とりあえず始めてみます老いじたく

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ミス・フィッシャーの殺人ミステリー シーズン2 第一話&第二話


出典:Netfilix.com


第一話:百鬼夜行殺人事件
ミス・フィッシャーシリーズ。
何気にシーズン2に突入しております。
今度はなんと、ロビンソン警部補の元義理のお父さんが被疑者に。
副本部長の自宅で、いわゆる出張ホステスさんが、意味深な死体で発見され、外聞をはばかる事件か、と思われました。
副本部長は、厳格な人物で有名。
街の風俗浄化に邁進していた人でした。
ロビンソン警部補が、元妻から特別に依頼されて現場に向かうと、そこにはお約束のようにミス・フィッシャーが。
ミス・フィッシャーは、死んだラヴィニアの親友で同僚のローラから依頼されたのでした。
そして、ローラは実はドットの姉。
子沢山で貧しいカソリックの実家を嫌って、手っ取り早くお金を稼げる道を選んだローラのことを、ドットは恥ずかしく思っていました。
そんなドットに、ミス・フィッシャーがローラの選んだ道も女性として仕方ない部分もあるよね、と言うシーンがあって、ミス・フィッシャー、どこまでもリベラルです。

さて、義父への義理もあり事件を担当するロビンソン警部補。
世間の矢面に立たされます。
表が厳格な人って、裏では禁じられた欲望でいっぱいだったりして。
と、そっち方面にほとんど抵抗のなさそうなミス・フィッシャーも、義父ジョージの犯人説を唱えてます。
肝心の副本部長ときたら、お酒のんで意識をなくしており、一切の記憶がありません。
『いつもの寝酒を飲んだら、眠くなって記憶がない』
の一点張り。
おまけに、腕についている傷を見て、
『記憶がないけど、証拠が揃ってるからには私が犯人なんだろうな』
とか言い出すし。
実はラヴィニアは、死の直前に抵抗して犯人の腕に引っかき傷を作っていました。
爪の間に人間の皮膚が挟まっていたのです。
当時は人の皮膚、ということくらいしかわからなかったみたい。
それが確定証拠となります。

四面楚歌のロビンソン警部補。
新聞には有る事無い事書かれるし、署の前では市民が抗議集会をやってるし。
深夜に署を出たら、怪しい男に襲われちゃうし。
本部長からも、プレッシャーをかけられつつもラヴィニアの職場インペリアル・クラブに赴きます。

一方、ミス・フィッシャーは、捜査のためセビリアから流れてきた踊り子ルル・ロリータに扮して潜入。
羽踊り、というジャンルがあるんですね。
なんだかんだ言って、まんざらでもない顔で眺めているロビンソン警部補。
ドットやコリンズ巡査は、お目目パチクリ。

さて、副本部長のお酒の瓶には大量の麻薬が仕込まれていました。
検死の結果、ラヴィニアはお酒を飲んでいなかったことが判明。
そこで、もしかしたら副本部長ははめられたのかも、と疑うミス・フィッシャー。

潜入捜査と依頼人ローラのおかげで、ラヴィニアが敬虔なカソリックで、若くてイケメンの司祭から教えを受けて、足を洗おうとしていたことがわかります。
ついでに、ローラがドアマンのモーリーと恋仲でだってことも。

やがれ、インペリアル・クラブのオーナーである、マダム・リオンが、店の女の子を使って政府の高官や政治家の弱みを握るための証拠を、集めて隠していたことが判明。
深夜、マダム・リオンのオフィスに忍び込むために、単独黒装束でやってくるミス・フィッシャー。
良いけど、なんでハイ・ヒール?
ところが、問題の証拠品たちは警察の手入れのどさくさに紛れて、ラヴィニアが持ち出していました。
イケメン司祭に渡すつもりだったのです。
しかし証拠品は、イケメン司祭にも渡っていませんでした。

どこに行った?

さらに、副本部長の家に事件の前日、電力会社の検査員を名乗る男がやってきていたことが判明。
副本部長の寝酒に薬を仕込んだ、と思われました。
さらに、ミス・フィッシャーの推理で副本部長の書斎の密室トリックも解明。
さらに、ラヴィニアの爪から採取された皮膚には刺青の染料が含まれていたことも判明。
副本部長は、無事解放されます。

イケメン司祭の話から、実際にアリバイがなかったのはドアマンのモーリーと判明。
モーリーは、以前の警察の手入れの際に兄が銃殺されたのを恨みに思って、副本部長をはめたのでした。
さらに、ラヴィニアの持っていた証拠品の箱を手に入れたのです。
モーリーの後を追って、造船所に行くロビンソン警部補とミス・フィッシャーたち。
追い詰めたモーリーは、ラヴィニア殺害を告白しますが、証拠品の箱は誰かに売られた後でした。
ポケットに入っていたお金を取り出だそうとした瞬間、銃声が響き、胸に一発、モーリーは即死。
撃ったのは、本部長ジョージでした。
『彼が銃を取り出そうとしたんだと思って』
と言い訳しますが、なんか怪しいな。

今回、殺人事件はドアマンによる私恨だったわけですが、それにしては手の込んだやり方に、誰か裏で糸を引いている人物がいるのではないか、とミス・フィッシャーは疑います。
問題の証拠品は行方不明だしね。

