とりあえず始めてみます老いじたく

ねんきん定期便をきっかけに老活してみることに

メリーポピンズ リターンズ


出典:ディズニー公式サイト

インフルエンザも癒えた週末、早速、観にいってきました。

いつも思うのですが、最近の映画の邦題、本当にやる気がないと言うか、なんとかならんのでしょうか。
これじゃ、メリーポピンズがアベンジャーズ的な戦闘士みたい。
いいけどさ、ブツブツブツ。。。。
さて、ここからはネタバレ全開の感想です。







舞台は、大恐慌時代のロンドン。
お天気もいまひとつどんよりと、景気の悪い世の中です。
ガス灯点灯夫のジャックさんが、明るく歌ってますけど、振るわないバンクス家。

バンクスさんところは、原作でもお父さんは銀行にお勤めでしたけど、息子のマイケルもやっぱり銀行に勤めてます。
といっても、パートの出納係。
借金が返せず、家も失いそうな状況です。
原作のマイケルも、しっかり者のお姉さんジェーンと違って、割とヘタレだったような記憶が、ある。
お姉さんのジェーンは、労働者の権利を守る活動家になってます。
そういえば、映画版の前作では子供達のお母さんは、女性の権利のための活動家でしたっけ。
バンクス家の女性は、公共の利益のために生涯を捧げることになっているようです。

そんなある日、風の強い日のこと。
捨てられていた凧が風に舞い、凧を追いかけて子供達が公園を走っていくと、雲の合間から凧を持ったメリー・ポピンズが降りてきます。
有名なシーンですね。

メリーポピンズを演じるのは、エミリー・ブラント
私は、この女優さんは『ジェイン・オースティンの読書会』という映画で観て以来、その繊細なお姿と演技にすっかりはまってしまい、しばしが出演作をチェックしております。
プラダを着た悪魔』でも、いい感じにピリピリしたアシスタント役をやってましたっけ。
いっとき、トム・クルーズとかマット・デイモンとかと変なSFアクションものに出てたりして、路線変更したの?と思っていたので、こういうミュージカルものに出てる姿を見るのは嬉しい。
はっきり言って、今回はこの人観にきたようなもの。
何気に、歌も踊りも上手だし。
気品があってツンデレな、メリーポピンズのイメージにぴったり。
もう、彼女の喋るところや立ち居振る舞いを見てるだけで、満足満足。
ファッションも、素敵。
1900年代初期のファッションって、着心地は置いておいて、きちんとしていて素敵なものが多いですね。
お約束の絨毯でできた手提げ鞄。
憧れてたな。

さて、バンクス家にやってきたメリーポピンズ。
早速、子供達をお風呂に投入。
喋る雨傘とか、不思議なものがどんどん出てくる布製の旅行鞄とか、小物も原作そのもので、嬉しい。

魔法の世界は、ディズニーらしいアニメーションでとてもカラフル。
魔法の世界だと、ツンデレ封印でキュートに歌って踊るメリーポピンズ。
この辺は、前作映画を踏襲。
煙突掃除屋のバートの代わりに、ガス灯点灯夫の息子のジャックが、お相手を仕ってます。

不思議なお風呂から出てきた子供達。
みんなすっかりメリーポピンズに魅了されています。
一方、大人たち(ってマイケルとジェーンですけど)は、家の借金を解消してくれるはずの、父親が残した株券を探して、上へ下への大騒ぎ。
普通、そんなに大事なら貸金庫にあるんじゃないの?
と、銀行の貸金庫を見るけど、やっぱり無い。
その上、新しい銀行頭取は親切なふりをして実は、マイケル一家から家を取り上げようと画策しておりました。

ここで、手下の弁護士二人のうち、黒人の方がいい人役なのは、やっぱり”政治的正しさpolitical correctness”ってやつ?
悪辣頭取をコリン・ファースがやってます。
あんまり悪辣に見えないのが、ちと物足りない。

