とりあえず始めてみます老いじたく

ねんきん定期便をきっかけに老活してみることに

ミラノ


最終日はミラノのプラダ財団所有の美術館へ行きました。
ミラノ駅は、トリノ駅の何倍かの大きさで人も多い。
東京駅や京都駅を彷彿とさせます。

地下の売店で、乗り物1日フリー券を購入。
これってミラノ市内なら、地下鉄もバスも路面電車も全部共通。
便利です。
鹿児島も、バス、路面電車共通の乗車券があるから、同じようなサービスは、割とどこでもあるのかな。

てか、スイカなら東京はバスも地下鉄も、JR、私鉄問わず乗れちゃうし、コンビニやお店でお買い物もできる。
レストランやカフェでも使えます。
鹿児島は、バスや路面電車がスイカで乗れないから不便だって、相方のおじさんなんか、普段文句言ってるくらい。
なんだ、日本だって頑張ってるじゃん。

さて、地下鉄に乗って行くことしばし。
トリノよりは路線が多くて、乗り換えもあるから気をつけないとね。

プラダ美術館は、駅から歩いてすぐのところでした。
あいにくの雨でしたが、ここでモンベルの超軽量折り畳み傘が役に立つ。
春先は、雨が多い時期です。
傘は、持っていきましょう。

美術館に入ると、入り口で荷物を全て預けねばなりません。
ポシェットくらいのものはいいらしい。
パスポートを首掛け式の袋に入れていたので、それをポシェットがわりに、スマホや財布を押し込む。
美術館や博物館は、荷物を入り口で預けないといけないことが多いらしい。
ポシェットに貴重品。
その他の防寒具などを肩掛けカバンかリュック、と言うスタイルが良いようです。

さて、入場券を購入しようとすると、”第一の展示場には今から30分以内に到達しなくてはならない、その後、次の展示場に入るためのチケットを受け取れ”と言う、指令が。
なんだ、そのRPG的なの。

ここで、いきなり我が家の”うっかり八兵衛”が『トイレ行きたい〜』と言い出して消えたまま、一向に戻らない、と言う事態が。

広い建物中を、あちこち探し回る。
なんだよ、いきなり時間切れでゲームオーバー?!

やっと見つけて、急ぎ第一の入り口へ。
係りのお姉さんが、何やらピッってしてくれる。
とりあえず、ミッションクリア。
じゃなくて、作品を観なくちゃ。

こちらは写真撮影禁止、でございました。

なんかね、衝撃的。
好みは分かれそう。
小さいお子さんは、悪夢を見ちゃうかも。
なんとも言えない雰囲気でしたけど、展示している建物も含めて(天下のプラダ、と言う名前の重みも合わせて)面白かったです。

さて、次は第二の展示場へ。
地図によると一旦外に出なくてはなりません。
広い敷地を歩いて行くと見えてくる大きな建物。
階段を登っていくと、フロアごとに作品が。
こちらは写真撮影OK.

芸術はよくわからんので。
と言うしかないような作品が並ぶ。
好きな人は好きなんだろうな。
うちに持ち帰って飾ろうとは思わないな。
知らんけど。
と言うのが、正直な感想でした、ごめんなさい。


おもちゃの姿焼きならぬ姿焦がし
ベッドや椅子などお部屋にあるものが全部形を残して綺麗に焦がしてある。
芸術性はわからないけど、大変な技術と労力を要したことはわかる



遠目で見ると石みたいなのだけれど、近くに寄ると毛むくじゃらのスツール(?)。多分、うちの餅猫との愛称は抜群だと思う。


ただ、頑張って一番上の階(10階だった)は、ちょっと面白かった。
ここだけは、行ってみても良いと思う。
わざわざ、日本から24時間かけていく価値があるか、と言うと、私としては微妙ですけど。
同じ物が東京で開催されるなら、是非にお勧めします。

とにかく足腰鍛えるには大変よろしい、美術館でした。

くたびれたので、カフェで休憩。

ついでスフォルツェスコ城に向かう。
お城には、ミケランジェロ晩年の作品があるそうな。
ほぼ失明状態となったミケランジェロが、手触りだけで作成した石像だそうです。

広大なスフォルツェスコ城。
中もめちゃくちゃ広い。
展示場と展示場の間が、『ここで良いの?緊急時の非常口じゃないの?』と言いたくなるくらい、狭いドアをくぐり抜けねばならないのが、RPGのダンジョンみたいで面白い。
ただし、トイレは外に一つしかありません。
ここでも、歩き彷徨う。
濃厚な西洋宗教画を、お腹いっぱい見られます。
ミケランジェロピエタは、やっぱり芸術のわからない私には、よくわからんかった。
30年ほど前に観たサン・ピエトロのピエタの方が、シンプルに”すごい”感がありましたな。

