とりあえず始めてみます老いじたく

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ミス・フィッシャーの殺人ミステリー シーズン3 第八話


出典:Netfilix.com

いきなりですが、最終回です。
少々、マンネリ化してきつつあったとはいえ、なかなかに楽しかったのですが。
何か大人の事情でもあったのでしょうか。

最終回、パパ・フィッシャーが再登場。
以前にコンシェルジュ殺害事件で、ロビンソン警部補が病院送りにしていた謎の”英国人”も。
そういえば、ロビンソン警部補に殴られて入院していたんでした。
頭を殴られても、主要登場人物は後遺症もなく復活。
というのが、このシリーズのお約束。
パパとの謎の関係が、明かされます。

さて舞台は、レン研究所の講堂。
特許で財を成したレン博士が、私財を投じて作った研究所で、世界的な科学者に研究環境を提供し、更に優秀者には高額な賞金を支払っていました。
ちょっと、ノーベル賞ぽい?
ある科学者の授賞式が、行われています。
そこに、オリアリー司祭が乱入。
ドットの通う教会の神父様ですが、激おこ状態で『科学は神を冒涜している』と議論を持ちかけ、つまみ出されています。
なかなかに、血の気の多い方のようです。

時を同じくして、例の”英国人”が脱走。
新聞記事を見て、何かを思いついたらしい。
脱走時に、看護師と警護の警官を襲って殺し、警官の制服を奪っています。
”英国人”脱走の知らせを、自宅でロビンソン警部補から受けるミス・フィッシャー。
明日には、パパが出航するのにと、珍しく困ってます。

”英国人”が脱走時に見ていた新聞記事から、脱走の原因はレン研究所か写真に写っていた三名の科学者に関係がありそうでした。

そこにレン研究所にいるコリンズ巡査から、連絡が入ります。
殺人事件です。
殺されていたのは、受賞者のトード博士でした。
天文台で倒れていました。
傍には、詩文の書かれたメモ紙。
さらに女性物の腕時計。
裏には『Remember』の文字が。

聞き込みをする、コリンズ巡査とドット。
もうすっかりバディの関係。
警備員から、奇妙な話を聞きます。

トードの身体が青く光っていた。
宇宙人が魂を抜き取ったのだ、と思う。
それに頭だけが光っていた不思議な黒衣の人を見た。
あれが宇宙人だ。
と言うのです。
なんのことやらさっぱり、な一同。

残された詩篇のメモから、オリアリー司祭が浮かび上がります。
確かにオリアリー司祭は授賞式の後、トード博士にまた議論を挑み、怒りのあまり殴りつけていました。
『ちょっと殴っただけなのに、すぐ倒れて。立ち向かおうともせずに、逃げて行きおったわい』
と、なんとも喧嘩っ早い司祭です。
とりあえず、過失致死の疑いで拘束されてしまうオリアリー司祭。
この神父様に、結婚式の司会をお願いしていいのかしら?
不安になるドット。

さらに、”英国人”が研究所に来ていた証拠が見つかります。
やっぱり、何かしらの関係がある。

そこに、どこからともなくエキゾチックな楽曲が聞こえてきます。
研究所のゲストルームに滞在している、トルコ人研究者オスマン・エフェンディでした。
彼はトード博士が亡くなったことで、繰り上がりで化学賞を受賞することになっていました。

さてエフェンディは、オスマン帝国の王族の一人でした。
持っていたティーセットから、身分が判明します。
彼は、トード博士の受賞式で、トード博士が彼のデータを剽窃した、と弾劾していました。
その上、脱走した”英国人”と関係がありました。
”英国人”はデニズチェと言うトルコ人水兵で、戦時中に知り合い、命を助けられたのだそうです。

一方、ミス・フィッシャーの自宅に軟禁状態のパパ・フィッシャーに”英国人”デニズチェから、内緒の手紙が来ます。
一人で家を出るように、指示され、見張り番のバートを薬を眠らせると、こっそり家を出るパパ。
早速、潜伏していたデニズチェに誘拐されます。

パパ失踪の知らせを受け、慌てて家に戻ったミス・フィッシャー。
手がかりを探して荷物を探ると、ママ・フィッシャーからの手紙が見つかります。
そこには『今度の船に乗っていなかったら、離婚する』と言う最終通告。
落ち込むミス・フィッシャー。

そこに教会に行ったコリンズ巡査から、連絡が。
オリアリー司祭が、光っていたのです。
オリアリー司祭は、トード博士の死因が毒殺によるものとわかって釈放されていました。
神父は『神の奇跡だ』と大喜びですが、コリンズ巡査は他に原因がある、と推理。
そして『トード博士の目が光っていた』と言う警備員の話や、オリアリー司祭の服が光っていることから、トード博士の持っていた目薬に、何か毒が仕込まれていたのではないかと推測。
オリアリー司祭に殴られた時に、その目薬がオリアリー司祭にかかり、それでオリアリー司祭も光ったのです。
目薬は、研究所の中庭のどこかに落ちているのでは、と推理したコリンズ巡査たち。
コリンズ巡査を手伝って、研究所の庭を探すミス・フィッシャーとロビンス警部補。

