしまった、等々、食も進んで割と元気そうである。

父が亡くなる前は、全然食べなくなってしまい、私が父の好きだった巾着ずしを持って行ったら『食べたい、と言う気持ちがどんなだったか、わからなくなってね』と淋しそうに言ってた。
それに比べると、食への執着がある内はまだ大丈夫だ、と思う。

姑によると、転院してから親戚がきても家族が来ても、
『誰が来たか、全然わからんと。独りでずっとブツブツ話しばしおる』
のだそうだが、私たちが行った時は、姑が『誰が来たか、分かるね〜?』と言ったら、
『わかるよ』とはっきりと答えたし、表情もよくなっていた。
そして姑が
『〇〇(相方のおじさんの名前)が来たから、起きて話ばせんね』
と言っても、
『だって、眠ってしまうもん』と言いながら、すうすう寝ている。

なんだ、いつものじいちゃんやん。

姑の話では、昼夜が逆転して夜に騒いでうるさいらしい。
ずっと、仕事の話をしているそうだ。
やっぱり、その頃が一番輝いていたんだろうな。
おかげで、相部屋の人たちに『国鉄の仕事ば、しとったんですか』と言われてるそうだ。
夜うるさいのは、周りに迷惑だから早く個室に移れると良いのだけど、他は特に不自由も、不満もなく過ごしているようでホッとした。

痛みもなくて、心は自分が一番輝いていた時代にあって、気持ちよく好きなだけ好きな時間に寝てる様子で、案外、悪くないんじゃないか、と思います。

固形物は腸が細くなっているので、なんでも食べて良い、と言うわけではないらしいけど、ある程度は自由に食べて良いらしい。
救急病院にいた頃は、数日保つか心配な容体だったけど、この調子だと一ヶ月くらいは余裕で大丈夫かも、だそうです。

それは良かったのだけど、今度は義姉のところの甥っ子の結婚式に差し障るのではないか、と言う問題が浮上しているそうだ。
なんでも四十九日が開けないうちに結婚式をやるのがご法度らしい(※)。

私は仏事に疎いので、よく知らなかったのだけど、そう言うものなのかしらん。
相方のおじさんは『別に、いまの時代は気にしなくていいんじゃないの』と言うスタンツなのだけれど、義姉と姑が気にしているらしい。
特に、義姉が信心しているお寺さんがそう言うことにうるさいらしい。
そもそも『いまのあなたの不幸は、先祖供養をちゃんとしてないから』と言うのが教義のお寺さんらしいから、細かいのだろうな、そう言うところに。

なのでじいちゃんには、甥っ子の結婚式が終わるまでは頑張ってもらわないといけない。

頑張れ、じいちゃん。


※:喪中の結婚式
ネットで調べたら、49日が済むまでは延期するのが一般的、だそうですね。
中には、身内の不幸があったからと友人や職場関係の結婚式でも欠席する人もいるそうな。
なるほど、それがスタンダードなんですね。
世の中の常識の疎いのはいけません。
私に悪気がなくても、嫌な気持ちになる人もいるかもしれませんし。

でも、結婚式をあげるのって、昨今は式場の予約だったりなんだったりで大変だから、別に延期しなくてもいい、と思うのだけど。
じいちゃんだって、孫の結婚は喜んでると思うし。

西郷どん〜第6話

なんだかんだと文句を言いつつ、我が家もみている西郷どん。
今回の三連休は、出かけていたこともあり録画して見ました。

相変わらず、幼稚園生向けアニメとしか言いようのない、背中がこそばゆくなるようなストーリー仕立てでございます。

ネットにはこんな記事が載ったりして、他の視聴者のみなさんもストーリーやドラマを論じることは諦めて、ほかに楽しみを見出しているのではないかしら。
大丈夫なのかしらね。
こんなんで一年間行くのかしら。

headlines.yahoo.co.jp


今回は、薩摩藩に囚われていたジョン万次郎を、斉彬の命令で家に連れ帰った吉之助が、万次郎の心を開いて協力を引き出す、というお話。

ジョン万次郎が薩摩藩に囚われ、のちには雇われて、アメリカで学んだ造船術を伝えた、というのは史実らしいです。
高知の漁師だった万次郎さんが14歳で漂流して、アメリカの捕鯨船に救助され、その船長に気に入られてアメリカに渡り、苦労の末、造船業を学び、危険を承知で帰国。
その後、斉彬に厚遇され、幕末から明治にかけて通訳として活躍もしたらしい。
でも、時期的に西郷さんと万次郎さんが若い頃に出会っていた、というのは、無い、らしい。
帰ってきたのも独りでじゃなかったらしいし。

やっぱりねぇ、日本の歴史を小学生レベルの視聴者にドラマを通して教える、というコンセプトはいいけどさ、アニメ的展開も多少は我慢するけどさ、史実を曲げてまでってのは、どうなんだろう?

面白く話が盛れていれば、それでいいのだろうか???

