とりあえず始めてみます老いじたく

ねんきん定期便をきっかけに老活してみることに

ミス・フィッシャーの殺人ミステリー シーズン2 第十一話&第十二話


出典:Netfilix.com

第十一話:放送事故
まずは、剣呑な状況から始まります。
若い女性が、何者かに殺されている。
どうやらラジオの放送局内のようです。

と、ここで場面が変わり、ミス・フィッシャー家では、ドットがラジオドラマを楽しみにしていました。
ドラマの制作に、友達のルイーザが関わっているからです。
おつきあいで、一緒に聴いているミス・フィッシャーとミスター・バトラー。

ところが、ドラマの真っ最中に、ルイーザが死んでいると誰かの声が入り、放送は中止に。
早速、現場に乗り込むミス・フィッシャーとドット。
現場にはコリンズ巡査が。
しかし、ロビンソン警部補がいません。
別件で潜入捜査をしているとか。

今回はコリンズ巡査が、現場責任者なのでした。
解決したら昇進できるコリンズ巡査、昇進したらドットと結婚できるぞ。
いつになく張り切っています。

運営者のヘイズルとジミー・クレジック夫妻は、ラジオ業界では、新進気鋭の制作者兼パーソナリティでした。
ヘイズルは、ラジオ関係の賞も受賞しています。
事務として雇われていたルイーザは優秀で、ヘイズルたちに期待をかけられていましたが、一方で、ヘイズルと対立していたらしい。

ラジオ局は、以前から脅迫を受けており、ルイーザを殺したのも脅迫者と思われました。

ここで、聞き覚えのある声が。
なんとロビンソン警部補が、アーチボルト・ジョーンズという名前でニュースを読み上げています。
頻発するラジオ局襲撃の捜査のため、潜入捜査していたのでした。
警部補って、そんな仕事していいのか?
一応、管理職じゃないのだろうか?
どうやら、当時、ラジオ局がいくつも放火や盗難で閉鎖に追い込まれており、今回の潜入捜査は、本部長からの直々の指示らしい。

ミス・フィッシャーが嬉しそうに、ロビンソン警部補をいじってます。
表立って動けないロビンソン警部補に代わって、コリンズ巡査の捜査協力をする、ミス・フィッシャーとドット。

ロビンソン警部補は、けれど、新聞屋の売り手ジョン・ロックハートとクラランス・ボールの怪しい関係を見つけ出します。
また、ジョンがルイーザの殺害時刻にラジオ局にいたらしいことも。
クラランス・ボールは、前に勤めていたラジオ局が全焼したため、移籍してきていました。
スポーツ番組を受け持っていましたが、実は内緒でジョンからの情報を暗号にして顧客に送り、裏で儲けていました。
ジョンは、競馬馬の調教師の甥だったのです。


さてルイーザの残したノートから、ヘイズルがルイーザの作品を剽窃していた疑惑が、持ち上がります。
さらに詳しい情報を得るため、コマーシャル女優となるミス・フィッシャー。
さすが、歌もお上手です。
いい声ですね。

ドットはドットで、ルイーザの代わりに秘書役をすることになります。
でもタイピングよりも、料理の方が好きそうなドット。
しかしながら、ドットは恋人のコリンズ巡査から『結婚したら、仕事を辞めて家庭に入るでしょ』と言われて悩んでいました。
当時はそれが当たり前、とは言え、仕事を辞めたくないドット。

さて、ルイーザの口や胃から新聞の欠片が見つかり、さらに奇妙な形に曲げられたフォークが、持ち物から見つかります。
何かをラジオ局の建物内に、隠していたのでは、と思ったミス・フィッシャーとロビンソン警部補。
こっそり、ラジオ局に忍び込みます。
食器棚の裏に隠し戸棚を見つけたミス・フィッシャー。
中には、新聞が。
しかし、ページが破られていました。
どうやらルイーザの口に押し込まれていたページらしい。
同じものを取り寄せるロビンソン警部補。

ジミーが、何者かの細工でマイクの感電事故を起こしかけたり、ラジオ局が放火されたり、確かにラジオ局は何者かに狙われているようでした。
ラジオの台頭を敵視する新聞社の差し金かもしれない、と本部長は疑っていたようです。
当時は結構、業界も荒くれていたのでしょうか。