『パパを怒鳴りつけちゃった、もう会えなかったらどうしよう』と落ち込むミス・フィッシャーを慰め、満天の星空の下、いい感じになる二人。
そこで、目薬が見つかります。
確かに青く光っていました。

トード博士の目も光っています。
そこから、トードの死因はポロニウム被曝であることが判明。
研究所のポロニウムが、何者かに持ち出されていました。
鍵を持つのは研究者たち。
エフェンディ博士も持っています。

それにしても、わざわざポロニウムに被曝させて殺すなんて、そんな面倒くさくて回りくどいことを何故?と不思議に思ったミス・フィッシャー。
トード博士の研究に、ポロニウムが関係していなかったかどうか、ドットに調べるよう指示を出します。

そこにエフェンディ博士から、デニズチェが誰かを誘拐して隠している、と電話が。
エフェンディ博士は、戦時中デニズチェに命を救われて恩があったため、彼の潜伏場所を知りながら隠しており、密かに援助もしていました。
が、どうやら凶暴な犯罪者になっていると知り、不安になったのです。
しかし場所を言う前に、あとをつけてきたデニズチェに殺されてしまいます。
犯罪現場に書き残したメモから、潜伏場所を発見したミス・フィッシャーとロビンソン警部補。
しかし、パパとデニズチェはすでに居ませんでした。
残された化学賞の賞金の記事から、パパがデニズチェを買収しようと、研究所の賞金を盗みに行った、と推理。

ついでに、デニズチェが実はトルコ兵ではなく、英国人でおまけになんとパパの従兄弟で、前のリッチモンド男爵ユージーン・フィッシャーと判明。
戦死したと思われていましたが、実は生きていたのでした。
こいつは大変だぁ、と研究所に急行する一行。

研究所では、折しもドットがトード博士の研究についての資料を読み込んでいました。
そこに、デニズチェもとい、ユージーンとパパがやってきます。
パパに金庫を開けさせて、賞金を奪うつもりでした。

ユージーンに発砲されるドット。
ミス・フィッシャーたちが、際どいところでユージンを取り押さえ、無事逮捕。

助かったけど、落ち込むパパ。
船に乗りそびれたから、このままではママから離婚されちゃいます。
そこで、代案として『私が飛行機で送ってあげる』と言い出すミス・フィッシャー。
パパはああ見えて、実は飛行機恐怖症らしい。
めちゃくちゃ嫌がってます。
嬉しそうなミス・フィッシャー。

無事ではあったけど、撃たれて死にかけたドット。
もうこうなったら、さっさと結婚しちゃいましょ。
ミス・フィッシャーも、明日の朝にはイギリスに行っちゃうし。
と言い出すドット。
ここからはコマ送りのように大急ぎで、話が進んでいきます。

まずはオリアリー司祭に『科学は神の御技の一つ』で人類の発展に役立っている、と説得に行く、コリンズ巡査。
カソリックに改宗する際に、読まされた預言書からそれらしい部分を、ピックアップして説明に必死。
頑固で喧嘩っ早いけど、納得したら割とすんなり受け入れるオリアリー司祭。

ところで、カソリックプロテスタント
同じキリスト教かと思うけど、微妙に違う。
プロテスタントは聖書だけですが、カソリックでは聖伝(伝承や言い伝え)も教典に含めるそう。
なので、プロテスタントからカソリックに改宗するには、足りない分の参考書を、お勉強しておかないといけないのですね。

ともあれ超特急で、結婚式をあげるドットとコリンズ巡査。
もう立会人は、ミス・フィッシャーご一家だけ。
劇的に可愛い、ドットのウエディング姿。

翌朝、飛行機に乗り込むミス・フィッシャーとパパ。
見送るロビンソン警部補。
なんか、お互いの言葉で愛を告白し合う二人。


しかし、あんな軽装備の飛行機でイギリスまで飛んだのでしょうか?
途中で給油もしないといけないだろうし、なかなかにハードでサバイバルな旅になりそうです。
パパがお気の毒です。

ここで、パパ・フィッシャーとミス・フィッシャーの生い立ちを、ちょっとまとめてみました。
ミス・フィッシャーが、最初の方でプルーデンス伯母様から、”Onalable”ミス・フィッシャーと呼ばれています。
その後も、時々、格好つけたい場面では自分でも名乗ってる。
これは、爵位を持った人の娘にしか使えない称号、だそうです。
プルーデンス伯母様も、相当にお金持ちですが、Onalableは付かない。
でも、ミス・フィッシャーは子供の頃はお金で苦労した、と言われていますし、ホテルの殺人事件の時にはドアマンの兄弟のコネでホテルに潜り込み、ママ・フィッシャーを口説いたことになっているので、パパ自身も貧乏だったみたい。
でも、その割に立ち居振る舞いが上流階級の紳士だし、こういうのは小さい頃からの環境がないと、身につかなかった時代ですから、貧乏とはいえ、それなりの家で育ったものと思われます。
ドアマンの”兄弟”は、その後シリーズに出てこないので、実は『いよぉ、兄弟』的な仕事仲間かと?

