とりあえず始めてみます老いじたく

ねんきん定期便をきっかけに老活してみることに

ミス・フィッシャーの殺人ミステリー 第8話&第9話


出典:Netfilix.com



第8話:妖精とともに去りぬ
今回は、出版社が舞台。
女性向け雑誌を発行している出版社。
マルセラ・ラベンダーとミス・フィッシャーの元恩師ジョージナ・チャールズワースが経営しています。
人気作家のラベンダーが、急死します。
出版社に駆けつけるも、またもやロビンソン警部補達につまみ出されるミス・フィッシャー。
しかしラベンダーの原稿入手を恩師に依頼され、事件の捜査に乗り出します。

出版社は、嫌がらせを受けていました。
女性が経営・発行しているせいとも、料理のレシピやガーデニングの記事に紛れて、女性の進学や独立を促す記事を載せていたせい、とも思われました。
さらに被害者のラベンダーは、冷たい性格で他のスタッフからも嫌われていました。
雑誌の人生相談欄をラベンダーが、アルテミスというペンネームで担当していたことを知り、逆恨みした読者の犯行かもしれない、と目星をつけたミス・フィッシャー。
過去の投稿をチェックするためと、ラベンダーの不在を隠すための代役としてドットを起用します。

敬虔なカソリックのドットが、持ち込まれる様々な女性の相談事を読まされて、どんどん表情が暗くなっていくのが可哀想。
真面目なドットは、それでも、ミス・フィッシャーの期待に応えようと頑張ります。
健気やなぁ。
何しろミス・ラベンダー著作のかなり少女趣味な小説のファンだったりと、まだまだ夢見る乙女なドット。
けっこうなストレスになってそう。
一方で、ドットの手伝いに駆り出されたコリンズ巡査は、ちゃっかり投稿のふりをして、自分の恋愛をドットに相談しちゃってます。
やるじゃん。

出版社の手伝いをしつつ、捜査を続けるミス・フィッシャー。
やがて、同僚のミス・プラウトが殺されます。

生前のラベンダーがボツにした記事から、イタリア移民のジョン・ベルが、実は戦時中にドイツ軍のスパイとしてイタリア空軍にいたことが判明。
口封じのため、ラベンダーとプラウトは殺されたのでした。
ラベンダーは、ジョンに自首を勧め、パイロットに配布される青酸カリのカプセルを利用して、オルゴールのトリックで殺されたのです。
そしてミス・プラウトは、金銭目的にベルを脅迫したため殺されたのでした。

どうでもいいんですけど、青酸化合物って酸化しやすい。
戦後10年も経っていたら、劣化していて実用に耐えなかったのでは?

ところで、第6話でミス・フィッシャーといい感じになっていた華僑のリン。
実はミス・フィッシャーとまだ続いておりました。
上海からの婚約者の実家と、リン家の祖母とが揉めている、とのことで、そもそもが気の進まない政略結婚だし、とこれ幸いとミス・フィッシャーの家に入り浸るリン。
面白くなさそうなロビンソン警部補。
なんだかんだ言って、仲良く一緒に推理してたりと、最近はいい感じなってるのにね。

ところがリンの婚約者カメリアは、実はある共産主義者と一度結婚していて、上海で夫が刑死したため、実家が厄介払いを兼ねて婚姻話を進めていたのでした。
未亡人でおまけに自分の意見を持っている嫁など、願い下げのリン家のゴッド・マザー。
しかし、ここで実家に返されてしまえば、政略結婚にも使えない駒のカメリアは殺されてしまいます。
この辺り、中国の上流階級は娘にも冷酷、という設定です。

リンはカメリアを、ミス・フィッシャーの家に匿うことをミス・フィッシャーに依頼します。
なんか都合いいぞ、こいつ。

祖母の差し金で、本国に強制送還するため誘拐されたカメリア。
救出に向かうミス・フィッシャーときたら、またもやアイボリーのコートにお揃いのサファリハット。
もちろん足元はハイヒール。
汚れるかも、という発想はないのか?
カメリアを救うため、カメリアとあえて結婚することにするリン。
ミス・フィッシャーとは終わりにします。
こういう時、あっさり別れちゃうミス・フィッシャー。
カメリアをチャールズワースに紹介したりも、しちゃってます。

