とりあえず始めてみます老いじたく

ねんきん定期便をきっかけに老活してみることに

五月、六月に大怪我をしてはいけない理由〜続き

先週は麻酔科学会総会がありました。
専門医更新のために鹿児島県内の麻酔科医が、ほぼ全員、神戸に移動した週でした。
神無月ならぬ、麻酔医無週。
学会は木曜日に開催されます。
週の後半は手術件を制限〜停止にしなくてはならないため、外科の先生も水曜日までに入れとかないと、いつもより多めに手術を入れてきます。
緊急の手術ももちろん入ってくる。
こういう時に限って、何故このタイミングで?と言いたくなるような面倒な症例が入るものです。

腕の立つ先生方は、どうしても難しい症例に対応するため、一般的な麻酔症例は、私のような雑魚が対応することになります。
朝からびっしりの手術症例を、ひたすら各個撃破でこなすしかない。

看護師さんたちは『木曜日までの辛抱よ。水曜日まで耐えたら、あとは先生がいないから、楽になるはずよっ』とお互いを励ましあってました。
他のスタッフも、普段にも増して無口&無駄口封印で黙々と仕事。

開けて、今週は整形外科学会総会があります。
西南端に位置するゆえ、整形外科の先生方は皆、渡り鳥のごとく東へ向かう。
地方の端っこですから、開催地によっては前泊しなくては間に合いません。
毎日のように手術がある病院なので、このように突発的に診療が出来ない日が何日かあると、その前後は地獄のように忙しくなります。
定期の症例も、予定を繰り延べしなくてはなりませんし。
ただでさえ、休日明けは骨折や事故やらで患者が多い。
休日に羽目を外しちゃった人とか、普段やらない家の修理なんぞに手を出して脚立から落ちる人とか、いろいろいらっしゃる。

そんなこんな患者さんたちが、次々と運ばれてくるなか、少ないお留守番ドクターたちが奮戦することになるのです。
学会が終わったら終わったで、今まで溜まっていた患者さんが待ってます。
休診となっていた外来には、普段受診する人も含めて患者さんたちが殺到する。
手術症例も増える。
このような状況が数週間続きます。

誰かが、このような状態を表現して
『うっかり息継ぎすると、そこで力尽きて溺れるから、息継ぎしないで最後まで行くしかない状態』
などと言ってましたっけ。

学会自体は大切だと思うのです。
時には気分転換も必要だし、勉強も大事です。
久しく会っていなかった、昔の仕事仲間に会える貴重な機会でもあります。

でも、その前後の狂騒状態を思うと、この時期には手術が必要な大きな怪我や病気は、絶対にしちゃいけない、としみじみ思うのでした。


追記:
さて、今週は学会がらみでさぞかし症例は少なくてゆったりだろう、と期待して出勤してみたらば、そんな甘い考えは通用しませんでした。
『先週、受けてもらえなかった分、お願いねっ』とばかりにみっちりと組まれた手術予定。
お留守番組の先生たちが、ここぞとばかりに手術申し込みを入れまくってます。
結局、普段と変わらない今週。
そして週が明ければ、今週不在だった先生方がまた戻ってきてのさらに忙しくなる来週、なのでした。