とりあえず始めてみます老いじたく

ねんきん定期便をきっかけに老活してみることに

49歳未経験すっとこ介護はじまました!〜を読みました

前回の介護ヘルパーさん漫画に引き続き、介護士になった漫画家さんの話です。
その著者さんの絵柄にもよるのでしょうけど、漫画だとすぐ読めるし、あんまり重くならないのがいいような気がします。

特にこの著者さんはギャグ漫画を主に書いていた人らしくて、気軽に面白く読めました。

漫画の合間に、基礎知識として介護の世界のことがまとめられていて知識を得るのにも、ちょうど良かったです。
実は、いまだに老健施設と特老、グループホーム、サ高住の区別がよくつかない私。
聞いても、『大して違わないから、知らなくていいですよ〜』といなされてしまうのは、説明するのが面倒くさいからか、『それくらいは自分で調べろよ💢』という意味なのか。

今回の著者さんも、出版業界の不振に伴い仕事がなくなり、たどり着いた先が介護職。
介護職って、そんなにどん詰まりの仕事なの???

そういえば、義姉も子育てが一段落して再就職しようと思ったら、仕事がなくて(それは単に鹿児島だからかもしれないけど)それで、介護職についたらしいし。

逆にいえば、介護士免許を持っていたら、とりあえずは食うには困らないってことかな。

確か、週に二日しか働かないというセミリタイヤ生活の人の本を読んだ時も、その働く職場は介護施設だったような記憶がある。
介護職って、仕事はきつそうだし低賃金だしというイメージがありますが、一方で割とフレキシブルに働ける職場でもあるのかもしれません。

が、こちらの著者さんはそんな優雅な介護職ではなさそう。
まず最初は介護の仕事以前に、コミュニケーションスキルとか、気配りとかそっちの方で苦労しているようです。
そもそも女性の職場だし、これ言ったら失礼ですが、漫画家さんってコミュニケーション能力低そうだし。
(他人のことは言えませんけど)

前回読んだ、訪問介護ヘルパーさんは、家事一般できないとそもそもなれないので、こちらの著者さんにはまず無理そう。
だって、見る限りじゃ家事一般は奥さんにお任せで全然できないっぽいもの。
なので、施設での就業を目指すことになります。
が、ここでもなかなか雇ってくれるところがない。

何より普通の社会では有利であるはずの”男性”というジェンダーが、逆に障害となってしまってます。
そういえば、林真理子もお母さんを施設に預けた際に、オムツ替えは男性職員にはやって欲しくないとか書いてたな。
預けといてそういうのはどうなんだろう、って思ったけど。

男性だからって差別されるのは、介護士業界と保育士業界くらいかもね。
最近は男性介護士も男性保育士も増えてきて、そうでもないのかな。
私がいうことじゃないけど、めげずに頑張って欲しいです。

確かに、お年寄りの世話って思ったより大変、だと思います。
ちょっと転んだら骨折するしね。
好きに食べさせてたら、誤嚥して肺炎になるし。
預けてる家族は、自分たちが見てない分気が咎めるのか、けっこう細かいところにうるさく注文つけてくるし。

介護の仕事に就くには、何時間かまとめて講習を受けたら始められるようです。
流石に1日や2日では無理だけど、専門学校に通うとか行政がやっている講習会を受講するとかすればなんとかなる。
講習には座学と実習とあるけど、オムツ交換ができて、あとは体力がある程度あればそれほど難しくは無いようです。

しかし、本当に資格のある介護士になるためには、3年間の実務経験を積んだ後、試験に合格しないといけません。
介護士さんもヘルパーさんもやっている仕事はほぼ一緒。だけど、介護士さんの方が知識や経験を持っている分、給与や待遇に差をつけよう、ということで国家資格になっている模様。
介護士さんの免許を持っていると、転職や再就職にかなり有利になりそうです。


この本の著者さんも、最初は苦労しますが、真面目にやっているとそれなりに評価してもらえるのも職場というもの。
いろいろなことができるようになり、ついには介護士の資格も取得されます。

そこに至るまでの、苦労やあれこれを漫画にしている。
勉強になって、参考になってなかなか読み応えがありました。

実は、続編もありまして。

続編では、認知症が進んだ両親のために地元にUターンして別の介護施設で働きながら、認知症のご両親を見るというもの。
以前よりも厳しい生活となってます。
明日は我が身かもしれないと思うと、本当に勉強になります。