ドットは、新しい編集長兼発行人となったチャールズワースから、記者としての仕事をオファーされますが、ミス・フィッシャーの世話をする方を選びます。
確かに他人の人生相談より、そっちの方が楽しそう。




第9話:花の女王
今回のミス・フィッシャーは、養子にしたジェーンの通う女学校の生徒に、行儀作法を教えるボランティアをしています。
ジェーンの通う女学校が、学校主催の慈善事業の一環として経済的に貧しい階級の少女たちと、市長との会食を予定したのでした。
選ばれた少女たちは”花の乙女”として、祭典の主役も勤めることになっていました。

ところが、選ばれた四名のうちやってきたのはマリーンとジェーンのみ。
キティとローズが遅れていました。やっと現れたローズは市電に乗り遅れたと言い訳をしますが、靴が汚れている。
しかもキティは現れず、仕方なくお食事のマナーとダンスの教室の代わりに、お散歩に切り替えるミス・フィッシャー。
海辺を散歩していると、キティの溺死体を発見。

今回、ロビンソン警部補は、被害者と他の関係者が思春期の少女たちであることから、とっととミス・フィッシャーのお手伝いを依頼してます。
最近、すっかりミス・フィッシャーを相棒扱いしていますね。

選ばれた四名の少女は、ローズ、キティ、ジェーン、マリーン。
ローズは元は大金持ちでしたが、両親を亡くし、祖父が賭け事で破産したため、経済的に困窮していました。
そのせいか、自傷行為や放火癖があり、自宅を放火した経歴もありました。
キティは、ローズの家の洗濯婦でしたが、事件の少し前に首になっていました。
ジェーンは孤児院出身。
ミス・フィッシャーに保護されるまで、スリの親方の手先をさせられてた。
マリーンはどういう出自か不明ですが、盗癖がある。

ここに、市長の甥デリックが関わってきます。
彼は少女たちのダンスレッスンの手伝いをしていたのですが、マリーンとキティはデリックを競って争っていました。
現場から見つかったキティのバッグから、粉々になったコースターが見つかります。
コリンズ巡査の代わりに、パズルのような破片を組み立てたのは、手先の器用なドット。
こちらも、なかなかいい感じです。
そしてキティが妊娠していたことが、判明。
しかもキティは、産むつもりだったらしい。
やがてキティが海辺のコテージ(?)に、暮らしていたことがわかります。
その上、デリック以外にも男性がいたらしい。
誰かの囲われ者?
何かを知っているらしいローズ。
しかし、彼女も薬を飲まされて死にかけます。

犯人はデリックではなく、市長でした。
市長は、実はロリコンで、ローズの祖父への経済的支援の見返りにローズと関係を持っていました。
さすがにまずいと思ったのか、ローズの祖父は市長の興味をそらすためキティを雇い、キティをローズの代わりにしたのです。
市長が担保したデリックのアリバイは、自分のためのアリバイでもありました。
キティは、妊娠を機に市長を脅迫したのです。

さて、事件の捜査が進む中、ジェーンの母親を名乗る女性が現れます。
彼女は教養ある女性でしたが、精神疾患があり、妄想がひどくなり病院へ収容。
そのため、ジェーンは孤児院に入れられていたのです。
ジェーンは母親に会いに行きますが、妄想がひどくなった母親に閉じ込められ、無理心中させられそうになります。
危ういところで、救出に入るミス・フィッシャーとロビンソン警部補。
何気にロビンソン警部補、格好いい。
ドア蹴破ってるし。
屋根から落ちそうなジェーンのママを、颯爽と抱えてくるし。
精神状態が悪化して、治療施設へ行くことになる母親。
当時の統合失調症患者への扱いを考えると、心が痛い。
時代は違いますが、ラッセル・クロウ主演の『ビューティフルマインド』を観るといい勉強になります。

ミス・フィッシャーはジェーンの気持ちを考えて、母親の親権はそのままに、ジェーンの保護者になることにします。
法的にどう違うのかよくわからないのですが、それでも良いのかな?