遺品整理屋は見た!〜を読んで
なんとも身につまされる内容でした。
特に、孤独死の話。
最期は自宅がいい、とは言え、孤独死はまた別です。
死んでから長期間経ってしまうと。夏場なんかはちょっと。
そういうのが、苦手な方は読まない方が良いと思います。
所詮、人間だって生き物ですから、言ってみればナマモノな訳で。
やっぱり、マンションなどは匂いが出てくると、近所に迷惑をかけるし、場合によっては資産価値も下がってしまうらしいですね。
事故物件ということで。
今は、ちゃんと告知しておかないといけないらしいので、知りたくなくてもそういうことは教えてくれる。
私は霊感とか全くないたちなので、多分知らなければ、安寧に暮らせると思うのです。
でも知ってしまえば、そう言う曰くのあるお部屋だ、と思って暮らすのは、さすがに精神衛生上良くなさそうです。
だから、もし、自分が住み替え用として中古のマンションを探すとしても、やっぱり申し訳ないけど、そういう部屋は買わないかな。
そう思うと、マンションを終の住処にするのは、ちょっと考えものです。何かしらの、対策を練っておかないと。
まあ私の場合、今ところは、相方のおじさんがおりますから、心配なのは私よりも、独り暮らしの母親や、おすねかじり虫たち。
ところで母親は、近所にラジオ体操仲間がおりまして、本当にラジオ体操でしか顔を合わせないお付き合いながら、もし連絡なしに毎朝のラジオ体操を欠席したら、安否確認のためにお互いの家を訪問する、という取り決めになっているそうです。
でもするのは、最初の一報を、警察か民生員さんに入れるところまで。
それ以上のこと、例えば親族に連絡する等々のことは、そこまで親しいわけでもないのに、お互いの負担になるかもしれないので、お願いしない。
都会っ子らしく、そこはドライです。
案外、ちゃんと考えているんですね。今時のお年寄りって。
母の家の目立つところには、私と妹の連絡先が大きく書いて、貼ってあります。
私も、母の家に滞在するときは、頑張って早起きして、一緒に体操に行き、挨拶を欠かさないようにしています。
だから、実は心配なのは、おすねかじり虫たちの方かな。
まあ若いので、よっぽ事件に巻き込まれる、などの異常事態でないと、そもそも孤独死自体なさそう。
ところで、たとえ同居していたとしても、たまたま同居人が旅行に行っていたとか、別々に寝起きしていて気がつかない、などということがないわけではありません。
現実に相方のおじさんの田舎で、そういうことが起きたことがあります。
そのお宅では、後継の長男さんがすでに亡くなっていて、お姑さんとお嫁さんとお孫さんとで、暮らしていたそうです。
田舎ゆえ家も広くて、お姑さんの方は廊下で繋がった別棟に寝起きしていました。
お嫁さんはフルタイムの仕事を持っており、お孫さんは高校生。
普段は夕食の時だけ、家族が顔をあわせる生活。
お互いのペースで、仲良く暮らしていたそうです。
が、たまたま、ちょっとしたことがきっかけで、お姑さんとお嫁さんが言い合いになり、翌日以降、お姑さんが食事に来なくなった。
お姑さんはもともと気も強く、とてもしっかりした人で、今までもそうやって、意地を張って、しばらく出て来ないことがあったそうです。そういうときは、別棟にある簡単な台所で自分の分の食事は作っていたらしい。
そして二、三日もすると、一人きりの食事が寂しくなって、なんとなく食事にまた出て来るようになり、一件落着、という経過。
時には、お孫さんが間に入って仲を取り持ったり。
それで、お嫁さんもお孫さんも、当初はあまり心配していなかったそうです。
が、さすがに、出て来ない状態が一週間になり、不安になったお孫さんが、別棟に行ってみると、、、。
検視の結果、喧嘩をした晩か、翌朝あたりに亡くなっていた。らしい。
お葬式でのお嫁さんの落ち込み様が、本当に可哀想だったし、口さがない親戚が、あれこれいうのが気の毒だった、とおじさんが言ってました。
幸か不幸か、我が家も母の家もスペース的に、その様な自体は起きようがありません。
狭すぎて。
とはいえ、老後におひとりさまとなったとして、いざ、”事”が起きたときは、速やかに関係者各方面に連絡がいって、然るべき手続きやら、処遇やらを取り計らってもらえるように、対策だけは念頭に置いておいたほうがいいだろうな、と思うのでした。