とりあえず始めてみます老いじたく

ねんきん定期便をきっかけに老活してみることに

尊厳死協会 リビングウイルファシリテーター養成講座 番外編


参加はしたものの、何が何だかいまだによくわからない、尊厳死協会主催の『リビングウイルファシリテーター養成講座』。

会場および宿は、武雄温泉ハイツという、温泉宿でした。
行く前に同僚の一人と話をしていたら、
『あ、俺、そこに中学校の修学旅行で泊まった記憶があるわ』
と言ってましたっけ。

駅からタクシーで15分ほど山奥に入ったところに、ありました。
なかなかに昭和な建物。
同僚の中学時代から変わってないのではないだろうか?

お部屋は、まさかの相部屋。
それも四人部屋。
『こんなの高校の修学旅行以来だわ〜』
とぼやいたら、同室の方達も同意見。
皆さん、お仕事を持っている方達ですから、出張で色々なところに泊まるけど、
『大抵は個室だよね〜』
と言ってました。
まあ、結論から言うと、案外、楽しかったのですけど。
ちょっとした女子会状態で。

相部屋の一人は、通訳をしている方でした。

母とともに、米原万里のファンなので、著作はほとんど読んでいて、どんな仕事なのか興味を持っていましたが、本物に会ったのは初めて。
『私たちの仕事って、所詮は一匹オオカミ』
『いまやった仕事の出来で、次が決まる』
とか
『オファーがあれば、どこへでも行きますよ。それが仕事ですから』
とか。
なんか話す言葉が、一つ一つ、すごく格好いい、です。

九州エリアは、通訳をする人が少ないので、声をかけてもらえることが多い、とおっしゃってましたけど、実力で仕事をしてきた、と言うオーラがすごい。
通訳をしている人は、常に顔の筋肉を使うし、頭も使うので老化しにくい、と言う話は聞いていましたが、50年代の生まれと言われてびっくりなほど、若々しい。
通訳の傍、教育関係の活動もされていて、今回の講習会はそっちのつてで、誘われたそうです。

通訳って、ただ言葉を置き換えるだけではなくて、その分野ごとの業界用語とか、言葉の使い方にも通じておかなくてはいけないし、もちろん分野ごとの基本的な知識も必要だそうです。
通訳の仕事の前には、膨大な資料を読み込んでおかないといけない。
大変だな〜。

他にも、ヨーロッパの王族の方からよくオファーを受ける、と言う話。
ヨーロッパの王族は皆さん、流暢に英語を使われるので、通訳は英語で良いそうなのですが、ヨーロッパの上流階級の英語はいわゆるブリティッシュイングリッシュ。
アメリア英語は嫌われるそうです。
ところが今時の通訳士のほとんどは、アメリカ留学経験者で、イギリス英語を話す人が少ないのだそう。
それで、彼女にご指名がくるのだそうです。
同じ英語でも、彼らにとっては全然違うのですね。
思うに、『東京弁は耳障りなんで、京都弁で話せる人をお願いします』みたいな感じなのかな。

舞い上がって、どうでもいいようなことばっかり尋ねていたような気もする。

ちなみに、佐賀県はインバウンドによる収入アップを狙って、他の自治体にはないユニークな取り組みをしているそうです。

そういえば”わらしぼ”の広告動画はすごく面白かった。
うなぎを女子高校生に見立てる、という安易な発想のせいで、とんだ猟奇的な内容になって炎上した、どこぞの自治体動画とは大違いです。

他にも、例えばタイのテレビ局と提携して、ドラマのロケ地として提供している。
日本でも、韓流ブームの時におばさまたちが、聖地巡礼で韓国にどんどん旅行してたけど、その日本&タイバージョン。
その効果で、タイから団体でたくさん観光客がくるそうです。
(テレビでも取り上げられてましたっけ)
私たちが泊まった宿も、そうした外国からの旅行者を主にターゲットにしているので、個室よりもあえて団体客が泊まりやすい相部屋にしているらしい。

温泉も、鹿児島県人から見ると、ちと物足りない気がしますが、聖地巡礼が目的の人には、これで十分なのかも。
お風呂より、ロケ地を見にきてるんですから。
そして、朝ごはんが豪華。
コーヒーは、ちゃんと豆から挽いて抽出するコーヒーマシーンが導入されているし、豆もいいものを使用している。
お金をかけるところと、かけないところのメリハリがはっきりしている、と思いました。
こう言うところ、鹿児島も見習うべきだよな。

講習会はなんだかよくわからなかったけど、通訳士さんの話はすごく面白かったので、総じていい勉強になった出張でした。

ちなみに、通訳士さんも
尊厳死協会』って語感が悪い気がする。
リビングウイルとか、ACPとか、もう少しわかりやすい言葉にした方がよくないかな。
と言ってました。
大いに同感。
いくらいい考え、概念でも、言葉が悪いと広がらないよな、と思います。
とにかく、この横文字と略字をなんとかすべき、だよな。