もしかして、そうやって興味を持ってもらって、正しいことは他の資料を見て確認してね、というスタンツなのかな。

確かに、ドラマの進行上に何か事件があるたびに、これは製作者側の捏造じゃないか?と思って、他の情報なんかをチェックするようになりましたもの。

さて、そうして幕末から明治にかけて活躍した万次郎さんですが、彼の覚えた英語は、所詮は船乗りの話す下層階級の英語だったそうで、英国側の役人の日記に『英語が汚くて聞き辛い』とか書かれてしまってるらしい。
上品な敬語表現を厳しく躾けられて育った人が、いきなり下町のヤンキーにタメ口使われたような感じ、だったのかも。

それに、持っていた知識も限られていたから、日本政府と英米との交流が進むにつれて、だんだんと表舞台での出番はなくなっていったようです。

とは言え、そもそも彼は政治を司るべく生まれてきたわけでもなく、身分制度の厳しい時代の、しかも田舎の貧しい、満足な教育も受けていない漁師の息子だった、と思えば、幸運もあったにせよ、一国の重大な機転に貢献できるだけの能力を、その時に持っていたのは、本人の才能や努力もすごくあったのだ、と思いますし、そんな人物がそつなく何でもできたら、逆にその方がおかしいよね。

ドラマでは劇団ひとりが、お殿様にもデカイ態度を取ってしまう帰国子女・ジョン万次郎、をうまく演じてました。
英語も上手だな、と思ったら、彼自身も帰国子女なんですね。

ウクレレ教室 13回目

ここ数日は、鹿児島だと言うのに雪がちらつき、寒さで震え上がりながらウクレレ教室、行って参りました。

先生は熊本が活動の拠点とかで、毎回、熊本から新幹線で通ってこられているそうな。
寒い中、大変です。

さて今回は、シンコペーションストロークという、何だか難しそうな弾き方を習いました。

弾くべきところを空振りする弾き方、だそうです。

でもね、やってみたらわかるけど、球技だって何だって、わざと空振りするのって、難しいですよね。
弾くつもりでうっかり空振りしてしまうのと、弾くつもりであえて空振るのって、全然違いませんか?
そんな、職人技みたいなこと。。。。出来るのか?

テキストには簡単なシンコペーションストロークの作り方がありました。
けどこれも、矢印の通りに〜と、考えながら弾くと逆にわからなくなってしまい。。。。
ふと思いつきで、上から二回引き下ろして、次は下二回、続いて上下と弾く、とやったら、割と簡単にできました。

良かった〜( *´艸`)

続いて、このストロークで”森のクマさん”を弾きます。
難しいのは、途中でシンコペーションの裏のところでコードを変えないといけないところ。
上から弾き下ろすタイミングじゃなくて、下から弾きあげるタイミングでコードが変わります。

まあね、ここまではテキストに書いてある通りに、4拍子でゆっくりやれば、何とかなったのです。

ところが、、、、

先生は『じゃあ、これを歌いながらやってみましょう』

なぬ?!

歌いながらって、このシンコペーションストロークってのをやるとですね、ストロークのタイミングと歌詞の拍子とうまく合わないのですよ。
その上、一回はいつもとコードチェンジのタイミングが違うし。

一気に難易度が上がる(-"-;)。

しかしながら、先生は『歌いながらできないと合格できませんからね〜』といとも簡単におっしゃる。

そんな〜

これもクリアすべき課題なの?

とはいえ私に、そんな技が出来るようになるのだろうか???

一抹どころか、大いなる不安を抱えて13回目のウクレレ教室を終えたのでした。

この三連休は

この三連休は、母親の安否確認も兼ねて関東へ。
今回は、前から気になっていた壊れたインターホンを直して、寝室の照明をLEDに変え、床下収納の取っ手が壊れたのも交換。
全部、相方のおじさんがホームセンターに行ってやってくれました。
一家に一台ならぬ、一家に一人。
いると便利なおじさんです。

業者さんを頼むとなると、業者の選定から見積もりだとか、信頼性だとか、費用の相場とか、それはそれは大変。
だから、個人で直せるうちに直しておくのは大事です。
プロではありませんから、仕上がりの見た目はいまいちですが、実用に問題なければ良いのです。

ついでに、ご近所にもさりげなく挨拶しておく。

母も、『鹿児島に住んでる娘が来てまして〜』などと、ちょっと嬉しそうだったりする。

来るたびに、次はいつ来ようかな〜となります。
なるべくオフシーズンで、相方のおじさんが休みの取れる時が良い。
私だけだと、おしゃべりして来るだけで、実用性が全く無いもので。

実は今回は、相方のおじさんの東京出張が突然入ってしまい、帰りの便は、おじさんの分はキャンセルしないといけなくなった。
ところが、二人一緒にとったせいで、キャンセルすると二人ともキャンセルになり、私の分だけ改めて買い直しになる、という事が判明。
かなり前に割安チケットで購入しているので、キャンセルして戻ってくる金額と、払い直す金額とを比べると、無視できない額が損、となる。
しかも受験シーズンにかぶるためか、空席が無い。

