とりあえず始めてみます老いじたく

ねんきん定期便をきっかけに老活してみることに

ICLS講習会に参加してきました


*この教科書は改定第3版ですが、現在は第4版が出ております。
ガイドラインは5年毎に新しくなります。
日々新しくするために色々な人たちが努力しているのですね。

ICLSとは、Immediate Cardiac Life Supportの略です。
って、なんじゃそれ???
速やかに心血管系の命を支える?
直訳してもまだよくわかりません。
教科書の表紙によると、突然の心停止に対する一番最初の蘇生処置のこと、らしい。

つまりはあれです、市民マラソンとかで急に出場者が『うっ』とかなって倒れた時に『大丈夫ですかっ』って駆けつけた直後にやるやつ。

別に、義務という訳でもないし、今の仕事内容からするとかなり程遠い状況で、まずそういう場面に出会うことなんてなさそうではあるのですが、なんとなく受けてみようかなと思い立ちまして。
やっぱり一応、医療業界の人だしな。

さて、この講習会、ほとんど座学はなくて実習で明け暮れます。
ちなみにスケジュールはこんな感じ。

私以外の参加者は現役の救命士さんと看護師さん。
どちらも、将来的にはインストラクターを目指している、という意識の高い人たち。
かなりの高レベルの講習会となりました。
疲れたぁσ(⌒▽⌒;)

さて実技はこのようなお人形を使って行います。

この人形を患者さんに見立てて、ロールプレイをしながら蘇生処置を勉強します。
場面は、デパートでお買い物をしている時、とか、それこそマラソン大会とか。
後半では、病棟や外来での対応がメインとなります。
この人形、とても高機能で、心電図も各種出せるし、咳をしたり、呻いたりとけっこう演技派。
ちゃんと心臓が復活したら、脈も触れるように出来てます。
いずれはさらに進んだAIロボットも導入されるのかもしれません。
そうなったら、ますます臨場感のある講習会になりそう。

各セッションごとに目標が掲げられています。
例えば、一番最初のBLSというセッションの目標。

この一見簡単そうに見える目標だって、ちゃんと決まりがあります。
ただ、人とものを集めるだけじゃ駄目なんです。
必要なものを集めないといけないし、集まった人とものをちゃんと使いこなせないといけない。

全ての動きや言葉に意味があり、きちんと伝わらないといけない。
しかも心臓が止まった人の処置をしながら、少しでも無駄な時間をなくすための配慮もしながら、出来ないといけない。
普段はお年寄り相手の、のんびり、ゆったり、まったりのペースで過ごしているので、焦る&焦る。

頭ではなんとなくわかってるつもりでも、いざとなると全部忘れて、あれ?あれれ?ってなってしまう。
講師の先生曰く
『こんなん誰だって焦るし、パニクるんです』
だからこその講習だし、練習。
とにかく身体に覚えこませる。
これが大事、だそうです。

『ここで出来ないことは、現場でも出来ません。出来るようになって帰ってください』
と言われて、もたもた頑張る五十代。
同じことをなんども、グループ内で役割を交代しながら繰り返す。
間違いなく、必要なことができるようになるのが、目標です。

このBLS:Basic Life Support(つまり基本生命補助ですね)をクリアーしたら、さらに進んだALSに行く。
BLSまでは、普通の人がやれるようになってほしい手技、だそうです。
そういえば、小学校のPTAでプール監視員業務の時に、こんな感じのやらされたっけか。
その時は、消防署の人が講師に来てました。
相方のおじさんも、私とは業種が違うので、医療関係はまるっきり素人さんなのですが、仕事の関係でBLSの講習は受けたことがあると言ってましたっけ。

さて、Basicが終わったら、次はAdvanced です。
そこでは、心電図波形を見て、診断と判断をしなくてはいけません。
毎回、何かしら忘れてチェックが入る。
ごめんなさいね、もう歳だから新しいことを覚えるのには時間がかかるのさ。

なんだかんだで、あっという間に時間が過ぎる。
終わった頃には、もうぐったり。
こんなに頑張っても、三ヶ月後にはほとんどの人が、忘れてしまっているそうです。
忘れないための努力についても、話がありました。
家で家族に付き合ってもらって、ぬいぐるみ相手にシュミレーションするのが、いいらしい。
看護師さんは、実家でお母さんと二人でやる、と言ってはりきってました。
なんか、いいなぁ。
私は仕方ないから、猫相手にやってみるかなぁ。
速攻で逃げられそうだけど。

最後の感想。
どこの分野でもそうなのでしょうけど、耳慣れない、言い慣れない言葉がいっぱいあった。
そもそも、今は心臓マッサージじゃなくて、胸骨圧迫って言わないといけないらしい。
除細動つきモニターとか、普段使わない言葉がどんどん出てくる。
おばさんには言いにくいし、めっちゃ噛むし。
それに、なんでこういう救急ものって、ICLSだの、BLS、ALSだの、BVMだのって略字が多いのかしら?
『BVMで換気お願いしますっ』って言われた瞬間、固まりましたよ。
ROSC(ろすく、と読むらしい)なんて、会話に出てきた日には、私たち話しているの日本語だよね???って不安になったし。

ICLS:Immediate Life Support
BLS:Basic Life Support
ALS:Advanced Life Support
BVM:バックバルブマスク(という名前の道具)
ROSC:return of spontaneous circulation 自己心拍再開