放火事件の直後、放火犯と疑われたジョンが、絞殺死体で発見されます。
死体の見つかった新聞売り場で、ヘイズルのアクセサリーが見つかり、アーチボルトの仮面を外し、警察官に戻るロビンソン警部補。
しかし、ヘイズルのアリバイをジミーが証明。
仕方なく釈放するロビンソン警部補。

ここで、ヘイズルの金魚が死んでるのが発見されます。
ヘイズルの金魚は、実はルイーザの事件直後に死んでいるのが発見され、心優しいドットが新しい金魚を鉢に入れてあげたのですが、また死んでいたのです。
私が金魚の鉢を掃除しなかったから、と落ち込むドット。
何かが怪しい、と気が付いたミス・フィッシャー。
金魚と鉢の水を検査に出します。

さらに、ルイーザの口に押し込まれていた新聞を読み込んだドットが、パースでグウィネヴィア・レッドパスという女性が殺害された、という記事に気がつきます。
グウィネヴィアも、パースでラジオのパーソナリティをしていました。
そして、事件直後に夫のハリー・レッドパスが行方不明になっています。
そういえば、グウィネヴィアは、今回のラジオドラマの主要キャラクターの名前でした。
ルイーザは、自分の作品にグウィネヴィアの名前を入れて、誰かの反応を見ようとしていたようです。

さて、中断していたラジオドラマは、ミス・フィッシャーを新たに役に加え、再開。
ところが放送中に、ヘイズルが体調不良になってまたもや中断。

実は、ヘイズルは誰かに毒を盛られていました。
そして、同じ薬物が金魚の水槽に混入していました。
タリウムです。

ヘイズルは、シドニーへ移ってもっと大きい仕事をするつもりでした。
自分の後任者として、ルイーザを育てていたのです。
ヘイズル自身も、ジミーに育てられてここまで来ました。けれど、ジミーの過保護ぶりに行き詰まりを感じて、独立するつもりだったのです。


ラジオ局に戻って、ルイーザ宛に送られてきていたグウィネヴィアのラジオ番組の記録を見つけたミス・フィッシャー。
レコードから聞こえてきたアナウンスは、ジミーの声でした。

パースで、グウィネヴィアを殺害したのはジミーでした。
その後、名前を変えてメルボルンに来て、再びラジオの仕事に。
ヘイズルを育て上げますが、ジミーの束縛を拒んで独り立ちしたがるヘイズルに、毒を盛って弱らせていたのでした。
けれど、以前にパースに住んでいたルイーザが、ジミーに気がつき、グウィネヴィアの訃報を読んで、ジミーを怪しみます。
さらにジミーはヘイズルに毒を盛ろうとして、ルイーザに見つかり、とっさに、金魚の鉢に毒を流し込んだため、金魚は側杖を食らって死んだのでした。
ルイーザから、新聞記事を見せられ、詰め寄られて、思わず殺してしまったジミー。
もともとルイーザに言い寄っていて、犯行の晩もやってきていたジョンも、目撃者として殺害。
ラジオ局の放火や、感電事件は自作自演。

という結果でした。

しかしながら、ラジオ局としては主要製作者が死んだり、捕まったり、転職したりなので、やっぱり閉鎖になったのではないかしら。

ラスト、ドットとコリンズ巡査の婚約パーティーを開くミス・フィッシャー。
どうやらコリンズ巡査は、結婚後もドットが仕事を続けることに同意したみたいです。

二人っきりで、ロビンソン警部補とピアノの合奏をするミス・フィッシャー。
いつもしかめっ面で不調法ぶっているロビンソン警部補ですが、意外にに引き出しが多そうです。
アーガイル網のセーターも、似合ってましたしね。
ミス・フィッシャーも、アーチボルト・ジョーンズを懐かしんでます。






第十二話:不自然な習慣
ドットとヒューが、川辺でのんびりとデートを楽しんでいます。
新婚旅行はソレントに行こう、とかなんとか話しながら、釣りをしていると、大物が掛かった、、。
と思いきや、若い女の子の溺死体でした。