決闘のシーンで、リッチモンド出身と言ってますから、パパは英国人で、若い頃にオーストラリアに、おそらく一山当てよう、とやってきてママ・フィッシャーと出会ったみたい。
そして、戦争で従兄弟のユージーンが死んで、ユージーンの爵位と遺産が転がり込んで、一気にお金持ちになったと思われます。

ユージーンは生きていましたが、脱走兵なので世間に出たら、爵位と財産は取り戻せても、犯罪者として裁かれてしまいます。
それでパパ・フィッシャーと”契約”して、一定のお金をもらう代わりに、死んだことになっておくことにしたらしい。
パパも、せっかく転がり込んだ爵位とお金に目が眩んで(?)ユージーンと取引をしたようです。
その後、下の娘ジェーンは行方不明になって見つからないし、ママをまた落ち込ませるようなことになるのは忍び難い、と思ったのだそうです。
ところがユージーンの要求が増えてきてパパ・フィッシャーは、だんだんお金に困るようになり、サマセットの土地を売ってしまったことから、怒ってパパを付け回すことになったらしい。
多分、ユージーンにとってサマセットの土地は、決して売ってはならない先祖伝来のもの、だったのでしょう。
さて、娘のミス・フィッシャー。
舞台の時代は、どうやら1026年あたりのようです。
ユージーンが戦死したことになって、爵位と財産が転がり込んだのが1915年の直後。
その直後に、ジェーンが誘拐されます。
当時の回想シーンの映像からは、ミス・フィッシャーはローティーンくらいでしょうか?
当時13か14歳として、第一次世界大戦は1918年に終わっているから、ミス・フィッシャーは終戦当時16か17歳。
でも、ミス・フィッシャーは従軍看護師として参戦してます。
幾ら何でも16歳の女の子を、看護師として採用するか?
まあ、ミス・フィッシャーのことですから、年齢詐称した可能性は絶対ある。
そして、シリーズの当時は26歳ぐらい。
あら、意外と若いのね。
まあ、当時の26歳といえば結婚してて、子供の二人や三人や四人はいたでしょうから、現在だとプラス15歳くらいの感覚で、丁度いいのか。
ところで終戦直後、ミス・フィッシャーは帰国するお金がなくて、パリでモデルをしたりと苦労したことになってますが、実際はパパもママも、オーストラリアではなくてイギリスにいたらしい。
なんだ、お隣の国じゃん。
単に、まだ帰りたくなかっただけ、なんじゃないの?




そういえば、トード博士殺人の犯人が、まだでした。
もちろんユージーンのはずはなく、レン博士が犯人でした。
かつてトード博士が発明した時計用の塗料に、ポロニウムが含まれていたのです。
しかしトード博士は、データを改竄してポロニウムの毒性を否定する論文を書き、そのため、ポロニウムが規制されるのが遅れてしまいました。
その間に、時計工場で働いていたレン博士の妻は、ポロニウムの被曝で若くして亡くなってしまったのでした。
つまりトード博士の殺害は、レン博士による復讐だったのです。
わざわざ被曝させて被曝者の苦痛を味合わせつつ殺そうと言う、手の込んだ復讐でした。

そのため、高額な懸賞金を準備して権威ある賞を演出。
オーストラリアに滞在中、健康オタクのトード博士の目薬にポロニウムを仕込んだのでした。
死体の傍に落ちていた女性物の腕時計は、妻の作品だったのです。

ポロニウムではありませんが、時計の塗料として使われたラジウムによる健康被害は、実際にあった事件で、アメリカの時計工場で働いていた女性行員が、被曝して何人も亡くなり、裁判にもなっています。


ja.wikipedia.org




ところで、ミス・フィッシャー・シリーズ。
シーズン4の予定はなさそうです。
残念だ。。。。
その代わり、ミス・フィッシャーの姪が60年代を舞台に活躍する別シリーズが、計画中?らしい。
姪?
ミス・フィッシャーに、ジェーン以外に兄弟姉妹がいたんでしょうか?
独身主義者だったけど、途中で偏向して結婚した?
したとしたら、ロビンソン警部補が一番ありそうだけど。
そうなると、ロビンソン警部補の姪御さん?
性格はミス・フィッシャー譲り、という設定らしい。
遺伝より環境、ってことかな。