とりあえず始めてみます老いじたく

ねんきん定期便をきっかけに老活してみることに

未来の年表2

前作『未来の年表』の続編です。
前作と同じく、これから人口がどんどん減っていく日本が直面するであろう様々な困ったことを挙げています。
著者も言っていますが、前作よりもさらに具体的に”どんな困ったことが起きるか”について、焦点を当てて書かれています。

それだけに、やっぱりこれってやばいよね、と言う危機感を抱きます。
といって、いたずらに『やばいよ、やばいよ、どうする〜』と煽るわけでもなく、前作と同じように対策案も後半にはいくつか提案されています。

前半は、人口が減って今後起きるであろう危機的状況について。
手入れする人がいなくなって、山林が荒れ、事前災害が増えるとか、物流に携わる人が減って、宅配も届かないし、交通弱者が増えていく、農業に携わる人がいなくなり、野菜が高騰する、などなど、実際に地方である鹿児島では起きていること。
まだまだ先のこと、他人事、などと呑気に構えてはいられないものがあります。

普段、食べ物以外の買い物はネット通販がほとんどなので、地元にお店がなくても、そうすぐには困りません。
でも、配達してくれる人がいなくて通販ですら物が買えない、と言うことも、出てくるかもしれません。
実際に、楽天市場で以前はまとめ買いできていた業務用ティッシュペーパーが、配達域外、と言うことで買えなくなっちゃった。

今朝の新聞には、京都のバス路線が運転手不足で縮小になる、って載ってたし。
いよいよ、人口減少の弊害がじわじわと、日常生活に現れて来てます。

都会だって、タワマンがそのまま天空の老人ホームと化す、なんて笑えない。
高齢者ばかりになって、修繕費もままならずにスラム化していくマンションも、どんどん出てくるそうです。

そして、バブルがはじけて日本の景気が冷え込んだ時期に就職できず、スキルも貯蓄も得ることができないままに、中年になってしまった世代が少なからぬ数いて、今は親世代の年金でかろうじて暮らしている彼らが本格的に高齢者になった時に、彼らの生活を支えるために公的資金がさらに費やされるであろうと言う話。

今は曲がりなりにも正社員で働いていて、それなりに年金も貯蓄もあって楽々老後を過ごせそうとか、あるいは年金はちゃんともらえる逃げ切り世代でラッキーとか、思っていると思わぬところで足をすくわれるよ、と警告しています。

そう言われても、子供を産んで育てたくても、なかなか簡単には出来ない社会になってしまったのは変えられないし、制度や環境を整備しても、それで人口が増えてくれるのは、遠い先のこと。

後半部分では、前向きに今から個人レベルで出来そうな対策を四つ、企業レベルでやってほしい対策を四つ、合わせて八つの提案がされています。

個人レベルでできること。
①できるだけ長く働く
②副業などで、収入源を複数にしておく。
③年金をもらう年齢を繰り下げる、
これで、収入を確保する。
④住居のダウンサイジング。
住み替えは現実的ではないけど、使う部屋を減らしてランニングコストを落とす。

前作と違って、割と現実的でどれもやってやれないことはないような気がします。
特に④に関しては、我が家も子供たちが家を出てから、使ってない部屋は納戸状態。
自然と使う部屋は減らしてますな。
ただ使ってないスペースには、ついつい物を詰め込みがちなので、そこは減らしておかないとね。

企業レベルでやってほしいこと。
①転勤を減らす。
②在宅勤務を増やす。
③働き方を柔軟にする。
子育て支援をする。
これで、子供を生み育てられる社会にする。

どれも少しずつ実行している企業もあるのではないかしら。
という意味で、これと言って目新しいことは書かれていない、と言ってしまえばそれまです。
でも物事の解決には奇策などはない、一見地味でも出来ることしか結局は効果がないのだ、と改めて思わされたとも言える。

前作より内容が具体的な分、読み応えがありました。


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