死体がカソリック教徒だ、と知ったドットは、カソリック領域の知識を元に、捜査に協力。
ドットの知識と遺品のタグから、死体の身元がわかります。

”哀れな少女たちの働く場所”と呼ばれている洗濯場でした。
カソリック教会が、運営しています。
そこでは、孤児や私生児、行く場所のない若い女性たちが、劣悪な環境で給与も与えられず、奴隷のように働かされていました。
”神の慈悲により保護されて暮らしているのだから”、というのが、建前でした。

そういえば、同じような洗濯場を舞台にしたアイルランドの映画がありましたっけ。
(映画『マグダレンの祈り』)
本来は、保護を目的としていたはずなのに、いつの間にか差別や虐待の場となってしまう、というあたり、日本のハンセン氏病患者の隔離政策と、重なるところがあります。

溺死体の名はバーナデット。

監督官のパペーチュアによると、彼女は孤児で、教会で育ち、ホテルの仕事につきましたが続かず、教会に戻ったものの、また脱走した、とのことでした。

洗濯場を観察して、教会の少女たちへの扱いが、児童虐待に当たる、と怒り心頭のミス・フィッシャーと、同調するロビンソン警部補。
しかし、なぜかそこにサンダーソン副本部長が、やってきます。
カソリック教会から、ロビンソン警部補に対して苦情がきているので、担当をカソリック教徒の捜査官に変える、というのです。
サンダーソン副本部長は、本部長に昇進していました。

ミス・フィッシャーは、プルーデンス叔母から教会とその理事会関係のつながりを、聞き出します。
プルーデンス叔母が関わる理事会で、教会が収容している少女たちの就職を支援していたのです。

プルーデンス叔母も、ジョアンという少女を雇っていましたが、行方が分からなくなっていました。
理事会にはシドニー・フィッチャーもいました。
シドニーは、ロビンソン警部補の前妻ロージーの婚約者です。
プルーデンス叔母の話から、バーナデットが仕事を勝手に辞めたり、脱走したりするような少女ではなかったと気づくミス・フィッシャー。

教会が怪しい。

と勘が働いたミス・フィッシャーは、洗濯物に隠れて洗濯場に潜り込みます。
そこで前日に会ったメアリーに、再会。
メアリーは、バーナデットの友人でした。
メアリーは妊娠していて、どうやら望まない妊娠らしい。
その上、パペーチュアに反抗的な態度を取ったことから、独房のようなところに入れられ、働かされていました。

ミス・フィッシャーはメアリーから、バーナデットがパペーチュアによって、誰か怪しい男に引き渡されたことを知ります。
さらに”脱走”前のバーナデットが独房の壁に残した暗号を読み、壁に隠したメガネを見つけます。
メガネは、行方不明になったジョアンの物でした。
バーナデットはそのメガネのツルで、壁にメッセージを刻んだのです。

しかし、独房を出たところでサンダーソン本部長に、ばったり出くわしてしまいます。
サンダーソン本部長に、これは捜査妨害だ、と脅されるロビンソン警部補とミス・フィッシャー。

コリンズ巡査が横流ししてくれた検死結果を見て、バーナデットが溺死であること、肺に紅海に特有の藻が混入していたことを知ります。
バーナデットが発見された川は、流れが複雑で湾からの流入があります。
さらに海外からの船が、重りとして積んできた海外の海水を破棄する場所でした。
それでもおかしい、ミス・フィッシャーはセスやバートを使って、海外船籍の船を探します。

さらにバーナデットの残したメッセージから、デヴォアがベルギー人デヴォアという船長が、紅海からの船に乗って来ていることを突き止めます。
船に潜り込むミス・フィッシャー。
おしゃれなツイードのロングコートに、ハイヒール。
良いのか、その出で立ち?

積荷を調べていると、バーナデットが船にいた証拠を見つけます。
さらに調査を続けたいけど、担当を外されているロビンソン警部補。
自宅でお茶会を開き、理事であるプルーデンス叔母とシドニー、ローズに協力を依頼します。
どうやらデヴォアは、密輸をしているよう。

シドニーは、船の雇い主リストを当たろう、と協力を申し出ます。
サンダース本部長に配慮しつつ、ロビンソン警部補に協力的なシドニー
婚約者のロージーの顔も立てて、そつがない。
そういえば、シドニーメルボルンの港湾管理をしているのでしたっけ。
ローズは、ミス・フィッシャーが差し出がましい、と嫌味を言って去っていきます。
ところで、なんでこの場にローズがいるの?
と、プルーデンス叔母さんも思ってるみたい。
ロビンソン警部補に、まだ未練でも?
やけにミス・フィッシャーに敵愾心を見せてます。

