とりあえず始めてみます老いじたく

ねんきん定期便をきっかけに老活してみることに

キレる女、懲りない男ー男と女の脳科学



『妻のトリセツ〜理不尽な妻との付き合い方』の前著です。
『妻のトリセツ〜』は相方のおじさんに必読書、として買ってあげ、ついでにすぐに手に取れるようトイレの本棚の目立つところに置いておいていたら、いつの間にか消えてました。

いわゆる男女の違いを解説した本で、似非科学本のカテゴリーに入れちゃう人もいるんだろうな、とは思うけど、書いてある内容が割と、腑に落ちることだったので、興味を持って図書館で借りてきました。

初版が2012年で、その3年後の15年版で9刷発行なので、結構な人が読んだのではないでしょうか。
こちらの本も表紙がよれよれで、なかなかに愛読されています。

著者は、大学の理工系を卒業後、人工知能のプログラミングを研究する仕事に従事。
その過程で、脳の反応の男女差を研究するようになったのだそう。
なるほど、ふむふむ。
そして、結婚して息子さんを授かり、ますます男性脳と女性脳の動作の違いを実感。
違いについて愚痴をこぼす代わりに、『回路特性』を知りその出力(相手の行動ですね)を、いかにして自分の期待するものにするか、についてのトリセツを書くことにしたのです。

最初に、個々人に備わった脳の誤作動、脳の癖について自身の体験も元に書かれています。
言わんとしている事は、『無駄な脳』なんてない。
一見、不都合に見える脳特性、欠点に見える脳の動作異常が、他の才能を伸ばしている、という事。
私も著者と同じように生来の不同視で、ひどい方向音痴なので、なんだかほっとする。

そして、第二章からは女性脳について。
女性の扱いを知らない男性社会に対する指摘が、いくつも。
もう、あるあるだらけです。
中でも、『女性に無駄話、などというものは存在しない』という一節は、是非とも世の男性どもに読んでほしい。
要するに、情報の取り入れ方、処理・保存の仕方が違うって事ですね。

ついで、男性脳について。
ここは、女性たち向けに男性脳の取り扱いについて述べられています。
すでに男性社会でそこそこ生き延びてきている私には、今更感のある内容でしたが、これから社会に出て行く娘には是非読んでほしい。
そして、私が踏んだ数々の地雷を回避し、つまらない回り道をせずに世の中を渡ってほしい。

最後は年代別脳の変化について。
結婚についての名言もあります。
なるほどな〜。
認知症については、ちょっとさらっと触れている程度ですが、それは専門じゃないから仕方ないよね。

最近、出版された『妻のトリセツ〜』の方はこの本の、女性脳部分をより詳しく、細かく、書いた感じです。
なので、社会に出て働く女性が今後、役立てたいと思うなら、本著がお勧め。

今から結婚する予定の男性、および、既婚の男性が今更ながら、妻のご機嫌を取りたい(例えば、そろそろ退職後の生活が気になってきたとか、老いてからの介護が心配とか)という場合には、『妻のトリセツ〜』がお勧めです。

そろそろ”就活に入ろうか”という娘には本著を、娘の彼氏には『妻のトリセツ〜』を贈ろう、と思います。