とりあえず始めてみます老いじたく

ねんきん定期便をきっかけに老活してみることに

2001年宇宙への旅

この前の日曜日のこと、相方のおじさんが突然、
鹿児島中央駅アミュプラザに入っている映画館で、「2001年〜」やってるけど観に行かない?』
と言い出しました。

庭のデッキを直すんじゃなかったっけ?
そっちは飽きたのか、思ったより大仕事になりそうなので、早速休憩を入れることにしたのか。

さて『2001年宇宙への旅』ってどんな映画だっけ?
そういえば、日曜洋画劇場あたりで何度か放送してなかったかしら?と思うのですが、よく考えてみると、どんな映画かほとんど覚えて無いってか、そもそもちゃんと観たことあったのだろうか?

1968年の公開だそうです。
もう50年も前の映画なんですね。
50年目の節目で再公開しているらしい。
ということで、古典中の古典映画『2001年〜』観て参りました。

いきなり始まりから、真っ暗な中、不協和音だけが流れ続ける演出。
え???これ壊れてる???
と不安になった頃に、いきなりあの有名な音楽とともに、惑星と太陽が重なるシーン。
そこはね、なかなかに荘厳な雰囲気でした。

だけどねー。

尺が長いというか、話の展開が遅いと言うか。
”人類の夜明け”
あんなに長いと思いませんでした。
多分テレビで観てたときは、途中でおやつ準備しに行ったり、トイレ行ったりしてたに違いない。

アフリカ(?)の大地のシーンだけで、寝そうになる。
いまどき、パソコンのスクリーンセーバーだってもう少しテンポ良く画像が切り替わるよ。

原人たちはひたすらウホウホ言いながら、餌を奪い合ったり、しょぼい水場を他の部族と争ったりして過ごしています。
そんなシーンが延々と続く。
冒頭に野晒しになった骨の様子から、既に彼等が現代人と同じ骨格を備えていたことが推測されますが、二足歩行してないし、顔の構造も違うじゃん!
と、粗探しはいけません。
なんてったって50年前の映画です。
そう思うと、原人たちの特殊メイクも頑張ってます。

それにしても話の展開が遅い。。。。

昔の人は気が長かったんだな。
ちゃんと付き合って観てたんだなぁ、と変なところを感心する。

何を観にきてたか忘れそうになった頃、例の黒い板が原人たちの前に現れます。
怪しい不協和音の響く中、最初は怯えながらも徐々に勇気を出して近づき、最後にはベタベタと触りまくるお猿、もとい原人たち。

その後の彼等の行動や生活に、特に変わったところは見られないけど?
と思ってたら、動物の骨を振り回し始めて、ちょっと強くなってる。
あの板に触れたせいで、道具というか武器を使う事が出来るようになった、ってことらしい。
そして、以前は追い払われた水場を武器を使って取り返す、敵のボスを殴り倒して勝った一人が、雄叫びとともに武器として使っていた骨を投げ上げ、その骨が回転しながら、宇宙センターに変わる有名なシーン。
感動より前に、
やっとここまできたわい。
という気持ちの方が先に立ってしまう。

ごめんなさいね。

とにかく未来に来たんだから、登場人物もちゃんと喋ってくれるだろうし、今度は『ウホウホ』とか『うききぃ』よりも話の筋がわかりやすいはず。

と、思ったけどここからが、また長い長い。

地球評議会代表のフロイド博士が宇宙センターに来て、ロシアの科学者達と会話した後、月面基地に行く。

うたた寝をする博士の腕が下に落ちずにゆらゆらするところとか、手から外れたペンが浮かぶところとか随所に工夫がされてます。
そういうところは、今見ても良いな、さすがです。

月面基地では、400万年前に埋められたと思しき黒い板。
モノリスというのだそうですね。
かつて人類がまだ毛むくじゃらだった頃のと、どうやら同じらしい。

その板から発生する信号が、木星を、指してる。
ということで、今度は木星へ向けて探検隊が送り出される。

やっと本題にたどり着く。

そして探査艇の中の生活の様子。
ペースト状の食べ物ばっかりの宇宙食
絶対、歯が弱くなりそう。
歯固めガムを噛まなくちゃ。
筋力維持のため、宇宙船の中をマラソンする隊員。
ここも映像がすごい。
なまじCGじゃないだけに、本物感があります。

さていよいよ、コンピュータHALの登場。
順調に進む航路のはずが、ユニットの一部が故障。
さっそく、回収して修理しようとするけど、問題が見つからない。
なんと、コンピュータのミス?

