とりあえず始めてみます老いじたく

ねんきん定期便をきっかけに老活してみることに

マンマミーア!続編〜観てきました

マンマミーア!の続編。
副題に『ヒア・ウイ・ゴー』と付いてます。
良いですよ、もういちいち邦題つけなくて。


八月に公開されて、是非とも観に行きたかったのですが、ずっと忙しくて観に行けず。
(子虫とは『オーシャンズ8』を観に行っちゃったし)
もうDVDで観るしか無いかな、と半分あきらめていたのですが、なんとか休みがゲット出来たので、おじさんと一緒に観て来ました( ´ ▽ ` )ノ。

いつものように、感想含めてネタバレ全開ですので、そういうのが嫌いな方はご注意を。


職場の看護師さんも、けっこう『観に行った〜』って人がいて、しかも『母娘で行って来ました』と異口同音に。
『私は歌とかピンとこなかったけど、母世代は喜んでましたよ〜』とか言われちゃって、そうかぁ、私は君たちのお母さん世代かぁ、と思いつつ、そう言う看護師さんたちもアラフォーじゃん、10コしか違わないじゃん!
世代間ギャップとか漂わせないでよっ、とつい拳に力が入ってしまったりして。
まあ、この時代の流行って10年くらいのスパンがあるから、母世代と一緒でも仕方ないか、と自分を慰める。

映画は、前作と同じくドナの娘ソフィの口ずさむ歌で始まる。
今度は、前回のラストで歌っていた”Thank you for the music"です。
芸がこまかい。
そしてやっぱり、ソフィは郵便を出している。
こう言う、元ネタつながりの細かさって好き。

今回は、改装したホテルの招待状を送っているソフィ。
そして、話が進むにつれもう一人の主人公であるドナが一年前に亡くなってしまっていたことがわかります。

え、ええええっ。

いきなり主役、死んでるの???

アクションもので主役級の登場人物が始まる早々、死んじゃう演出ってのよくあるけど、映画始まる前からもうすでに死んでいたとは。。。

そして、話は現在のソフィと、大学を卒業して世の中に飛び出したばかりの若き日のドナの話を、交互に織り交ぜながら進んで行きます。

この若き日のドナ役をやってる女優さんが、素敵。
歌も上手だし。
メリル・ストリープの若い頃、というと”ソフィーの選択”とか”クレイマー・クレイマー”。
綺麗だけど、繊細すぎて取り扱いが難しい陶磁器製のお人形さん、みたいなイメージだったのですけど、こちらは多少落っことしても、踏んずけても壊れそうもないタフな感じ。
それが逆に、映画の世界でのドナっぽくて良かったな。

ただ、ソフィとの母娘感を出すためもあるのでしょうが、同じ髪型、同じ髪の色。
相方のおじさんは、白人は皆同じに見えるので(向こうさんだって、アジア人は皆同じ顔に見えるのでお互い様です)最初の頃は、話についていけなくて苦労したらしい。
よく見ると違うんだけどね。
それに、前作をほとんど覚えてなかったらしい。
勿体無い。。。
前作の疑問点をしっかり回収しつつ、前作へのオマージュもいっぱいの今回作。
観てなくても、もちろん楽しめる作りにはなっているけれど、どうせ観るなら二倍美味しい方が、お得。
是非、前作を観直して復習予習をしていきましょう。
アマゾンプライムで観られますよ( ´ ▽ ` )ノ。

以下、ドナのストーリー。
大学を卒業した(さりげにオックスフォード大学の総代だったりして、お嬢な上に優秀な)ドナは、自分探しの旅に出るとまずはパリへ向かいます。
そこで、銀行家一族出身のハリーと出会う。
ハリーは決められたレールを進むしかない自分をなんとかしたくてヘビメタやってみたりしてるけど、いまいち馴染めない男の子。
のちにゲイバレしますけど、この頃はまだ世の中と自分との間に違和感だらけで過ごしている。
そこへ現れた、花火みたいな素敵な女の子ドナ。
そりゃあ、夢中になるよなぁ。

でも、ドナはギリシャにある小島に行きたがっていたので、ハリーとは一晩で別れて、とっとといなくなってしまう。

船着場で出会ったのがサム。

サムのボートで念願の島にたどり着き、すっかり気にいるドナ。
サムはヨットレースに参加するため行ってしまい、島の奥にある廃屋に向かうドナ。
ここで突然の嵐。
なぜか廃屋には馬がいて、嵐と稲光にパニックになっていました。
助けを呼びに雨の中、飛び出したドナ。
そこへ次の運命の人、ビルが現れます。
ビルと力を合わせて、馬を助けるドナ。
こうしてドナとビルは恋に落ちる。
ビルは建築家の卵。
やっぱり自分探しのために島に滞在していました。

一緒に、島で暮らそうと誘うドナ。
二人で入った居酒屋でバンドのボーカルに雇ってもらい、あっさりと仕事をゲットするドナ。
何気に生活力あります。
この居酒屋のおばちゃんが、ドナの人生に深く関わってきます。
幸せに暮らすドナとビル、と思いきや、ビルの小屋で見つけた写真からビルには婚約者がいたと知り、一気に切れるドナ。
切れたら聞く耳持たないドナにビルは、とりあえず、島を後にします。
前作を見た人はみんな知ってるけど、この後、ビルは婚約を破棄して、ドナに会いに戻ってくる。