結局、私だけチェックインして、おじさんは別に交渉することにしました。

来た時に、カウンターで手続きしても良かったのだけど、わかってない人が、勝手に私の分もキャンセルしてしまって、いざとなったら飛行機には乗れないは、正規料金を請求されるは、『申し訳ありません、担当者は今不在で』とかなんとか、頭だけ下げられて済まされた挙句、何を言ってもクレーマー扱いされて余計に、嫌な思いをするのでは無いか?という嫌な予感しかなかったので、当日、ちゃんと乗れることを確認してからにしました。

たとえ相手の対応悪さに腹が立って、『もう二度と利用しない』っと息巻いても、他の交通手段だと倍以上時間もお金もかかってしまうので、飛行機に乗るしかない。
地方在住だと、こういう時不便。

私は羽田空港には、良い印象が無い。
セキュリティを抜けるたび、いつも思う。
どんなに中身を確認してても、何故か毎回引っかかってしまう私。
鹿児島から乗る時と全く同じ荷物内容でも、難癖をつけられたことなんか何回もあるし。
一度なんか、『あんまり綺麗に詰めてるので、よく見えないから、開けて中を出して見せろ』という、嫌がらせ?と言いたくなるようなこともあったし。

海外の空港も含め他の空港で、こういう目にあったことは一度もない。
多分、羽田空港と相性が悪いのだと思う。


時々ネットで、空港のセキュリティで理不尽な目にあう人の話が載ってるけど、その気持ちよくわかる。
インド人に多いらしいですね。
私なんかどこにでも居る、ごく普通の地味ぃ〜なおばさんなのに。

案の定、搭乗予定の便も使用機到着遅れの為、出発遅れ。
年に二、三回しか利用しないのに、行きか帰りのどちらかの便は、もしくは両方が必ず遅れる。
どんだけしょぼい鹿児島便。

一方、おじさんは半時間ほどかかった挙句、キャンセル料五千円を取られたそうな。
もう良いんですよ。
とにかく乗れて、無事に帰ることが出来れば。

だいたい、羽田空港では鹿児島行きとか北海道方面とかの乗り場は、やたらと遠い。
広い空港内を延々と歩かされます。
それでもどうせ利用するしかないやろ?と、こんなところも、足元見られてる感があって『羽田空港なんか嫌いだいっ』と、思いながら渋々と歩く。
もうね、修行中なんだ、と思うことにする。

早く鹿児島に帰りたい。

舅の転院

さて、週明けに無事に緩和ケア病棟のある病院に転院になった舅。
相変わらず使えない嫁である私は、例によってバイト。
義理姉夫婦も仕事があって動けないという事で、相方のおじさんと子虫が二人で行ってきた。

元の病院のケアワーカーとは、色々あったわけだけど、最後の日には移動用に病院車を、手配してくれたそうだ。
朝から雪が降ってて、心配したけど、病院から病院への移動だからそんなに大変では無かったらしい。

移動中、病院車には家族が一人同乗しないといけない規則とかで、ここでやっと役に立つ子虫。
移動中から、なんとなく元気が出てきたらしい舅は、転院先では、べらべらと喋り出してたそう。

子虫が声をかけると、はっとしたように我に帰るけど、またしばらくすると、独り言をずっと言ってると言う状態だったらしい。

その前の日まで、呼びかけにやっと目が開くような感じだったので、昼からやってきた義理姉は『緩和ケア病棟に移って元気が出てきたのねー良かったわー』と喜んでいたらしいが、おじさんと私は違うんじゃ無いかと思っている。

これって聞いたことある。
あれだよ、あれ。
終末期せん妄ってやつ?
本でも読んだし。

父が亡くなるちょっと前も、やたら元気になって、やけに喋りたがることがあったらしい。
亡くなる前は、入退院を繰り返してたから、母は、これからまた元気になるのだとほっとしたそうだが、そのすぐ後から、容体が急変してしまった。

母は父に『あんまり喋って疲れるといけないから、もう寝なよ』って言っちゃったけど、あの時もっと聞いておけば良かった、と今も言います。

せん妄が出ると記憶が錯綜して、その人が人生でいちばん輝いていた頃に戻ったと錯覚するらしい。

舅は、元国鉄マン。
ずっと現場にいて、九州中の線路を敷設して回ってたそうだ。
定年後は、委託で保安整備や修理の仕事をしていた。
多分その頃に戻った気になってたのだろう。
『乗り遅れっど、早よ乗らんかっ』
などと、子虫相手に怒鳴っていたらしい。
孫じゃなくて、若手の部下だと思ってたのかな。

終末期せん妄が出るとそこからは、もうあまり長くは無いらしい。
幸いに薬のおかげで痛みもなく、記憶が若い頃に戻ってるせいで機嫌も良いらしい舅。

このまま幸せな夢を見つつ人生が終わるのなら、悪く無いのではないだろうか。
そんなことを思ったりして。