そして、そのHALの様子が変?
お、いよいよ話が面白くなってきましたよ。
というところで、いきなりスクリーンが白くなります。

えっ何???

見ると真ん中にぽつんと、"intermediate 休憩"
の字幕が。
そして、明かりがついて明るくなっていく館内。

なんと、驚きの休憩タイム。
昔の映画って休憩時間あったんや〜。

ここでおトイレ行ったり、コーヒー飲んだりしてたんかなぁ。
いつまで休憩なのかわからないので、待つことしばし15分ほど。
また眠くなってくる。

音楽が流れはじめて、だけど、一向に始まらないし。
いつ始まるんかい?と思ってたら、ようやくのこと、周りが暗くなり始める。
このタイムラグは、多分、遅れてくる人向けなんだろうな。

そして始まる後半。

二人の乗組員は、HALに聞かれないよう音声通信を遮断した作業用ポットの中で、相談します。
ここであのセリフ”I have a bad feeling about this "が出てきた。
スターウォーズがパクったんかい。
知らなんだわ。

きっと昔からよくある表現なんでしょう。
スターウォーズで、すっかり有名になって、他の映画でもちょいちょい引用されてますね。

おかしくなったHALの中枢をこっそり、HALが気づかないうちに遮断して、船の制御を切り替えよう、と二人は決めます。
ところが、二人の会話をHALの監視カメラが唇の動きを読むことで知ってしまいます。
HALの反撃のせいで、乗組員の一人は事故を装って殺されてしまい、残る一人デビッド・ボーマン船長も危険な状況に。

機械の作動する音と思われるような効果音がやがて、デビット船長の息遣いに変わって、その息遣いだけで感情を表現する演出がすごい。

HALの仕掛けた罠を脱して戻ってきたデビット船長に、機能を停止されそうになってHALが謝ったり、船長を懐柔しようとあれこれ言い募るところが、人間臭くて面白い。
機能を停止されたHALが最後に、フロイド博士からの極秘メッセージを流し、デビッド船長は一人木星に向かうことにします。
というか、したらしい。

そして木星に到着。

ここからの映像効果は、当時は斬新だったのでしょうが、現在に生きる、老眼の50代に少々キツイものがあります。
しかも、長い。。。。
途中で、何度か意識が飛んだから、寝てたかもしれない(ノ´∀`*)エヘヘ

と、気づいたらデビットさん、いつの間にか豪華な中世のお城をリメイクしたホテル(?)らしきところにいました。
そして、そこには年老いた彼自身。
ベッドには死にかけた、さらに年老いた彼。
その息遣いが、だんだん弱まって止まった、、、、と思ったら、胎児の状態に戻った(と思われる)彼が、地球に向かって近づいていくシーン。
で、終わり。

うーむ。。。

難しかった。
よくわからんかった。
だから、記憶に残ってなかったのだろうか。

続編として2010年、2061年、3001年、とあるらしいですけどね。


2001年宇宙への旅。
原題は”A space Odyssey"
英語ではホメロス叙事詩から転じて、長旅とか放浪、という意味もあるそうです。

そういえば、本家のオデッセイですが、歴史作家・塩野七生によると、ヨーロッパの知識人の間では、”朝帰り男の言い訳話”とされているそう。
なんとなれば、オデッセイやその部下たちが魔物に襲われて命を落としたり、帰ってこれなくなったあたりは、実は地中海でも風光明媚で豊かなところばかりだそうです。
だから本当のところは、トロイア戦争で勝った後、オデッセイと部下たちはあっちこっちの観光名所で寄り道しまくっているうちに、都会の綺麗で洗練されたお姐さんとの生活の方が良くなってしまい、貧しくて田舎のイタケーに帰りたくなくなって、みんな脱落。
オデッセイだけは、一応、俺って王様だし嫁も待ってるし、ということで帰ってきた、らしい。
子供の頃、オデッセイの冒険にドキドキしたり、健気な妻ペネロペに心を痛めたりしたものですが、そういう話だったとは。。。