とりあえず始めてみます老いじたく

ねんきん定期便をきっかけに老活してみることに

だから私はメイクする〜悪友たちの美意識調査



お化粧大好きアラサー女子17名が、それぞれに自分がメイクする理由を綴った文集。

50歳を優に超えての今更なんですが、これが面白かった。
メイク大好き女子が、自分の化粧についての哲学を語るわけですから、それぞれに主張するところがあって面白い。

テクニックやアイテムを追求していった結果、化粧をしていれば叶美香に、落とせば千原ジュニアになってしまうと言う女性は、その落差を恥じるどころか、それだけの落差が作り出せたことに達成感を感じています。

美容のために〇〇をする、と言うキャリアウーマンは、自宅で行う美容時間を”まるで、戦闘で傷だらけになったガンダムが格納庫で整備されているようだ”と例えます。

仕事は戦いだから、ガンダムが明日も出撃するために念入りな整備が重要なのだ

と言い切る彼女は清々しい。
大事なプレゼンの前、お肌の調子を整えるために〇〇する、と言う彼女の究極の美容法。
確かに効果ありそうだけど、そこまでするか?とも思う。
本人も同じことを言ってますけどね。

他にも、ロリータファッションについて熱く語る女性。
それらしきファッションの女性は、患者さんのご家族さんにも割といて、大抵は、かなり独特な雰囲気とか、オーラをまとっておられます。
私個人は、彼女たちの立ち居振る舞いとか、言葉の使い方に怯んでしまって、少々苦手なのではありますが、この人とは友達になれそうな気がしました。

そんなファッションやメイクが好きな彼女たちのメイクをする理由が、何より自分を鼓舞するため、と言うところが楽しかった。

お化粧したりオシャレしたり、と言うのにすごく興味はありつつも、おしゃれにうつつを抜かして真面目に仕事をしていない、と思われはしないか、と言う己への縛りもあって、なかなか楽しめなかった。
『あら、今日は綺麗に(お化粧)してますね』
と言われると、その言葉の裏には
『真面目に仕事もせんと、見てくればかりに気を使いおって』
と言われているような気が、勝手にしていたものです。
綺麗にネイルした指が視界に入ることで、『仕事をきちんとしているプロフェッショナルとしての自分』を意識できる。
そう言う発想はなかった。

なんか損しちゃったな。

まあ、商売柄、ネイルはできないし、マスクで大概取れてしまうので、ファンデーションも最近はしない。
そうなると落とすのも面倒だし、と目元もいじらない。
たまの休日も、当番で外出できないことが多いから、結局、すっぴんで過ごしてしまう。
そんなこんなで、手を抜いて、なんか生活に張り合いが感じられない日々を送ってしまっていました。

会社では、男性同僚からのファッションチェックがうざいので、地味にして擬態していると言う女性。
会社を出た後に、マノロの靴を履き、可愛いヘアクリップで髪をまとめ、大好きなファッションへと変身して行くそう。

そうか、仕事だけが日々の生活じゃないしね。
せめて、休日の日ぐらいは、逆に朝からしっかりメイクして、おしゃれを楽しむ自分、を自分に演出してみようかな。

そんな気持ちになった読後感でした。





そうだまずは、化粧品を買いに行こう。