その後、一応、有名なミラノ大聖堂へ向かう。
雨の中、行列ができている。
いかにも寒そう。

すでに二週間、ヨーロッパ各地の教会やら美術館やらを堪能していた娘は、『もう、教会建築には飽きた〜』と言うし、他の2名も、特にゴシック様式だのなんだのはわからんので、とにかく雨に濡れたくない一心で、隣のアーケード街へ。
こちらは大変な人混みで、正に土日の渋谷状態。
もしくは、祇園祭時の京都状態。

中に入ると、そこまでなかったですけどね。

プラダ美術館とスフォルツェスコ城での階段修行が、地味に効いてきてくたびれている。
アーケード中央のカフェで、一服することにしました。
観光は、体力勝負、です。


アーケード中心部。
写真撮る人でいっぱい。



アーケード街



ヴィトンのお店の警備員さん。
かっこいいのでつい撮ってしまった。
ちなみにお店は素通りしちゃいました。ごめんなさい、


ここのカフェは、二階の窓からアーケード中央を行き交う人々が眺められて、お勧め。
インスタ用の自撮りに忙しい人が、いっぱいいて面白い。
修学旅行中らしい厨二チックな男の子集団とか、どこに行ってもいるもんですな。
今回の旅ではカフェでもどこでも、日本人とわかると、お店の人の応対が丁寧な気がしました。
バブル期から現在に至るまで、しっかり大金を落としてくれた数多の日本人旅行者のおかげです。
ありがとうございます。


Marchesiというカフェの窓から見た景色。
アーケード街を行き交う人が眺められて、飽きません。


さて夕方、ホテルに戻り母の友人の家に向かうため、タクシーを頼むと、
『今日はストライキだからタクシーは無い』
とあっさり。
なんですって〜。
そんなの聞いてないよ〜。

ホテルのコンシェルジェさんが、電話もしてくれたけど、無理。
友人の家には、バスでも行けるらしいけど、雨のそぼ降る夜に、歩き疲れて知らない街を彷徨い歩きたくは、無い。
切羽詰まって、ホテルから電話をする。
ストライキでタクシーが捕まらない』
と伝えると、驚くべきことに彼女いわく。
『わかった、私が迎えに行こう』
なんとこの御年82歳のオババ様は、運転もするのでした。
雨の夜です、無理させてしまって申し訳ない、と思いつつも、明日の朝には、帰国の途につきます。

やがて、やってきたオババ様。
『普段は15分くらいで着くのだが、今日はうっかりサッカーの試合があるのを失念していた。スタジアムで渋滞に捕まってしまって遅くなった、すまないな』


オババ様の家は、駅から車で15〜20分くらいのところにある、住宅街。
やっぱり、同じような石造りのビルが立ち並んでいます。
そこの、最上階のフロアがオババ様のご自宅です。
二軒入っていて、お隣は息子さんが住んでいるそうな。
かなり古い造りのマンションで、エレベーターは外のドアを手動で締めないと動かない。
こんなの映画でしか見たことないよ。
シンドラー社のエレベーターで、ございました。

ご自宅はいかにもヨーロッパ風のこじんまりとした、でも素敵なものでいっぱいの、おしゃれなインテリアのお部屋でした。
そしてトリノ式の晩ご飯は、飾らない、シンプルなもの。
面白いのは、パンはお皿とお皿の間に置いて、”好きなように取ってね”式なこと。
テーブルクロス敷いてるから、別に不潔じゃないし、いろんな種類のパンが小さくちぎっておいてあると、なかなかに華やかなものです。
そしてチーズとか、生ハムとか、ワインとか、美味しい美味しい。
デザートはトリノ伝統の、チョコレートプリン。
これに、刻んだイチゴを乗せて食べます。
やっぱり、チョコレート、なんやね。
美味しいお料理と心のこもったおもてなしでした。

だけど、時差ボケと歩き疲れとで、眠くて死にそうな私たち。
本当、申し訳なかったな。
今度は万全の体調で、望もう。
ここでも、意外にも頑張ったのが我が家の”うっかり八兵衛”。
お皿を取りまわしたり、飲み物を注いだり、お皿を下げたり。
居酒屋バイト&合コンで鍛えた経験が、しっかり発揮されてました。

そして、互いに別れを惜しみつつ、トリノを後に帰ってきたのでした。

イタリア版大阪のおばちゃんに、すっかり刺激を受けた母。
『来年も行こう!!』
と、すっかりその気になっている。
そのため膝のリハビリも、もっと意欲を持って取り組むそうです。
ウォーキングもして、体力つけなくちゃね。
今度はフランスにも行きたいかな。
フランス語、まだ覚えてるか試したいしね。
だそうです。

私も、トリノならまた行きたいなぁ、と思うのでした。