ところで、メアリーの境遇に同情したミス・フィッシャーは、密かにメアリーを脱走させて、自分の家に匿い、プルーデンス叔母の元に送り込みます。

さて、船が夜中に出航してしまう恐れがある、と知って強制捜査しようとするロビンソン警部補。
ところがサンダーソン本部長に止められ、指揮権を奪われます。


ミス・フィッシャーは、ロビンソン警部補に『危険だから、船には近寄らないように』と釘を刺されますが、いうことなんか聞くわきゃない。
セスやバートと船に忍びこみます。
今回は、黒ずくめのパンツスーツ。
忍び込んだ船で、なんと行方不明になっていたジョアンを発見。
ジョアンを車に保護して、ほっとしたのもつかの間、船の乗組員たちに一網打尽にされてしまう、セス達一行。

ミス・フィッシャーは、ジョアンと共に監禁されていた少女達を救うために、船に残って単独行動していました。
ところが、やってきたシドニーに見つかってしまいます。
裏にいたのは、シドニーでした。

事件から外されたロビンソン警部補は、しかし、コリンズ巡査と独自に捜査を続け、船主である会社名を調べて、気がつきます。

サンダーソン本部長が船の強制捜査に乗り込もう、というところに駆けつけ、サンダーソン本部長の『免職にするぞ』の脅しにも屈せず、強引に捜査に同行するロビンソン警部補とコリンズ巡査。

ミス・フィッシャーが、船にいた形跡を発見。

なんとサンダーソン警部補も、グルだったのです。
囚われていたミス・フィッシャー達を、解放するロビンソン警部補。
乗組員と乱闘になるセス達。
コリンズ巡査の危ないところを助けるドット。
帽子を気にしつつも、頑張っちゃってます。

ついに、一味を逮捕。
シドニーは、白人で金髪碧眼&処女の少女達を、”白金”と呼んで高値で取引する人身売買を行なっていました。
寮長パペーチュアは、教会の為にとシドニーに協力していたのです。
バーナデットは、ジョアンたちを助けたくて教会に戻ったものの、結局、パーペチュアが裏にいたとは知らず、また捕まって殺されてしまったのでした。

パーペチュアの言い分は、この少女達は、元々が私生児だし娼婦の産んだ子供だから、すでに罪にまみれていて神の加護に値しない、だったら高値で売って、その利益で教会を盛り立てるべき、というものでした。
当時は、そういう考え方があった、ということなのでしょうか。

シドニーは、シーズンの第一話で出てきた、娼館のマダムがコレクションしていた”高官達の弱みを握るための証拠品”を、買い取った裏幕でした。

確か第一話の最後では、『例えばシドニーには”そんな頭”はないよね』とミス・フィッシャーにディスられてましたけど、黒幕はシドニーだったのですね。

サンダーソン本部長は、前任者の退職(=自分が後釜)を得るため、シドニーの所業を薄々感づきながらも、陰ながら協力していたのでした。

全てを知って、パニック状態のローズ。
何しろ、婚約者は人身売買、少女買春の犯罪者の上、殺人者。
そして父親は、その協力者。

腕の中でさめざめとロージーに泣かれてる、ロビンソン警部補。
元サヤに戻るんか、とちょっと寂しげなミス・フィッシャー。
でも、ロビンソン警部補はミス・フィッシャーを選んだみたいです。
『君と一緒のする捜査を楽しみにしている』
なんて言いにわざわざ家まで来ます。
確かに、ミス・フィッシャーが関わる事件は、ロビンソン警部補の扱う案件のごく一部のはず。
意外と、いつも一緒にいるわけじゃないのね。

さて、ミス・フィッシャー達が大立ち回りをしている間に、メアリーが産気づき、思わぬところで産婆役をすることになった、プルーデンス叔母さま。
赤ん坊が無事誕生し、なんだか、おばあちゃん気分満喫。
メアリーとジョアンは、プルーデンス叔母の元で働くこととなり、こちらもめでたしめでたし。