ところが、傷心のドナはヨットレースから戻ってきたサムといい感じになってて、クルージングに行ってました。
戻ってきたビルに、居酒屋のおばちゃんが『ドナは、あんたよりいい男見つけて行っちゃったよ』と引導を渡す。
ああ、こうやって行き違いが生じていたのですな。

なんで、このおばちゃんがドナの恋愛事情にここまでお節介を焼くか、について説明はないのだけれど、前作との話の筋からすると、このおばちゃんはサムの大叔母さんなので、浮気性なサムがドナと一緒になって落ち着いてくれるといいな、と思っていたのではないか、というのが私の意見です。
おばちゃんは実は、廃屋の持ち主で、ついでに廃屋で馬も飼ってたんですね。
で、馬共々ドナが気に入ってたのでした。

ところで、ビルが去った後、ドナを慰めるため親友のターニャとロージーが島にやってきます。
この二人の掛け合いも楽しい。
オリジナルのターニャとロージーの若い頃って、きっとこんな感じ、と違和感ゼロのぴったり感。
そして、前作でロージーがやけに積極的に(映画のはじめの方で、『結婚なんてしない。私は一匹オオカミ』とか言ってたくせに)サムに迫ってた理由も、ここで明らかに。
本当、脚本がよくできてます。

居酒屋のおばちゃんが体良くビルを追い払った後で、ドナは妊娠に気がつきます。
『もういいの、私一人で強く逞しく生きていくわ』
と決心するドナ。
出産には、居酒屋のおばちゃんが立ち会ってくれます。
多分、子育ても随分助けてくれたはず。
なんだかんだ言って、出産子育て、独りできるわけないもんね。
おばちゃんとしてはドナも好きだったけど、ソフィはサムの娘だと思ってたのもあって、遺産も残してくれたのかも知れません。
この後、ドナが感謝の意も込めておばちゃんを世話したのも分かるし、ソフィの名付け親になってもらったのも分かる。
説明なくても、すんなり前作と収まるこのぴったり感。

ハリーはどうなったって?
最後の方で、若き日のハリーがやってきます。
ドナを追いかけてきたのでした。
ただし、その後については、もうみなさんお分かりですよね、って感じで省略。
港に置かれた税関の係官のおっさんが、またいい味出してます。
最後にアカペラで”Take a chance on me"を歌っちゃうとこ、素敵。
もう、ちゃんと最後まで伏線回収してくれて、このすっきり感。
最近なかったな。

さて、一方の現在のソフィ。

亡き母ドナの願いだったホテルの改装を完成させ、2代目ホテル経営者としての貫禄もついてきているソフィ。
夫のスカイは、ホテル経営の研修のためニューヨークへ滞在中。
前作の女優さん、10年経っていい感じに綺麗になってます。
前作では、可愛いけど頭のネジが一本足りなそうな女の子だったのが、キリッとしたキャリアウーマン感を醸し出してます。
とはいえ、夫とは今後の二人の生き方を巡って、喧嘩が絶えない日々。
母は亡くなり、一人ぼっち。
映画の後半では妊娠が判明。
ちょうど、ソフィを身ごもった時のドナと重ね合わせる状況です。

夫スカイ役の俳優さんが、すっかりおっさんになってて、白人の男性って容姿の劣化が早いわ、と思いつつも、前作では”能天気に幸せ一杯のバカップル”ぽかった二人が、今や夫婦の危機にも瀕している状況が、現実的。

そして今回も、落ち込む主人公を慰めるため&話を面白くしてくれるために、やってくるのはドナの親友ターニャとロージーのコンビ。
実年齢もちゃんと10歳分年取って、それがまたいい感じ。
上手に老けている女優さんが増えて、いい意味で憧れます。
この二人のやりとりの呼吸感と、若い時代の二人の掛け合いの間合いがぴったりで、またいい感じ。
それぞれ別の人間が演じているとは、思えないほどのぴったり感。

それから、いかにもいわくありげなアンディ・ガルシア演じるメキシコ出身の支配人。
今まで会話の中でだけの存在だったソフィのお祖母さん。
そのお祖母さんの元恋人であろうことは、もうスペイン語訛りの時点でバレバレなんですけど、ガルシアさん、意外にも歌が上手くてびっくり。
てか、シェールがソフィのおばあさん役で出てきたのもびっくり。
ハリウッドでは伝説化している人らしいから、はまり役?
とにかく貫禄がハンパないです。
ナチュラルに年取ってるメリルより若く見えるくらいに若作りしてるとこなんかも、『きっと整形しまくってサイボーグ化しちゃったんだな、おばあちゃん』と思わせて、逆にありそう、だったりして。
実年齢もメリルより6歳しか上じゃないのに、ママ役をやっちゃうとこも、さすがレジェンドです。

そして、最後の洗礼式のシーン。

なんと、メリル・ストリープ、まさかの幽霊役で登場。
美味しすぎる演出です。
幽霊なのに、めっちゃ感動のラストシーン。

最後の特典映像的、税関のおじちゃんのオチもいい感じ。
全ての伏線をしっかり回収。
とにかく、ぴったり感とすっきり感が半端ない。

今回、ABBAの曲は割とマイナーなものが多かったでした。
私の好きなチキティータは、BGMでさりげなく流れてただけだったし。
でも、どの曲も良かった。
サントラCDを買いたくなりました。


ああ、面白かった(*^_^*)。

また来週から頑張ろう。