家にお金がないことは、子供達にもわかっていて、子供部屋にあるロイヤルドルトンの器を売ってお金に替えようと、長男のジョンが言い出し、アナベルが止め、そこにジョージーが絡んできて、もみ合ううちに器を割ってしまいます。
メリーポピンズの魔法で、その器の中に入り込む子供達。
アニメーションが綺麗。
メリーポピンズがロイヤルドルトンミュージックホールでジャックと楽しく歌って踊っている間に、子供達は舞台裏で悪い狼と手下と出会います。

狼たちが、銀行頭取と部下の弁護士たちの仮の姿と知った子供達は、父マイケルにそのことを伝えようとしますが、そこはそれ”大人の世界”事情ってやつで、相手にしてもらえません。

とうとう、家を明け渡す期限がきてしまい、引っ越す直前のバンクス一家。
ジョージーが凧を修理するために使った、紙が探していた株券だ、と気がつくマイケル。
慌てて銀行へ向かいます。
折しもビッグベンの鐘が、刻限の12時を告げようとしていました。

ビッグベンの針を遅らせようと、奮闘するジェックとガス灯点灯夫の仲間たち。
霧の夜を自転車で暴走するシーンが、唯一のアクションシーン、かな。
ミュージックビデオみたいで見ていて楽しい。
みんなで梯子をかけて頑張って登るけど、ギリギリで針には届きません。
固唾を飲んで見守る子供達、とメリーポピンズ。
どうしても届かない、と見るや、メリーポピンズが『もう、しょうがないわね』と言わんばかりに、傘を広げ、悠然と宙を飛んで、ビッグベンの針を動かしに行きます。

最初から、メリーポピンズが出てくれば良かったんでない?、という声が聞こえてきそうですが、忘れてはいけません。
メリーポピンズは教育者、なのです。
ちゃんと、子供達(とおよび人間たち)が自力で解決するように導くのが彼女の勤め。
最初から手を貸したら、ダメ、なんですね。

さて、無事に五分時間を引き延ばすことに成功したものの、今度は銀行内に入れないジェーンとマイケル。
凧をあげて、頭取室にアピール。
って、誰も夜中に窓の外とか見ないでしょ。
そこで、またもやメリーポピンズがちょいと力を貸して、凧は窓を破り、頭取室へ乱入。
無事に、株券を復元、と思ったら肝心のサインのところだけ見つからない。
いよいよ切羽詰まったところで、登場するのが引退したはずの先代の銀行頭取。
こちら、前作のディズニー映画でバート役をされていたディック・ヴァン・ダイクさん。
御年93歳だそうですが、なんとノースタントで、机の上飛び乗り、歌って踊ってます。
すご〜い。
映画より、こっちのがすごいかも。
あまりにも若々しいので、わざわざ90歳に見えるようメイクしないといけなかったとか。

悪い狼、もとい銀行頭取が追い払われ、実はマイケルが子供の頃に貯金した2ペンスが、投資のおかげで増えに増えて借金を帳消しにできていた、と知らされ、お話はハッピーエンドへ。
銀行に2ペンス預金しておくと20年後に家が買える、という話。
いかにも投資好きなアメリカ人らしい話です。

エンディング。
桜の花が咲き、春のお祭りが開かれている公園では、みんなで風船と持ってふわふわと飛び回ります。

そして最後に強い風が吹いて、メリーポピンズはまた傘を広げ風に乗って行ってしまいます。

マイケルの2ペンスの話とか、料理人のエレンが元気に働いているとか、前作を踏襲した小ネタがいっぱい出てくるので、原作というより前作派、という人にも嬉しいはず。

お隣の退役した海軍提督もご健在です。
懐かしいな〜。
犬を飼ってるお金持ちの夫人も、いたいた。
懐かし〜。
図書館でシリーズ本、何度も借りて読んだものです。
ところで、メリーポピンズが壊れた器の修理を頼みにいく又従姉妹の逆さまトプシー。
映画では、あのメリル・ストリープがスパロー船長ばりのアイラインメイクと、怪しげな訛りで怪演してました。
原作に出てきてた気がするのですが、どんなキャラクターだったかしら?
また、図書館で借りて読み直さなくちゃ。