ロビンソン警部補は、今回、義理のお父さんの冤罪に関わって大変な上に、元妻は離婚成立早々、さっさとお金持ちの実業家と再婚しちゃうし、とそれどころじゃない様子。

というわけで、シーズン2の始まり始まり。

第二話:降霊術
ミス・フィッシャーの家で、降霊術が開かれます。
コナン・ドイルがハマってたことで有名ですが、当時の降霊術は、それほど怪しげなものとは思われてなかったよう。
アガサ・クリスティの作品にも使われてます。
(彼女は、詐欺の一種として扱ってますけど)

ミス・フィッシャーのプルーデンス叔母が、名付け子ローランドの霊を呼び出し、同じ部隊にいたフレディの記憶を蘇らせるために、催したのでした。
フレディは、ローランドが戦死した戦闘で英雄的行動により、叙勲されることになっていました。
部隊のほとんどが戦死した、ソンムの戦いで指揮官であったローランドを銃弾の飛び交う中、救出したのでした。
残念ながら二人が安全地帯についた時、ローランドは亡くなっていました。

ところがフレディは戦争神経症による記憶障害を患い、その戦闘についての記憶をなくしていました。
さらに、マスタードガスによる呼吸不全、心不全に苦しんでいました。
フレディはローランドと旧友で、戦争中は同じ部隊に所属。
フレディの妻モーリーは、元はローランドの妻でしたが、ローランドの戦死後フレディと結婚していました。
モーリーとフレディ夫妻の世話をしているのが執事であるラリー。
ラリーは、モーリーに幼少時から仕えていて、半分モーリーの保護者のような存在でした。

降霊術の最中、フレディが錯乱発作を起こし、降霊術は中止に。
具合の悪いフレディのため、宿を提供するミス・フィッシャー。
霊媒のボルコンスキー夫人とマネージャーのワーウィック・ハミルトンも一緒です。

さて、ミス・フィッシャーたちが、ローランドからの知らせがないかと、ローランドのお墓に行くと、墓守が殺されていました。
誰かが墓を荒らしていたようです。
捜査を担当しているのは、ロビンソン警部補とコリンズ巡査。

やがて、ローランドが戦死したソンムの戦いのことが明らかになります。
ローランドは、実は人格的にも問題のある人物で、彼の明らかに誤った指揮のもとソンムの戦いは行われ、多くの兵士が無駄死にしたのです。
フレディは、もしかしたら自分が義憤かられて殺してしまったのかもしれない、という疑いが拭えず、再度降霊術を行います。

霊媒師ボルコンスキー夫人は、ローランドの霊を呼び出す際に、何度も『バジルもここいいるよ』と言います。
またもや錯乱状態になるフレディ。
ボルコンスキー夫人から、魂を救うために必要、と与えられた薬を飲み、フレディは心臓発作を起こして亡くなります。

その頃、ミス・フィッシャーは、マネージャーのワーウィックといい感じに。
暗い過去のあるイケメンを見ると、手を出さずにはいられないのでしょうか。
そこで、ワーウィックの双子の兄が、ソンムの戦いで亡くなっていることを聞き出します。

でも、フレディ殺害の犯人がワーウィックだとしても、ローランドの死にはどう関係があるの?
そこで、ローランドの墓からローランドの銃が盗まれていることが判明。
さらに、ローランドの死因となった頭部の銃創から、ローランドはドイツ兵の銃で殺されたのではなく、自分の銃で撃ち殺されたことがわかりました。

さて、担架兵という存在がここで表に出てきます。
良心的徴兵拒否、という存在があったのですね。
宗教的理由から、銃を持つことを拒否しながらも看護兵として従軍した人たちです。
最近、映画になってましたっけ。

さらに付き添い人、という存在。
当時上流階級の従軍には、身の回りの世話をする人がいたようですね。
彼らは戦闘員には、カウントされていなかった。
フレディしか生きて帰ってこなかった戦闘、と言われてますけど、担架兵とか付添い人はカウント外だったのですね。

ローランド殺害の犯人は、当時ローランドの付添い人だったラリーでした。
上流階級の習わしで、勧められるがままにローランドと結婚したものの、暴力的なローランドにモーリーは苦しんでいました。
ラリーは、ローランドの世話をするために戦地にいたのですが、もちろん戦線に加わることはなく、激しい戦闘の混乱に乗じてローランドを射殺。
都合よく、フレディは同じ戦場にいたバジルを見殺しにした呵責から記憶を失っていました。
担架兵は、前線から離れたところにいたので、一部始終を見ていたわけではなかったのです。

プルーデンス叔母がフレディの叙勲運動を始めたために、フレディの記憶が戻り始め、ローランドの死体が調べられれば、ラリーの犯罪がわかってしまいます。
墓がを荒らして銃を取り出そうとしていたのは、モーリーでした。
夜半に墓場に入り込んだモーリーを怪しんだ墓守を誤って殺してしまったのはモーリーだったのです。

そしてフレディに毒を持ったのは、なんとボルコンスキー夫人。
夫人は、霊媒としてバジルの霊と接触
フレディがバジルを見殺しにしたこと、復讐を望んでいることを知り、バジルの代わりに復讐したのでした。

というわけで、霊媒や霊界との意思疎通について、完全に否定しないままに事件は、解決。

三通りの殺人が、それぞれに起きていました。
という、今回はなかなかに複雑なお話でした。

『幽霊なんか信じない』(カソリックの世界には存在しないらしい)というドットが、セスやバートのいたずらにまんまと引っかかったりして、ちょっと可愛い。

担架兵や付添い人という人々とか、ソンムの戦い、について、なかなかに勉強になった回でした。