とりあえず始めてみます老いじたく

ねんきん定期便をきっかけに老活してみることに

軽自動車で乗り付けるすっぴんの中年女



諸般の事情により、期間限定で我が家に車が一台増えてます。
寒波が日本列島を覆い、各地で警報が出ていた年末のある朝。
鹿児島も朝から雨でした。
おまけに寒い。
バイト先の病院に行くのに、冬のそぼ降る雨の中、うす暗い道を歩くのはやっぱり辛いもの。
というわけで、つい日和ってしまい、車で出勤。

一応、病院から職員証とともに駐車場の入構許可証ももらっていました。
かれこれ四年、ほとんど使ってなかったのですけどね。
早速、利用させていただくことにしまして、駐車場へgo!

職員駐車場は、以前は一台ずつパスカードを機械に挿入して入るシステムでしたが、それだと時間がやたらとかかって大変。
ということで、2年ほど前から警備員さんがひとり立って目視で許可証を確認しています。

私も許可証を窓越しに提示して、中へ。
立体駐車場の一階部分、出入りに便利なスペースの一部がドクター専用駐車場として当てられています。
そこに非常勤医用のスペースもある。
最初の頃、許可証と一緒に駐車配置をプリントしたものをもらったのですが、使う予定もなかったので、随分前にどこかにやってしまってました。
しまった〜 (==;)

と、念の為、写真に残してあったのを思い出す。
よかったわ〜σ(⌒▽⌒;)

スマホを開けて画像を確認しながら、非常勤医用(らしき)スペースに車を入れる。
やれやれ。
と、そこに警備員さんが飛んできました。
『ちょっと、ちょっと。そこはドクター専用駐車場ですよっ!』

ええっと、一応ドクターなんだけどな ( ˙-˙ )。

職員票には、職種も記載されています。
それを提示して、なんとかお咎めなしで許してもらいました。

その話をあとで、職場の笑い話に披露したら、居合わせた院長に
『そら、先生が悪いわ。そういう時はベンツかレクサスで行かんこて』
と言われました。
ですよね。
警備員さんの立場に立って見てみたら、わからんでもない。
軽自動車、すっぴん、ユニクロ着込んだ見慣れない中年女。
うろうろしていたかと思ったら、ドクター専用スペースに停める(そこは番号が振られているだけで、”ドクター専用”などとは書かれていません)。

普通に考えても、怪しい、よなー。

そして思い出すのは、その昔、大学病院にいたペイン外来医長のこと。
ペイン外来医長は、私なぞよりもさらに、女子医学生が希少種だった時代の方でした。
当時、大学病院は男性外科医、女性外科医、男性麻酔科医、女性麻酔科医、看護師、看護助手と、全て着用するものが違いました。
だから、着ているものである程度、その人の職種が分かったものです。

そしてくだんの外来医長は、なぜか、看護助手の着る洗いざらしの質素な白いコットンの制服を好んで着ていらした。
見た目が小柄で可愛らしい彼女を、どれほどの研修医、医学生が、看護助手あるいはお掃除のおばちゃんと間違えて痛い目にあったか、数えきれませぬ。

私の見たところ、この致命的な間違いを犯すのは、男子学生や男性研修医に多かった気がする。
(女子が少なかった時代ですので、サンプリングに偏りがあるのは否めませんが)

先日読んだ本でも、男性の脳にはもともと、属している集団の中での階級を見定めて、自分と相手の社会的位置を確認したい、という欲求があるのだそうですね。
そう考えると、警備員さんの戸惑いも、男性研修医・医学生のやらかしも、わからなくはありません。

一方で、時代劇の遠山の金さんや水戸黄門が人気あるのは、やっぱり見た目の怪しい遊び人や、どっかの廻船問屋のご隠居が、実は”身分の高い偉い人”だった、と気づいた周りが慌てふためく姿に、スッキリして溜飲を下げる人が多いから、だとも思うのです。

だからね、軽自動車に乗った、化粧気のない全身ユニクロの中年女が、経営者の同業者で同級生だったりする可能性も、やっぱり意識の隅に置いておいたほうが、いいのです。